HAYASHI-NO-KO

唐松岳 不帰険 白馬方面

デイゴの花

2014-10-14 | 【独り言】

    

 
デイゴ、沖縄の県花に指定された花。
 ところが、鹿児島県の花木には、カイコウズが指定されている。
 私は長い間、デイゴ = カイコウズと覚えていたから、
「花」を撮り始めてこの辺りの曖昧さが気になり始めた。



 デイゴと名の付くものは、何種類もあって、自生種・栽培種で国内に育つものもかなりの数。
 大船温室前にあるものは、マルバデイゴ(園芸種)の表示。
新宿御苑温室前には、アメリカデイゴの表示。
 これは、アメリカデイゴの園芸種がマルバデイゴ、と言うことで落着したように思うのだけれど、
その他は調べていたら、もっともっと判らなくなった。

 ところが、一昨年、ボタニカル・アートをやっている小西さんから頂いた本に
「カイコウズ(海紅豆)」は「ナンバンアカアヅキ」のことだと説明されていた事を思い出して、
その投稿記事をもう一度読み直した。

 結論から言うと、やはりネット上の情報混乱は、間違いを連鎖、拡散させている以上に、
引用・転記の繰り返しによる、情報の混乱を一層助長している、
やはり権威の規制も及ばなくなってしまった、そんな感想に至った。

 「本」として出版されているもの全てが正しい情報かどうかさえ、
素人には判断できないけれど、情報の混乱はネットの怖さ、そんな気がしている。

 
 そんな訳で、私は、ボタニカル・アート画家として、細部までを観察され、
その情報を基にして精緻に描かれた、その特徴を以って、
これから「デイゴ」の区別を続けたいと思っている。


 1. アメリカデイゴ 学名はErythrina crista-galli 
 2. マルバデイゴ(葉柄の裏に棘があり、花柄が捩れている 上の二枚の画像) 学名はErythrina crista-galli cv. Maruba-Deigo
アメリカデイゴの園芸種 葉が丸い
 3. サンゴシトウ(珊瑚刺桐、ヒシバデイゴ 下の二枚の画像) 学名はErythrina x bidwilii
  4. デイゴ(梯梧) Erythrina variegata

 5.  ナンバンアカアズキ(サガ)  Adenanthera pavonina(=Adenanthera microsperma) 
中国では「海紅豆」あるいは「相思樹」と呼ばれる
「紅豆南国に生じ、春来たりなば幾枝を発す、君に願う多く採りて襭せよと、此物最も相思なり」
という、王維(唐の時代の詩人で詩仙と呼ばれた)の詩にも詠まれている
以上は全て木だが、それとは別に草本にも
ナンバンアカアズキ Macroptilium lathyroides(=Phaseolus lathyroides)がある。
  
(2006.07.02)
    



OCNブログ人 2006-07-02 23:30:19


9 コメント

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検索ページよりベニバナチャ 紅花茶のページに行... (ねね)
2006-07-08 06:30:13
検索ページよりベニバナチャ 紅花茶のページに行きました。↓
http://hayashi-no-ko.blogzine.jp/photos/flaw3/f315.html

そしたら、花の説明がノコンギクの物になっていましたよ。
ツバキ科ツバキ属のベニバナチャだと思うのですが。
どこから、「花たちのページ」に行くのかわからなかったので、ここに書きました。
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でいごの花、見させて頂きました。 (すやきん)
2009-06-27 11:34:34
でいごの花、見させて頂きました。
素敵な花ですね。沖縄以南だけですよね、九州でも咲くのでしょうか?
熱帯の花ですね。
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すやきんさん、こんにちは。 (林の子)
2009-06-27 18:59:19
すやきんさん、こんにちは。

デイゴ、確かに熱帯産の花ですが、
沖縄・奄美・鹿児島辺りでは庭の樹、街路樹に使われているようですし
最近では、暖かな地方では普通に植えられているようです。
画像は、大船と新宿で撮ったものですから、
意外なところでお目にかかれるかと思います。
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デイゴの花 (こいも)
2019-06-29 10:56:46
林の子さん
色々と難しいのですね。
名前が記してあるともうそれを信じて・・・
そんなことばかりですが何も知らないと言うことは恐ろしいです。
でも林の子さんに教えていただきながら
ハッとしたり…ハッとしたり…の連続ですが
少しずつ知ることができてとても嬉しいです。
マルバデイゴ。。。
『葉柄の裏に棘があり、花柄が捩れている 』
良く見てみたいです。
いつもありがとうございます。



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ふるい記事です。 (林の子)
2019-06-29 14:25:01
この記事は、現在使っているGooよりも以前から使っていたブログサービスのページ。
植物そのものを充分に理解した上で描くボタニカルアート画家の細かな視点が
今でも大いに役に立っています。
単なるきれいな、或いは芸術的な植物画そのものには全く興味が無いので
やはり描かれた絵から、これは撮っておきたいな…とと言う部分が今でも大きな刺激になっています。
花柄が捩れているからこそ、デイゴの花は旗弁が下側にある…のですから。
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何処かで・・・ (こいも)
2019-06-29 18:08:06
林の子さん
『花柄が捩れているからこそ、デイゴの花は旗弁が下側にある…』
どこかで聞いたのか読んだのか・・・
もしかしたらこちらで知ったのかもしれません。
「捩じれる…」が不思議です。
開花すると同時に捩じれてくるのでしょうか・・・
また変な質問ですみません。
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捻れる… (林の子)
2019-06-29 21:18:46
表現が正しくないですね。
開花したものは全て本来上にあるはずの旗弁が下向きなので、捻れている…と表現したようです。
捻れているように感じるのですが、その理由はよく分かりません。
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わかりました・・・ (こいも)
2019-06-30 21:11:32
林の子さん
わかりました。
変な質問にお答えいただきまして
ありがとうございます。
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捻れている…。 (林の子)
2019-06-30 21:43:33
確かに、花柄の先端部分(花弁に近い部分)で捻れていないと、本来は上にあるべき旗弁は上に来るとは思えないですね。
同じ場所に咲いているサンゴシトウ(ヒシバデイゴ)は、細長い花ですが、上に旗弁、下にしべ類を納めた竜骨弁がありますものね。
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