HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

アオギリ(青桐、梧桐)

2023-03-15 | 木本 冬芽・葉痕

細かな部分を除けばニワウルシと同じくらい大きな葉痕。
木も大きくなるし、葉痕も大きいし
コブのような頂芽が春の葉の大きさを想像させてくれる。


▲ 頂芽はふさふさとして毛が密生した芽鱗に覆われている。▼



▲ アオギリ、幼木では樹皮が緑、葉が桐に似ているから青桐。
樹皮は成長と共に灰白色を帯びて浅く縦筋が入る。▼






▲ まだ太くはなれない枝、先の部分では幾つかに枝分かれして広がる。▲

▲ 風に揺られても残っている果実殻、種子の多くは落ちてしまっているけれど、こちらも残っている。▼



▲ 果実殻は5裂、種子と一緒に飛び立った後にはその基部だけが星形に残る。▼



(2022.12.28 林)



▲ 芽鱗は托葉由来と聞く。確かにこのモコモコの中から新しい葉が誕生する。
だから、真ん丸の葉痕の上に托葉痕が残るのも理解できる。▼


▲ アオギリの頂芽(花芽・葉芽の混芽)は芽鱗。側芽(葉芽)は小さい。▼





▲ 葉痕の上部に見える太い線は托葉痕だから、頂芽の芽鱗が托葉由来だと納得する。▼

(2022.12.29 西新町)









(2023.01.04 西新町)

寒空に星形だけが残っている。
葉の落ちた枝には幾つもの冬芽・葉痕。







(2023.02.18 林)








アオギリ(青桐、梧桐) アオイ(←アオギリ)科アオギリ属 Firmiana simplex
APG分類体系では、アオギリ科、シナノキ科、パンヤ科はアオイ科に分類変更されている。
 (2023.03.12 西新町)


 
▲ 果実は出来立て?の頃は赤紫色でひとかたまり。熟すと次第に緑色になって5つに分かれる。
5つに分かれた果実は莢状、中には水が溜まっているので種子も緑の豆そのもの。
やがて乾燥して水分がなくなり皺だらけの豆になり
5つに分かれた果実殻の縁に付いたまま風に吹かれて飛んで行く。▲

【緑色なのに青??】
万葉の時代にも、緑豊かな森と、神社仏閣の赤(丹色)の対比から、奈良の枕詞として「あをによし」があり
日本語では緑色の野菜を「青菜」、新緑を指して「青々とした緑」などと呼ぶ習慣があったことから。

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7 コメント

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見たいところばかりです。 (こいも)
2023-01-03 18:31:15
林の子さん
ますます見たいところだらけです~♬
色々見させていただきながら、うっと~りしています。
モコモコの冬芽やまぁ~るい葉痕も探してみます。
とっても素敵ですね。
果実ができてから、5つに分かれた果実殻の縁に付いた皺皺の豆が、
風に乗って飛んで行くところを見てみたいです。
ありがとうございました。
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見つかれば良いですね。 (林の子)
2023-01-03 19:45:04
高木は下から眺めるばかりですが、時には樹下に種子が零れ落ちていて
幼木が育っていることも多いので少しキョロキョロすれば見つかる…かも知れないです。
草とは違って植えないと育たない…と言われていても、
鳥が運んだり、風に飛ばされていったりと、樹の幼木探しも面白いです。
特に冬芽・葉痕はそんな幼木で見つけておかれると良いでしょうね。
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幼木を探して・・・。 (こいも)
2023-01-07 21:26:34
林の子さん
思い出して幼木を探しました。
その頃よりは他の植物が大きくなっていましたから、
あまり近くへは行かれませんでしたが、
何とか冬芽や葉痕を撮ることができました。
おかげさまで、とっても嬉しかったです。
これからも楽しみです。
いつもありがとうございます。
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色々素敵なことがわかりました。 (こいも)
2023-01-07 22:12:03
林の子さん
こぶのような頂芽が、春の葉の大きさを想像させてくれるのですね。
何だかワクワクしてきま~す。
葉痕の上部に見える太い線は托葉痕。
頂芽はふさふさして毛が密生した芽鱗。
アオギリの頂芽は(花芽と葉芽の混芽)・・・これを芽鱗と言うのですね。
「緑色なのに青」の不思議?
この緑色の木肌を憶えていましたから、出逢った時はアオギリとすぐに思いました。
色々見させていただきながら、お勉強させていただきました。
本当にいつも感謝です。ありがとうございました。
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用語は難しいですが。 (林の子)
2023-01-07 22:39:49
托葉は、葉と茎を繋いでいる葉柄の根元辺りにある小片なのですが
植物によっては小~大と様々、時にはムクゲやハリエンジュのように棘状になっているものもあります。
https://blog.goo.ne.jp/ken328_1946/e/05fcdf35763e11d74566bb208683916f
https://blog.goo.ne.jp/ken328_1946/e/597a2441e8c538df6c6dc6bd5fdde03d

アオギリの葉柄は大きいので托葉痕も大きく残っているのでしょう。
頂芽、側芽は、冬芽のついている位置を示すように付けられている名前。
ですから、頂芽すべてが花芽と葉芽を持っている混芽とは限らないです。

芽鱗は、花や葉になる芽を覆って保護するうろこ状の小片のことなので
画像では赤茶色のふさふさとした暖かそうな毛のことを呼んでいます。
そのような形態の芽を「鱗芽(りんが)」と呼んでいます。
対になる用語に「裸芽(らが)」があり、時に細かな産毛に覆われているだけの文字通り裸です。
アカメガシワの冬芽はこの裸芽の代表みたいなものです。
https://blog.goo.ne.jp/ken328_1946/e/79fc2b8d92f24cd4bcd8ca0ed59bd973
用語は面倒ですが、一つ一つ現物が確認しながら、できれば覚えてゆくのが良いですね。
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難しいですね。 (こいも)
2023-01-09 22:21:11
林の子さん
とっても難しい用語。
今、頭の中はゴチャゴチャです。
でも、一つ一つ出逢った時に確認しながら・・・ですね。
ありがとうございます。少しずつおぼえて行けたらと思っています。
大切なことを教えていただきまして、ありがとうございます。
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難しいから覚えます。 (林の子)
2023-01-10 19:31:55
変な言い方ですけれど、難しいから?覚えておきます。
余り関係の無いことですが、「ボタニカルアート」という絵画の一つのジャンルがあるのですが
今では「植物画」をそう呼ぶ人が多い気がします。
本来は、写真など無かった時代に植物図鑑を作って周知する目的で
その植物を忠実に描く必要があった為に生まれたのがボタニカルアート。
現在ではアートの部分だけが広がってしまって
植物の知識などは余り必要ない…と、絵画の一つになってしまっています。
やはり何か一つ事に興味が出てくれば、避けて通れないのが基礎知識。
難しいことばかり覚える必要はないでしょうが興味のある部分だけはしっかり覚えておきたいですね。
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