ひ弱さは感じない。
確かに、草原の中ですっくと伸びた茎に、青紫の花を付けていると目立つ。
時折、どうして野生の花たちは目立つ場所に咲くのだろうかと思う。もう少し控えめに咲けば良いものを、ここに咲いていますよ、と言いたげに咲いている。
そうだった、見てほしいだけなんだよなぁ~、採ってくれとは言ってないんだ。
ふっと、自生種のキキョウも絶滅が危惧されているという話や、
このハナシノブの話と一緒にお聞きしたヤツシロソウ、ヒゴタイとダブってしまった。
その絶滅が危惧されている植物を集めた『日本絶滅危惧種展』が、
平成16年6月、新宿御苑で開かれた時のサブタイトルが「ハナシノブという花がありました」だった。
ところが、配布されたリーフレット、そこに展示されていた「ヒメシロアサザ」は、とんでもない代物。
外来水生植物の「ハナカガブタ」、(と、正式な断定には至っていないけれど、疑義ありとの事で、展示からは外された)だった。
天下の新宿御苑に物申す、なんて揶揄されたけれど、今でも正しかったと思っている。
その顛末を話したときの熊坂さんの苦笑いが懐かしい。
『間違って展示、うちでもよくやる、やっぱり専門家でも担当外だと気付かないよ。それじゃダメなんだけどね。指摘されて気付くようじゃ、プロ失格ですねぇ~。でもお陰さまで、安心してうちはヒメシロアサザ展示出来るよ』
ハナシノブ科ハナシノブ、Polemonium kiushianum Kitamura 「九州の」を学名に 持ち、
レッドデータブックのⅠA類(CR)に指定されている花。
熊坂さんとそんな話をした大船三年目の今年、
ハナシノブはスカシユリの咲いている花壇にずらりと並んで咲いていた。
だから、今日のタイトルは「ありました」にしたくないとの願いを込めて……。 2006.06.29
OCNブログ人 2006-06-29 10:06:30
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