欧州の通信大手、フランステレコムとドイツテレコムは8日、双方の英国の携帯電話事業を統合し、新会社を設立する計画を発表した。
これが実現すれば、加入者数2840万人の英国携帯電話市場最大のキャリアが誕生することになる。10月末にも両社は新会社設立に向け、契約を調印する予定だ。
●両社合算シェアで首位
英国携帯電話市場には、スペイン・テレフォニカ傘下のO2、ボーダフォン、フランステレコム子会社のオレンジUK、ドイツテレコムグループのT-モバイルUK、バージン、3の6社が参入し、激しいシェア争いを繰り広げている。
合併が予定されているのは、2008年加入者ベースでシェア3位のオレンジと、同4位のT-モバイルUK。両社のシェアを合わせると37%で、首位に踊り出る。
新会社には、オンレジのブロードバンド事業も組み込まれる予定で、高品質のモバイルサービスのほか将来的には融合ソリューションも提供する考え。
両事業統合により予想されるシナジー効果は、総純収益の現在価値を合わせ35億ポンド(約5300億円)。
また、販売店の統合や人員整理などで、事業運営費を14年以降、毎年4億4500万ポンド削減。設備投資を10年からの4年で6億2千万ポンド、15年以降は年間1億ポンド削減できると試算している。
●1年半後に新ブランドの詰め
新会社のCEO(最高経営責任者)には、オレンジUKのトム・アレクサンダーCEOが、COO(最高執行責任者)には、T-モバイルUKのリチヤード・モートCEOが就任の予定。
統合後1年半は、T-モバイルとオレンジのブランド名を残し、その間、経営陣が新ブランドについて詰めていくという。
【記事引用】 「電波新聞/2009年9月10日(木)/2面」