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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

再生可能エネルギーその5

2015年06月12日 00時00分01秒 | 紹介

風力発電・波力発電・海洋温度差発電

 

 オランダでの風車は子供の頃に習った風力を利用して、揚水や脱穀を行うエネルギーの変換器であった。オランダの地形が関係している。田園地帯で優雅に回る風車は絵になり、ドンキホーテの話を思い出す。産業革命以降の動力の主体は蒸気機関、内燃機関、電動機であり、風量の利用はごく一部に限られていた。その理由は、風の流れに間欠性があり、単位時間当たりの単位面積を通過するエネルギー量が小さいことである。

 

 日本列島を1年間に通過する高さ10メートルの大気層までの運動エネルギーの総量は、水力発電による全発電量に匹敵するといわれているが、風力発電の効率(40~50%)からすると利用できる発電量は限られる。風車には、プロペラ、オランダ風車、曲がった羽の両端を垂直軸にして何枚か取り付けたダリウスタイプ等があるが、低速回転するものは回転力が大きいため、ポンプに、高速で回るプロペラは風力発電に使われる。最近は大型化の傾向にあり、耐久性や景観の問題も発生している。

 

 波力発電は海の波のエネルギーによって発電機を回転させ、電力を得る。海面の上下運動を利用して、空気や海水の流れを作る方式、海水の前後運動や回転運動をカムや浮体の動揺運動に変える方式などがある。波から得られるエネルギー密度が小さいため、経済性が悪く、常濡遠藤する上に、変動の周期が一定でないため、総ての変動に対応することが難しい。波の満ち引きの原因は、地球の自転速度と月の公転速度の差に由来する。長年の観測態勢によって、潮汐力は把握できているが、大気の移動や気圧や温度による影響もあり、継続的な電力供給源とは成り得ていない。

 

 海洋温度差発電は太陽熱によって海水の表面は温められ、深海は温度が低い。この温度差を利用して発電する方法である。海水面の温度は28℃ぐらいで、深海500メートル以下では7℃である。28℃での温度は、水蒸気圧力が弱いため、この熱を熱交換機に通し、低沸点の媒体であるアンモニアやフロンなどを使って蒸発させる。これをタービンの駆動源にするのである。排熱は深海から汲み上げた海水で冷却する。低沸点の媒体は冷却されると液体に変わるため、循環が可能となる。

 

 電力を出力10万kwていどにすれば大きな構造体に成らざるを得ず、耐久性の問題や、設置に係わる多くの問題点もあり、実用化には道半ばといったところか。水素エネルギー、バイオマス発電については別稿に譲ることにする。