いよいよ八月になりました。
8月1日 この日を、「八朔」(はっさく)というと、初めて知りました。
八朔というと、晩冬から初春にいただく黄色い柑橘系の食べ物だと。
***** 千宗屋著『茶のある暮らし』より
八朔は、八月朔日の略で、八月一日のこと。
そもそもは徳川家康が江戸城に入った日で、
大名たちが江戸城でご挨拶に出向くという風習がありました。
そのような1年の中盤にご挨拶に行くという習わしの名残りと、
夏は芸事のお稽古がお休みに入ることから、
しばらく顔を見なくなる師匠のもとに出向くようになりました。
そもそもは江戸の習慣ですが、三千家も大名家に仕えていたことから
京にも根付いたようです。三千家や祇園町では今も行われています。
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さて、自分には、ご挨拶に出向くべき師匠は、いたか。
(いまは、芸事はなにもしていないのでいませんが)
師匠…尊敬する先生はというと、書道の平野公桑(こうそう)先生(男性)のお姿が浮かびました。
すらりと背が高く細身で、いつも着物を着ておられたような印象が残っています。
私の父親と同じくらいの年齢の先生でした。
先生のお宅の、広い二階座敷にたくさんの座卓が並び、
墨を磨(す)っていた子供のころが、懐かしく思い出されます。
いや、いつごろからか墨汁になったかも。
八月の茶花は
白い高桐院木槿(むくげ) 緑の山芍薬の実(やましゃくやくのみ)、金水引、すすき
籐の編みかごに入っています。
利休は、「花は野の花のように」と言われたそうです。
まことに、そのように、と思います。
白い木槿 しろいむくげの花 (ネットでLOVEGREENさんからお借りしました)
どこかで白い木槿を見たいなあ。
夏の清々しい装い、白いワンピースを想像します。