携帯電話業界ブログ

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携帯電話3社、アンドロイド携帯相次ぎ投入 来年以降、スマートフォンが主役に

2010-11-29 | 市場動向/日本



 携帯電話端末市場でスマートフォンの存在感が一気に高まってきた。

 携帯電話主要3キャリアは、このほど発表した冬春モデルに相次いでグーグルのスマートフォンOS(基本ソフト)「アンドロイド」を搭載した機種を投入。

 先行するアップルのiPhoneを追撃すべく、シャープ、東芝がアンドロイド端末を発表したほか、パナソニックとNECカシオモバイルコミュニケーションズも来年以降の端末発売を表明した。

 キャリア側もサービスメニューを拡充しており、来年以降はスマートフォンが主役になりそう。


●次の成長の要

 スマートフォンは、アップルの「iPhone」の発売で人気に火が付いた。

 携帯電話の販売は販売奨励金の廃止などから、買い替えサイクルが長期化し端末出荷数が低迷していたが、昨今はiPhoneを中心としたスマートフォンが市場のけん引役になっている。

 純増数を見ても、iPhoneで先行するソフトバンクがNTTドコモとKDDI(au)を圧倒しているのが現状。

 モバイルコンピューティング推進コンソーシアムが発表したスマートフォン市場予測によると、10年に個人337万台/企業73万台が、15年には個人1846万台/企業128万台と急増する見通しが明らかになった。

 畑口昌洋幹事長は「ガラパゴスを脱出する代表がスマートフォンになる」と話すなど、スマートフォンへの期待が高い。携帯電話各社もスマートフォンが次の成長の要とみており、製品投入に力が入る。

 端末の発売ではまず、NTTドコモが4月からアンドロイド搭載のソニーエリクソン製「エクスベリア」を、10月28日にはサムスン電子のグローバル展開スマートフォン「GALAXY S」を発売した。

 国内メーカーでは、スマートフォンで他社より先行してきたシャープが、この冬春モデルから新スマートフォンをNTTドコモ、KDDI〈au)、ソフトバンクの3キャリアに端末を供給。

 とくにスマートフォンで出遅れたKDD(au)は、いち早く「おサイフケータイ」や赤外線通信などを載せたシャープ製「ISO3」を披露、26日から店頭発売した。

 田中孝司KDDI代表取締役執行役員専務も、「IS03でauの気合いと本気度を見てもらいたい」と力が入る。

 NTTドコモは、「エクスベリア」を半年で約60万台販売するなど好調な滑りり出しを見せており、山田隆持NTTドコモ社長は「年間120万-130万台は行けそうだ」と事実上目標を上方修正している。


●端末メーカの成長の中核

 対するソフトバンクは、冬春モデルからアンドロイド搭載端末の製品群を一気に拡充した。

 孫正義社長は「ソフトバンクはiPhoneの進化をさせるだけでなく、アンドロイド搭載の革新的な端末でさらに浸透を図る」と話し、他社の迫撃を許さない構え。

 今回は3次元(3D)液晶を搭載した端末も発表された。

 ソフトバンクのシャープ製「ガラパゴス」とNTTドコモの東芝製「レグザフォン」は、3Dにより利用者に新たな利用シーンを提供していくとしている。

 あわせて、各キャリアともスマートフォン向けのコンテンッサービスも増やし、携帯電話端末だけでなくサービス面での差別化にも注力する。

 音楽や映像、ゲーム、電子書籍などのコンテンツを充実させていくだけでなく、KDDIはスカイプ・テクノロジーズと提携し、auスマートフォンで映像通話などの無料サービス「スカイプ」を利用できるようにした。

 端末メーカーも、スマートフォンを成長の中核と位置付ける。

 シャープは、今後2-3年以内に国内向けスマートフォンの販売500万台を目指す計画を示し、大畠昌巳執行役員・情報通信事業統括は「11年に向けてスマートフォン事業を一気に加速させ、シェア30%以上をとりたい」と語った。


●後れ取った2社も参入表明

 スマートフォン端末の投入で後れを取ったパナソニックモバイルコミュニケーシヨンズとNECカシオモバイルコミュニケーションズも、相次いでスマートフォン市場への参入を表明した。

 パナソニックは11年前半に国内でアンドロイド搭載端末を発売し、12年前半には海外へ投入をする。

 AV機能と使いやすさを融合した端末にする計画で、脇治社長は「本格的に立ち上がる11年以降に照準を合わせて製品を投入し、一気に市場を捉えていく」と述べた。

 NECカシオモバイルも10年度下期に北米、欧州から端末を投入し、11年度下期には国内市場にも参入することを明らかにした。

 山崎耕司社長は「12年度には(携帯電話総販売数1200万台中)スマートフォンの比率を50%以上にする」と意気込む。11年以降、スマートフォンの市場競争はさらに激しくなる。




【記事引用】 「電波新聞/2010年11月29日(月)/1面」


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