HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

還暦同窓会とヒメシロアサザ

2014-10-14 | 【独り言】





大船で何枚も撮ったヒメシロアサザ 新宿では全く違う種類が「絶滅危惧種」として展示されていた。

 JR舞子駅は、震災の後でやっと開通した明石海峡大橋の橋脚の下になってしまって
すっかり様変わりしているけれど、学生時代に下駄履きで歩いた駅堤からの階段は当時のままだった。
 改札を出た所で、武本と会う。
卒業以来何年経った、なんて数えることは要らなかった。
吉本と待ち合わせていると言う。
彼は徳山からやってくる筈だ。
 下り電車から降りてきた灰谷を呼び止める。
一言で何十年も前に戻っている。
懐かしい出会いが、そこから次々始まった。
会場へのマイクロバス車内は修学旅行だった。
 今年四月に、早々と還暦の集まりを済ませた東京組も、
会場前のロビーですっかり明石高校昭和39年卒業生還暦同窓会の雰囲気に馴染んでいる。
 中村も、滝野も、岸本も、井上も居る。
当然だ、そんな顔をして藤本も座っている。奥山も来ている。
渋っていた私に、参加を強く勧めてくれた幼稚園からの幼馴染、カヨちゃんが目敏く見つけてくれた。
 『よぉ来てくれたなぁ~、みんな楽しみにしとったわ。悦ちゃんも来とるよ』
 九州からの賓客と三人で懐かしい笑いが広がる。
 『幸ちゃんは、来れんかったとねぇ~』と、
今はシンガポールに居る級友を気にかけて、すっかり博多弁。
それでも、三人で話していると、瞬く間に中学時代に戻ってしまう。
 受付で忙しそうだった川西には、先日の電話のお礼。
高校時代には唯の一度っきりしか言葉を交わせなかったマドンナだ。

 恩師四名を含めて、総勢114名だから三分の一の参加。
名前を聞いても「そうだったか??」の人たちもいるけれど、
間違いなく
舟木一夫の「高校三年生」が大流行した年には、本物の高校三年生だった仲間たち。
 藤本が乾杯の音頭。
「喋るなよ、乾杯!だけにしろよ」なんて、
当時の生徒会長に平気でヤジ飛ばせるのは東京出稼ぎ組の強み。
決められた席での歓談は始まりから十分程度しか持たなかった。
笑いの渦の中では、時間はゆったりとは過ぎなかったけれど、それでも充分過ぎる時間だった。
 全員の自己紹介まで済ませて、三時間の同窓会はあっと言う間の三時間だった。

最初からセットされていた部屋に移っての二次会も、あっと言う間だった。
幹事長の今村と分けて歌った「
津軽のふるさと」。
 『誰の歌??、えぇ歌やねぇ~』
 「美空ひばり、りんご園の少女、言う映画の中で歌とった。昭和28年の映画」
 『知らんはずやねェ、私は生まれてないわ!!』
 なんて、焼酎水割りを、ん杯飲んですっかりご機嫌のマドンナ。 

 ライトアップされた海峡大橋が見える部屋に居た、カヨちゃんに別れを告げて
七時前に会場を出た。
舞子駅からの電車は少し疲れた旅人を乗せて、
名残惜し気に、各駅に止まりながら走ってくれた。

☆   ☆   ☆

 その「還暦同窓会」の会場で、ちょっとした「花談義」があった。
 
「ハナガガブタ」を、絶滅危惧種の「ヒメシロアサザ」として展示していた新宿御苑に物申した時の話である。

 『ケンちゃん、あんた、環境省と関わりあんのか??』
 「何でや??」
 『天下の新宿御苑の展示物を撤去させたらしいやないか!!』
 「ちゃうがな、間違えてませんか、言うただけのことやで」
 『そやかて、県庁でも「絶滅危惧種」に影響する心配のある観賞用植物やから、言うて十年くらい前から駆除してるし、報告者の中にあんたの名前出てきてびっくりしたわ』

 話を聞いていて驚いた。
 最初に、県南の水田で、観賞用園芸種のハナガガブタが見つかったのは、何と兵庫県。
雑草ではないけれど、他の植物に悪影響を及ぼす、
と聞くとやはり駆除されなければいけないのだろう。
 ペットもおなじだろう、自分が楽しむ目的で購入した草花、
たとえ不要になったからとて、野原に勝手に捨てたり、
植え直したりするのはよろしくない気がする。

 懐かしい故郷の、池や湿地に普通に見かけたガガブタ、
それ以上に懐かしい花になったこのヒメシロアサザ。
大船植物園の熊坂園長との関わりからだったけれど、
ひょんなところで、故郷と繋がった。

【参考】
 「ハナガガブタ」は、環境省自然環境局の「要注意外来生物リスト」に記載されている。
是非、内容をお読み頂いて、それが鑑賞用から意図的に捨てられた結果、
このヒメシロアサザを初め、絶滅危惧種に及ぼす影響が少なからずあることを認識したい。


ハナガガブタ
  OCNブログ人 2005-09-21 00:39:00

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3 コメント

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懐かしく 楽しい 同窓会の様子が (ひろ♪)
2005-09-21 18:33:22
懐かしく 楽しい 同窓会の様子が
その場にいるかのように伝わってきました。
本当に素敵なお仲間ですね。
友達って いくつになっても いいものですね。
花談義も 深いですね。
自然は 自然のまま
大切に守っていきたいですね。
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楽しかった様子、いいですね。 (どら猫)
2005-09-21 20:07:00
楽しかった様子、いいですね。
頭がどうのこうの、身体がどうのこうの、あいつはどうしたとか
いろいろあったでしょう。それが「マイクロバスの修学旅行」の文ですべて著されている気がします。
 団塊の世代なのかな? そうでなくても間違いなく長い間社会に貢献してきた人たち、
 s39年高校卒業組!エールを送ろう!
 そして これからも花を愛したり、(負けずに人も愛したり)
      本業を仮に離れても何かで誰かに貢献してたり
 頑張っていかれるでしょう。
・・・・実は我も39年卒業なんです。歳は病気で2年遅れて上ですが・・
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☆どら猫さん (林の子)
2005-09-21 21:39:37
☆どら猫さん
 エール、ありがとうございます。不思議なもので、長い時間東京出稼ぎ組でしたし、弟の事もあって気乗りしなかったのですけれど、幼馴染の「名簿に、あんたの名前が無い、言うてみんな騒いどるでぇ~。都合つけておいで。」の一言で、参加を決めました。
 これで、リタイア後も明石の仲間に入れてもらえそうです。
 「花」つながりも愉快でした。やはり私はこの先も、季節の花たちを撮り続けることでしょうね。

☆ひろ♪さん
 幼稚園からの同窓も集まっていましたから、なんとも気恥ずかしい昔話も次々。そんなものですね。自分の年を忘れている訳ではないのに、気取ったり恥ずかしがったりしている仲間たちを、同じ輪の中で笑い合えるのはやはり同窓…、そう思います。
 なんの飾りもいらないし、柵も持っていない、自然を自然のままに守っていたいのと同じくらいに、大事にしたいのは仲間たちですね。
 
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