携帯電話業界ブログ

── ケータイ業界関連の記事集.

スマートフォン、携帯電話市場を再活性化 国内出荷台数、2016年に7割増

2012-07-18 | 市場動向/日本


 日本の携帯電話市場は世界に先駆けて普及したデータ通信サービスに多様な機能やサービスが加わったことで急速に利用者が増え、2007年末に契約者数が1億人、総人□に対する普及率は80%に達した。

 普及が一定水準に達したことなどで停滞感も生まれるなか登場したスマートフォンは、買い替えや2台目需要の掘り起こしで市場を再び活性化させた。


●携帯市場を再活性化

 日本の携帯市場が飽和しつつある中、携帯によるデータ通信の普及が大幅に遅れていた米国で、世界の携帯市場を劇的に変える製品が生まれていた。米アップルのスマートフォン「iPhone」だ。

 アップルは、08年7月には第3世代携帯サービス対応の「iPhone3G」を発売。日本発売に向けてNTTドコモもアップルと交渉したが、アップルがNTTの知的財産の開放を求めたことなどで決裂。ソフトバンクモバイルが販売権を得た。

 08年10月、米TモバイルUSAが米グーグルのスマホ向け無償基本ソフト(OS)「アンドロイド」を初めて採用した「G1」(台湾HTC製)を発売。

 日本ではドコモが09年7月に国内初となるアンドロイド端末(HTC製)を発売したが、タッチパネル操作に一部制約があった。

 ソニ―・エリクソン(現ソニーモバイルコミュニケーションズ)が同年秋以降に発売したアンドロイド端末「エクスペリア」や韓国サムスン電子の「ギャラクシー」は今、スマートフォンと呼んでいる端末の操作感を実現。

 パソコン並みにインターネットを利用できるスマートフォンの概念はカナダのリサーチ・イン・モーションの「ブラックベリー」などもあったが、タッチパネル式のiPhoneやアンドロイド端末は消費者に広がった。

 スマートフォンは飽和状態にあった国内の携帯市場を活性化させ、09年に4%台に落ち込んでいた契約者数の伸びは昨年末に7%台まで回復。2台目需要の掘り起こしにつながり、今年3月末には携帯の普及率は100%を超えた。


●出荷拡大続く

 調査会社の富士キメラ総研によると、世界のスマートフォンの出荷台数は2016年には10億6000万台と11年の2.4倍になる見通し。日本国内では3200万台と同7割増え、従来型携帯電話の7.6倍に達する。

 11年の国内のスマートフォン出荷台数は10年の2.2倍の1880万台で、従来型携帯電話の出荷を上回った。

 従来型携帯電話の出荷は10年比で37%減の1740万台。16年には420万台まで落ち込む見通しで、同年の携帯全体の国内出荷の88%をスマートフォンが占める。

 13年までは高速携帯サービス「LTE」の普及とともにスマートフォンの出荷は拡大が続き、14年以降は横ばい傾向になるという。

 携帯電話全体の出荷は、年3600万台前後と大きな変動はない見込み。

 世界全体では、11年のスマートフォン出荷台数は10年比で80%増の4億5000万台だった。米アップルと「ギャラクシ―」シリーズを持つ韓国サムスン電子が牽引した。

 中国では16年のスマートフォン出荷が11年の2.6倍の2億3600万台になるほか、欧米ではLTEの普及に合わせてスマートフォンの販売が増え、13年には従来型携帯の出荷を上回る見通し。

 従来型携帯の出荷は11年の8億9000万台から16年には5億8300万台に落ち込み、同年の携帯出荷のうちスマートフォンの比率は65%に達する見込み。




【記事引用】 「日経産業新聞/2012年7月18日(水)/5面」


最新の画像もっと見る