HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

カラスムギ(烏麦)

2018-05-29 | イネ・カヤツリグサ・シダ類など

枯れた姿を楽しみ?していたけれど
思いがけずおしべが揺れているのを撮ったから
もう一度撮りたくなって河原に降りた。
それでもあれからもう10日も経っている。


▲ 苞穎(花弁の下の苞葉に当たるもの)が枯れて白くなっているのが遠目にも目立つ。▼





▲ 長い芒を付けた小花、既に果実が出来ている状態で緑だった苞穎は白く薄くなる。▼



▲ 全ての芒は最初から90度折れ曲がっている訳ではないが、果実が出来る頃には折れ曲がる。▼









▲ 芒が付く護穎基部には剛毛。これも種子が地面に潜ってゆく折には
しっかりと土に孔を開ける為の道具になる。▼





▲ 90度折れ曲がっている芒にも、基部にも毛が密集している。▼

▲ 毛はよく見ると捩れたように芒についている。▲
剛毛のある部分を下にして地面に落ちると雨などに濡れて捩れていた芒が元に戻ろうとする。
渇くとまた捩れる、その繰り返しで地面に潜ってゆく…仕組みを持っている。

この仕組みはオランダフウロ種子にも備わっている。
カラスムギ(烏麦)
イネ科カラスムギ属 Avena fatua
(2018.05.25 明石川)

 


▲ 花期のカラスムギ、小穂には縦縞の目立つ2枚の苞穎(花の苞片・苞葉に当たるもの)、
その内側に小花が2個か3個があり芒が目立つ。▲

【備忘録 イネ科植物に関する用語 抜粋】
花序には『小穂(しょうすい)』と名付けられた構造物がつく。
小穂の基部には『苞穎(ほうえい)』と呼ばれる変形した葉がある。
苞穎の上に『小花(しょうか)』がある。
小花は『小軸(しょうじく)』でつながっている。
小花には『護穎(ごえい)』『内穎(ないえい)』に包まれた、おしべ・めしべがある。
護穎や苞穎についている細長い突起物は『芒(のぎ)』と呼ばれている。
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カラスムギ 果期のカラスムギ



2 コメント

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段々わかってきました… (こいも)
2020-07-05 14:32:32
林の子さん
スッキリした画像の中で見させていただきよりわかった気がしてきました。
雌しべや雄しべも見えました。
芒について色々なことを知りました。
曲がる理由やネジネジの姿・・・そこに添うように付く毛・・・
下から4枚目の画像…すごいですね~
この画像を見させていただきながら
感動しています。
植物って色々考えているのですね。
すごい仕組みにびっくりです。
今年はカラスムギその物に触ってしごき取ってみて良かったな~と思いました。
たくさんの事…教えていただきましてありがとうございます。
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のんびり出来れば。 (林の子)
2020-07-05 15:45:16
急ぎ足や、前のめりになっていると植物の観察は無理ですね。
昆虫や鳥とは違って動かないから撮るのは楽だ…などと言っている間に
季節は過ぎてしまうので、のんびりとお付き合い出来れば、
奇妙な仕組みも知りたいなるかも知れないです。
まぁ~、アレモコレモと時間があれば撮り続ける方が面白いですが、
のんびりした気分や時間があれば、一つ一つ増やしてゆくのが長続きのコツだと思います。
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