携帯電話業界ブログ

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シャープ、携帯電話の海外販売400万台出荷を目標 国内シェア3割に挑む

2009-05-28 |  シャープ



 シャープは27日、2009年度の携帯電話事業説明会を開き、海外で前年度比2.5倍の400万台の出荷を目指す計画を明らかにした。

 国内では、太陽電池付き製品やアクオス携帯を軸にして、シェア30%を狙う。


●攻めの姿勢前面

 国内外ともに市場環境が厳しく、大手各社が控えめな計画を出す中、あえて攻めの姿勢を前面に打ち出した。

 シャープの強気を支えるのが、パナソニックモバイルなどの競合他社に先んじた海外展開。昨年進出した中国市場では、これまでに高価格帯を中心に6機種を投入。

 より価格の安い製品も揃え、09年度に中国だけで200万台前後の販売を見込む。

 昨年度は、米国で展開中のスマートフォンを中心に海外での実績は160万台と国内の5分の1に留まっていた。今期は、中国の強化に加えて欧州にもスマートフォンを投入する計画。

 海外のEMS(電子機器の受託製造サービス)企業を積極活用し、一気に事業規模の拡大を狙う。


●シェア30%に挑戦

 4月に通信システム事業本部長に就いた大畠昌已執行役員は国内市場について、「今春以降、一部の機種で売れ行きが回復し始めた」と話す。

 前年度並みの830万台を最低限の目標として設定した上で、1千万台の回復とシェア30%に挑戦する。

 競合他社の今年度の事業計画をみると、パナソニックモバイルは2%増の646万台、NECは微減の500万台、重土通は横ばいの460万台。

 国内市場は、30%縮小した08年度よりさらに7%程度縮んで、3300万台前後が見込まれている。


●製品開発力に絶対的な自信

 厳しい状況下で攻勢を維持するのは、その製品開発力に絶対の自信を持つから。

 「正直言って、シャープには勝てない」。19日のソフトバンクの新製品発表会に出席した他メーカーの開発担当者は、ため息をついた。全19機種のうち、6機種をシャープ製が占めたからだ。

 シャープは、NTTドコモとKDDI(au)向けを含めて、全12機種を出した。特に、今夏モデルの目玉としてシャープがauとソフトバンクに供給するのが、独自開発の太陽電池を搭載した製品。

 1時間の太陽光による充電で6分間通話でき、ソーラー・ハイブリッド・ケータイとして売り込む。

 さらに、ドコモとソフトバンクには1千万画素カメラを搭載したアクオス・ショットも供給する。太陽電池搭載の製品については、「海外でも十分に競争力を発揮できる」として、年内に海外市場にも投入する計画。


●真価を問われる年

 携帯大手3社を網羅し、完成度の高い製品を供給する点について他社も一目置いている。ただ、08年度の実績は国内外合計で992万台と35%減った.

 大幅減の中でも営業黒字を確保した点をシャープの底力と評価するのか。あるいは、08年度当初の計画が1480万台だったことを踏まえ、大風呂敷のシャープとみるのか。

 シャープにとって、真価を問われる年になりそう。





【記事引用】 「日経産業新聞/2009年5月28日(木)/3面


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