携帯電話機メーカーの端末事業は、シャープの販売台数が落ち込んだり、東芝が2008年4-9月期に赤字に転落するなど、前年同期に比べて軒並み減益となった。
割賦販売の普及が販完台数減という形で業績を直撃、メーカーは成長・戦略を描けずにいる。
●国内低迷
京セラは、携帯端末を主力とする通信機器関連事業で4-9月期に24億円の赤字を計上した。最大手のシャープと東芝は、販売台数が約3割落ち込んだ。
各社とも、「買い替えサイクルの長期化が要因」(京セラの満田正和執行役員)と声をそろえる。
大手で唯一台数を伸ばしたNECも、期初の目標には届かず、営業損益はほぼトントン。パナソニックモバイルは、営業利益率10%を確保したが、基地局などを含んだ結果で、携帯端末の利幅は小さい。
7-9月期の国内の総販売台数は1000万台強とみられ、前年同期比23%落ち込んだ。10月以降も回復の見通しは立たない状況。
●海外に活路
国内の低迷を踏まえ、メーカーが活路を求めるのが海外市場。シャープが中国市場に進出し、京セラは北米に注力。パナソニックモバイルも、「海外に打って出るべき」(大坪社長)と準備に入った。
ただ、パナソニックやNECは一度、海外進出に失敗しており、「ライバルが減ってくれるのが一番良いのだが」(大手幹部)という本音も聞こえてくる。
【記事引用】 「日経産業新聞/2008年11月4日(火)/3面」