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風立ちぬ

2013-08-05 00:24:06 | 映画

風立ちぬ
2013年日本 監督、原作、脚本:宮崎駿 声の出演:庵野秀明、瀧本美織
★★★★☆

大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。
そんな中、航空機の設計者である堀越二郎は、いつか美しい飛行機を作り上げたいという夢をを抱いていた。
ある日、震災の時に出会った菜穂子と再会。二人は恋に落ちるが・・・
∞∞∞∞∞

『ジブリ』期待の新作。しかも宮崎駿監督。これは、いやがおうでも期待感は高まっちゃいます!
そんな中、ネットに流れる評価は賛否両論。さてさて・・・

まず、言っておきたいのは、間違いなくトップクラスの動画。
フルCGではないアニメで、これだけの動きを出すアニメは、もう世界中を探しても『ジブリ』以外には作れないのではないでしょうか?というくらいに、動いてます。
群衆から、躍動感あふれるカットから、ほんの些細な気持ちの揺れまで。モーションキャプチャで取ったCG作品なんかより、よっぽど活き活きと動いています。
そして、画の美しさ。印象派の絵でも観ているようです。

と、もう、これだけで★5つモノ。

で、★4つになっちゃったのは、やはり「お話」ですね。
きっと監督の中では細かいディティールまで見えていて、主人公や登場人物の背景や、葛藤や、喜び、悲しみなど・・・全てが「ある」んだと思います。

その一部を、断片的に切り貼りしたような作品。
なので、本作を観た印象としては、どうもディティールが弱いんですよね~残念ながら。

ゼロの開発なのか?菜穂子との純愛なのか?どっちなんじゃい!?って、どーしても言いたくなっちゃいます。
んで、先日「永遠のゼロ」を読んでいたこともあって、人を殺す兵器開発と病弱な恋人を愛するギャップ感に対する、お話が全くないのが(ないように見えるのが)、なんとも残念な感じを受けちゃいました。

とはいえ、間違いなく世界トップクラスのアニメですし、ヒットを期待される宮崎駿作品は、悲しいかな大々的な宣伝から、どうしても観たときに「期待外れ」になりがち。
数年後に観なおすと「いい作品だったな」と思うことも多いので、長い目で見た方が良いかもしれません。