日経新聞の日曜に考える(時流)13版の「スマホ世代のPC知らず」という題目に目が引かれた。---若者はパソコンが苦手、大学や企業でこんな声が聞こえるようになってきた。スマートフォン(スマホ)の普及が若者のIT(情報技術)スキルに影響を与えているようである。---(新聞から引用)
最近目につく状況に、イヤホーンをつけ、歩きながらスマホを操作する学生、電車の中では大部分の方が熱心にスマホや携帯電話を操作している光景である。歩きながらや自転車に乗ったままのスマホ操作は危険極まりない。それほど時間がないのか、楽しいのか、以前には考えられなかった光景に違和感を感じていた。すでに何件かの事故も発生しているようで、被害にあわれた方はたいへん気の毒である。
スマホや携帯の機能の中にはインターネットへの接続ができ、パソコンが持つ機能は含まれているというが、画面の大きさからして、情報量はパソコンと同じであっても、操作性や、表示能力には差があると推測できる。スマホを持っていないからかもしれないが、片手の操作と両手を使ったキーボード入力では自ずと異なるであろう。違いを強調することもないが、傍から見るとスマホや携帯電話の便利さが高じて、パソコン操作が時代遅れのような錯覚を持っていた。
しかし、紙面を読むと、やはりパソコンが主流であり、未だその座を奪われていないことが分かる。企業の一部には、新人採用に伴って、パソコン操作の研修を取り入れている例も載っていた。企業の情報伝達の基本は、ドキュメントであり、文書による業務の形態には変化がない。ワード等のソフト、キーボード操作やマウスの扱いができなければ、ビジネスマンの第一歩から躓く(つまずく)結果になるのは明らかなことである。
私事で恐縮であるが、近くにいる小学校3年生の孫が3歳のころ、、親が外出した折にパソコンから塗り絵をダウンロードして印刷し、塗り絵をしていたとの話を聞き、驚いたことがあった。5~6年前といえば、パソコンができない教師が問題になっていたころである。そのようなこともあって、若者のパソコン離れは意外でもあった。今の若い世代がLine等で、短文のやり取りが当たり前となり、正式な文章を書けないようになってしまったのは必然かもしれない。
便利さの裏には失うことも多い。失う中身は多々あろうが、具備しなければならない生き方や一般的な教養まで失ってしまう危険性を感じている。