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その2 すごい若者

2015-09-30 09:05:50 | Weblog
その2 すごい若者

平成27年 西暦2015年9月30日 水曜日

今朝の日経新聞の記事ビューティフルです。
28歳社長が輝いています。

「このままでは科学が腐る」 AIで不正論文を暴け
2015/9/30 3:30
 STAP細胞の論文にまつわる捏造(ねつぞう)事件によって、日本の「科学立国」としての信用は大きく揺らいだ。政府が6月にまとめた2015年版の科学技術白書でも、研究不正の対策が「十分ではなかった」として取り組みの強化を求めている。不正が相次ぐ科学界の危機を救おうとする技術を開発したのは東大発ベンチャー、エルピクセル(東京・文京)の島原佑基社長(28)だ。最先端の画像処理や人工知能(AI)の技術を不正な論文を暴くために活用している。その一方で、同じ技術をがんの画像診断など科学の発展に役立てようとしている。

島原社長は大学まで野球を続けてきた。高校時代はキャッチャーで4番。野球では頂点にたどり着けなかったが、画像処理では「世界トップを目指す」




■「不正できない抑止力に」
 2014年2月。島原氏は大学や企業の研究所で使う画像分析ソフトを開発する会社の設立に向け、登記などの準備に追われていた。そんな最中、STAP論文で脚光を浴びた小保方晴子氏の論文に不正があるとの指摘がマスコミで取りざたされ始めた。
 島原氏は試しに、自らが持っている画像分析ソフトの技術を使い、小保方氏の論文に掲載された画像を調べてみた。するとDNAの解析画像で、ほかの実験結果の写真を長方形に切り取り、自身の画像に写真を貼りつけたとみられる箇所が見つかったのだ。
 「このままでは科学の世界が腐ってしまう」。急きょ、画像の切り貼りや加工など不自然な箇所がないかを検出できるサービスの開発に着手した。当初は有料で提供しようとしたが「研究者が安易に不正できないような大きな抑止力になれば」。そう考えた島原氏は会社設立直後の4月、あえて無料で公開に踏み切った。すると世界中の大学や研究機関に口コミで広がり、多いときには1日に1000件も利用された。
 エルピクセルの強みは扱う画像を生物や化学の分野に特化しているところだ。分析にはAIを使い、画像の中で不自然なつなぎ目を探すなど、従来の画像比較ではわからない範囲を調べ上げる。繰り返し利用するとデータが蓄積され、さらに精度が高まる。現在は改良した有料サービスも提供している。
 全世界にある論文のデータ量はこの10年で30~40倍に膨れ上がっているといわれる。その8割がテキストデータではなく、画像など単純な方法では検索しづらいデータが占めている。高性能な顕微鏡や磁気共鳴画像装置(MRI)、高性能なコンピューター断層撮影装置(CT)などのハードウエアが登場したためだ。
 昨年12月、東京大学は、加藤茂明元教授らが執筆した分子生物学の33の論文に不正があるとする報告書を発表した。実はこうした不正論文は氷山の一角であり、全体の1割とも2割あるともいわれていて、世界的にも大きな問題になっている。不正な結果に基づいて誤った方向に研究が進めば「結果的に多くの税金や時間が無駄になってしまう」(島原氏)。
■一度は遺伝子工学の道に
 島原氏はそもそも画像不正の検出ソフトを作ろうと起業したわけではなかった。高校時代に京都大教授の山中伸弥氏が開発したiPS細胞が登場。傷ついた臓器や組織を治療する再生医療への応用が期待されているというニュースを見た。「生物を作り出せる時代が来る」。触発され遺伝子工学の道を志した。
 希望通り大学の専攻は遺伝子工学を選んだ。在学中には米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開かれた遺伝子の技を競い合う大会にも参加した。世界30カ国の大学の優秀な頭脳が集まり、部品のように遺伝子を組み換え、細胞を光らせるなどいかに面白いものを作れるか競う。その大会では銅賞を獲得した。


しかしそこで痛感した。「遺伝子は何万種類と限りがあり、その組み合わせが勝負になる。となると重要になるのは科学の素養というよりはコンピュータースキル。あまりにも競争相手が多い」。そのまま遺伝子工学の道を進んでもよかったが、この世界で1番になれるかどうかわからない。確実に自分が1番になれる分野はないものか。友人や教授らと話していくうちにヒントが見つかった。
 「最近、撮りためた画像を整理できなくて困っている」。生物系の研究者が口をそろえて言った。研究画像を効率良く処理できるシステムの研究はあまり着手されていなかった。「世界を変えられるタネがある」。遺伝子工学で身につけた生物の知識を活かしながら画像技術を学べる世界トップクラスの研究室を東京大学の大学院で見つけ、門をたたいた。
 島原氏の予想は当たった。研究室では、企業などとの共同研究を何十件も抱え、研究員たちが寝る間も惜しみながら画像処理の研究に汗を流していた。これだけ需要があるなら「いますぐにでもビジネスになりそうだ」と思った。
 その時点で、島原氏は会社勤めをしたことがなく、ビジネスパーソンとして働けるか自信がなかった。欠けている能力は身につけるしかない。「手っ取り早く成長できるところ」として、当時携帯電話向けゲームで一世を風靡していたグリーやスマートフォン向けゲームを手掛けるKLabに入社し、管理会計や経営戦略の策定、海外営業などを経験した。
 「会社作りましょうよ」。武者修行の最中の14年1月、研究室の先輩だった特任准教授の朽名夏麿氏(37)や特任研究員の湖城恵氏(28)に起業話を持ちかけた。「いいね、やってみようよ」。2人の反応は良かった。それでは誰を社長にするか。最年少の島原氏は社長になる気はない。しかし2人は「俺は無理。君、やりなよ」。先輩たちの推しに断りきれなかった。
■研究者の「作業者化」を止める
 不正論文の検出ソフトで注目を集めたが、実は売り上げの9割以上は研究室からの画像解析ソフトの受託制作だ。
 例えば大学の農学部研究室から農作物の成長度合いを分析できるソフトを作ってほしいと依頼が来る。要望に合わせて、植物を定点観測した画像や動画を入手し、高さや幅、葉の枚数などあらゆるデータを数値化。グラフにするなどして植物の成長の過程を素早く詳細に分析できるようにしたソフトを作成して納品する。研究者はこのソフトを用いて、品種改良や増産などに役立てることができる。現在エルピクセルは大学や企業の研究室など40の取引先を抱える。
 「研究者がデータの処理だけに追われてしまっている」。島原氏は科学の世界でこんな問題意識を抱いている。画像データが大きくなればなるほど研究結果を出すのに時間がかかり、本来すべき研究が遅れてしまっている。そもそも画像を人がチェックすればどんな優秀な研究者でさえミスも出す恐れもある。そんな研究者の「作業者化」を止めたい。そこを島原氏が提供するソフトを使って自動化すれば、研究者は本来を割くべきことに力を注げる。
 画像処理の技術を応用すれば、人の目では判断しにくい病気の原因も発見しやすくなる。例えば肝臓にがんが見つかった場合でも、肝臓自体にできたがんと、ほかの臓器から肝臓に転移してきたがんでは性質が異なり、治療法が変わる。見誤れば命にかかわる。
 東大研究室の在籍時に、国立がん研究センターや東京理科大と協力して、がんの診断画像から転移がんかどうかを判定するAIソフトを開発した。マウスの皮膚の下に肉腫と乳がんの細胞を注射し、がんになった組織の画像約300枚をソフトに読み込んだ。ソフトが判定を誤るたびに臨床医が正しい判定結果を教え込んだ。こうしたことを繰り返した結果、94%の精度で転移がんを見抜くようになった。3~4年後の実用化を目指している。
 学生時代に米国の大学の研究室を訪ねた際「まるで巨大病院のようだ」と設備や環境において日本の大学の研究室との違いに驚いた。「このままじゃ日本は負ける」。島原氏は危機感を抱く。画像処理を自動化させる技術は不正論文を暴くだけでなく、各研究者の能力を高め、科学立国、日本の自信を取り戻すきっかけになるかもしれない。
(電子編集部 鈴木洋介)

2回目の休憩

午前9時5分



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