シメに似ていますが、アトリ科のイカルを撮影できました。
今朝ほどカメラマン仲間からの電話で、多摩川の桜並木にイカルが集団で来ているとのことで、急いで撮影準備をして出かけた。徒歩で10分かからないところ、土手の階段を昇ったところで、頭上を見かけない鳥の集団が下流の方へと飛んでいくのが目撃できた。電話をいただいたカメラマンにすぐに会えたのであるが、今飛び立ったとのことであった。先ほど頭上を通過したのがイカルの集団のようであった。
イカルが東名高速道路と多摩川を横切るあたりにある河川敷の高木で見かけるといった情報は数週間前からキャッチしていたが、実際に行ったのは今回が初めてである。現在この付近は護岸工事が行われていて、以前あったワンドは姿を変え、将に工事中である。このワンドは伏流水があり、小魚を狙ってカワセミが来るところとして知られていた。鯉の産卵や、釣り客も見かけたが、古くからあった多摩川の自然を残していた場所である。
今回はしばらくぶりであったが、護岸工事の進捗を見る目的と、ひょっとしたらイカルに会えるるかもしれないとの期待があって現地に行った。10分ぐらい歩いたかと思う。すでに工事は真っ盛りで、大規模の工事の様相であり、重機やダンプカーが多量に導入され、さながら露天掘りのようであった。工事を見学する何人かの見物人もいたが、目指す現地は小鳥の声の合唱で、イカルかどうかわからず、目を凝らしながら高木に鳥の姿を探した。
一番端になる高木に鳩より一回り小さいが、アトリ科特有の黄色のくちばしをもつ数羽のイカルがいるではないか。カメラは常にシャッター速度を1000にし、マニュアルである。若干、春霞がかかっていたが、望遠レンズの先には、イカルの姿が現れた。シメによく似ていて、紺色の風切り羽根に白い紋がある。頭部は黒色で、全体は茶褐色である。数羽が集団で飛び回っていて、なかなかベストショットは取れず、しばらく粘って数十枚をカメラに収めた。
多摩川でイカルを撮影できるとは思っていなかったので、今回初めての撮影である。樫か、ムクノキの実を食べるという。くちばしで殻を割る音が聞こえた。波状飛行をする。しばらくして一団は多摩丘陵の方へ飛び立った。近くで珍しい野鳥を見つけ、カメラに収めた、これぞ、カメラマンの至福の時であった。早速自宅のパソコンで成果を見てみようと思う。