HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

やはり野に置け…

2014-10-14 | 【独り言】

 

学生時代、自宅から垂水・高丸丘までは一時間程度だった。
だから、と言う訳ではなかったけれど、下駄履きで通っていた。
当時はまだ明石海峡大橋の橋桁も無かったし、国鉄と呼ばれていた時代、
その国鉄・舞子駅の直ぐ南は、国道二号線が走り、その先が海だった。
防砂林としての松林の中の駅だったし、駅堤の一部に土盛りが残っている、
典型的な、のどかなの田舎の駅そのものだった。
駅堤の垂水駅寄りの土盛りは、東に向かって斜面になっていて、ネジバナが群生していた。
下駄履きだったのは別にバンカラを気取っていた訳ではなく、
ワンゲルに所属して、厳しいトレーニングの帰りには素足が気持ち良かったからだ。

仲間たちと麻雀するために元町まで出る時には
垂水駅までブラブラ歩いて帰ることもあったけれど
舞子駅経由の方が楽だった。



もう、この花が咲き始めていたから夏合宿の為のきついトレーニングが終わった後だっただろう。
下りの電車内で出会った高校時代の花好き、幸ちゃんに、ネジバナが舞子駅に咲いている、と話したら、
『見たいわぁ~』と喜んで、わざわざ途中下車したことがある。

『これ、種は出来へんの?』
「出来ると思うけど、欲しいん?」
『欲しいけど、抜いたらあかんやろ?』
「あかん!、せっかく咲いとるんやし、そのままにしといたろ?」
『そやねぇ~、やはり野に置け……、やね』
その後の事はよく覚えていないけれど、
明石駅で珈琲を飲んで途中まで歩いて帰ったような気がする。




何十年経って
、舞子ビラで開催された「還暦同窓会」に出席した日、
残念ながら彼女も旦那もシンガポールに居たから欠席だったし、
秋だったからこの花が咲いている筈もなかったけれど、その懐かしいその場所に立った。

周辺の景観とともに駅堤も変わってしまっていた。
そうなんだ、時代とともに人の生活環境も変わってゆくし、
自然がそのまま残されている場所とそうでない場所は、人間の都合で変わってゆくものなんだ。



「花」を撮り始めた翌年、この花を大船で見つけた。
不思議な出会いだったけれど、前年秋にコスモスが咲
いていた場所で見つけたこの花をしゃがみこんで撮っていた。
その時偶然声を掛けられたドラ猫さんとの、ネットを通じ
た「花談義交流」のきっかけにもなった。
何枚撮っても、同じ写真にしかならない、
そうは思っているけれど何度も撮っている。
今年も「ヤマアジサイの光則寺」
で初めて見つけた。
(2006.06.30)

OCNブログ人 2006-06-29 10:06:30
【追記】
手に取らで やはり野に置け 蓮華草  滝野瓢水(1684-1762 加古川別府の人)
確かによく知られた句だけれども遊女を身請けしようとした知人に送った句
当の瓢水も放蕩三昧?だった等の裏話があるようだから気に入らないフレーズ。
それでも、余り裏話ばかりを詮索しても良くないのだろう。

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1 コメント

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ヤマアジサイの光則寺は (ひろ♪)
2006-07-02 18:00:18
ヤマアジサイの光則寺は
大船植物園とともに
林の子さんのホームグラウンドですね。

ネジバナ 大好きです。かわいいです。
わたしとウルとの ネジバナとの初対面は
皇居東御苑の芝生でした。

小さな野草をさがして
いつも下ばかり見ていたわたしが
芝生のなかから スクッと立って咲いている
かわいいネジバナを見つけたのです。

上からしか撮れないわたしに代わって
ネジバナと視線を合わせる角度で撮ろうと
ウルが芝生に寝転がって写真を撮ってくれました。

わたしもしゃがみこんで
ネジバナとウルを見つめていたら
警備の皇宮警察の方が近づいてこられて
「大丈夫ですか?」って。

「大丈夫です。写真を撮っていただけです」
と説明すると 笑って去っていかれました。

あれ以来 ネジバナをあちこちで
見ることができましたが
皇居の芝生のネジバナが
最高の思い出です。

いつか明石へ戻られるであろう林の子さんにとっても
光則寺や大船植物園でのお花たちは
大切な思い出になるのでしょうネ。

またいつか 皇居の芝生に寝転がって
ネジバナと再会したいなぁ~♪
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