カルガモの抱卵の話が聞こえてきますが、多摩川のカルガモはまだのようです。2羽が激しく羽ばたきを繰り返していました。
分かっている様でよく分からない基準の一つに単位があるが、2018年に開かれる国際会議で、質量や温度などを測定する単位の定義が大きく変わろうとしている。変更するのは、4つの単位である。昨年の国際度量衡総会で質量の定義を2018年に改訂する方針が決まっている。総会は4年に1回のペースで、フランスで開催され、質量や温度、電流、時間などと、世界共通の国際単位系で使う7つ(メートル、キログラム、秒、アンペア、ケルビン、カンデラ及びモル)の基本単位の定義を定めている。
大幅に改訂するのには理由があり、従来のもの(人工物)を使って決めていた定義、例えば、質量を規定しているのはキログラム原器であり、温度は水の三態が同時に測定できる三重点温度計などであるが、若干ではあるが、長年の時間経過の中で、人工物は変動する。技術進歩が烈しい昨今では、ものによる基準ではなくより変化が少ない原子レベルの精密測定が安定するとした物理定数で定義し、採用することになっている。
新たに質量の定義には原子の数と質量との関係を表す数の「アボガドロ定数」である。アボガドロ定数は、(国際単位系 物質量1モルは12グラム中に含まれる炭素原子C12の数であり、6.0×10の23乗個の要素粒子または要素粒子の集合体、たとえば、酸素分子の分子量は32.0なので、1モルの酸素分子は32.0gとなる。)炭素原子の重さが変わらない限り、質量の基準も変わらないとするもので、質量数12である基準となる炭素原子をアボガドロ定数の数だけ集めたときの質量を12グラムとする。現在の測定は、不純物が少ない単結晶シリコンを用いて、真球度50nmの密度標準原器をエックス線干渉計で計測する。将来的にはこの方法で質量を定義することになる。
温度については、熱力学的温度の単位としてケルビンKは三重点温度計の1/273.16であり、通常我々が使っている℃はセルシウス度といっていて、1セルシウス度は1ケルビンに等しい。これも変わりそうである。三重点温度計ではなく、温度とエネルギーを関係づける「ボルツマン定数」を使うことになる。一定体積の気体の温度が高くなるとエネルギーが大きくなる。ボルツマン定数はその比例係数である。
基本単位が変わることによる日常の生活には全くといって影響しない。しかし、基準となるものが変化することがあっては、作り上げてきた多くの機能に影響しないとはいえない。2018年に向けた動きについて、その動勢に関心を持つ必要は有るであろう。