鉄火場のアライグマ

株式投資がメイン、の予定だったのですが、いつのまにかマンション購入記、のつもりが建売住宅購入記になってしまいました・・・

排出権

2010年04月30日 | Weblog

昨日のニュースに、排出権取引に関する疑惑が出ていた。

日本含む排出枠260億円、ウクライナ流用か
 【モスクワ=山口香子】ウクライナ最高検察庁は28日、チモシェンコ前首相の率いた政府が、京都議定書の削減目標達成のために他国に売却した温室効果ガスの排出枠代金23億グリブナ(約260億円)を不正に使用した疑いがあるとして捜査を開始した。
 日本はウクライナに排出枠代金として約200億円を支払っており、在ウクライナ日本大使館は「ウクライナ側に事実の究明を求めており、対応をふまえて今後の契約について考える」としている。
 日本は、余剰排出枠を持つウクライナから3000万トン分の排出枠を購入する計画で、関係者によると2009年に1500万トン分として約200億円を支払った。しかし、今年2月のウクライナの政権交代後、代金が所在不明になっていることが判明したという。
 アザロフ首相は28日、チモシェンコ前首相が代金を今年初めの大統領選用資金に流用した疑いを指摘したが、前首相は否定している。
(2010年4月29日21時54分  読売新聞)

私は、排出権取引という制度に対しては非常に懐疑的、というより制度自体に反対だ。
もともと、炭素排出抑制という目的の設定自体に疑問があることに加え(省エネは大賛成だが)、排出権という架空の権利にお金を支払うという仕組みは、今回のような事件がなくとも怪しすぎると思う。まっとうに使われたとして、地球の温暖化がどの程度抑制出来るのだろうか。
「そんなことを言って誰も行動しなかったら地球温暖化は防止出来ない」と考える人もいるだろうが、では、20兆円払えば温暖化は防止できるのか?そもそも全世界でいったいいくら払えばいいのか?その金額は、国の、世界の施策の優先順位としてどのような位置づけにあるのか?

今回の200億円が、排出権取引ではなく世界の貧困や紛争の解決に使われたらどの程度の貢献が出来たのかと思うと虚しくなる。

20年後には、この温暖化騒動は何だったのか?という話になっていると思うのだがどうだろうか。