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開聞岳から下山後、薩摩半島最南端の岬、長崎鼻に車を走らせた。
浦島太郎が竜宮へ旅立った岬という言い伝えはともかく、真っ白い灯台と岩礁にぶつかり砕け散る白波は大海のダイナミズムを感じる。僕が住む瀬戸内海では決して見ることのできない荒々しい景観だ。
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ここから眺める開聞岳は秀逸だった。
深田久弥の日本百名山の一文を思い起こす。「高さこそ劣れ、ユニークな点では、この山のようなものは他にないだろう。これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗りだした、これほど卓抜な構造もあるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない」
確かに完璧な円錐形だ。そして、この長崎鼻から眺めるかぎり、卓抜な構造という表現も素直にうなずける。日本の名山としてあげるのに、この僕も躊躇しない、と思った。
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