ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

韓国映画「旅行者」を観る

2010年12月21日 10時32分26秒 | Weblog
 韓国映画「旅行者」を観た。昨年の話だ。今年日本で公開されたと聞く。

 昨年10月29日に公開されて10日ほどたって新村(シンチョン)の映画館に入ったが、どうも観客の入りはよくなかった。映画の主人公の少女が熱演しており、救われた。

 キリスト教会が経営する養護施設に少女が父親に連れられて入所する。父に会いたくいのは当然だろう。何度も寮長に「アボジに会いたい」とせがむが、「連絡先は知らない」と拒絶される。この施設は西洋人の養女を橋渡す施設なのだ。女の子ばかりいる施設だ。人里離れた地にあり、寒々とした印象をもたすのはどうしてか。それはひとつの演出だが、寒々とした周りの光景が映画の内容を象徴的に語る。

 少女は穴を掘り、自らの体を埋めて、土をかける。自殺を図るのだ。苦しくなって顔にかかる土を払いのける。その演技はとても10歳ほどの少女とは思えない。振りかけた土を払った表情はすごい。よくこうした生きることの重さをあらわしたものだと感心した。

 最後は西洋人の養女に送り出されて、相手国の空港に着く。養女の父母を見つけた少女の顔は最高の演技だろう。これまでみせたことがない明るい表情がパーッと広がる。この明るさは何なのか。なぜ希望の光が差すのか。映画は問いかける。

 とてもドラマチックではない。少女の演技が勝負なのだ。暗さと燭光。その変化をどう見るのか。最後に見せた演技は印象深い。日本で公開されるとは思ってもいなかった。お客さんの入りはどうだったのか。気になる。映画評論でも知られるタレントの浜村淳さんが毎日放送で映画解説していて、少女の演技に大きな評価を与えてていた。
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