28日の土曜日に鍋平でビールを飲み飲み、ウダウダしていたら近くに停まっていたインテグラのタイプRの持ち主が帰って来た。
札幌ナンバーの、その車の主の草薙剛似の彼は転勤で今年から東京勤務と語った。
鳥「どこに登ってたん?」
ニセ草薙「朝の5時に、ここを出発して槍ヶ岳に登って帰って来ました。」
時計を見ると17時。
鍋平から新穂高の往復だけで2時間はかかる。
鳥「凄く、速いね。」
ニセ草薙「凄く、疲れました。 最後の鍋平までの登りが本当にきつかったです。」
鳥「東京に居てる間に、良い所いっぱいあるから北アルプスに通ってね。」
ニセ草薙君は「ハイ!!」 と爽やかに応えてホンダミュージックを響かせて帰って行った。
翌日、笠新道を喘ぎながら登って視界が開けたら杓子平だった。
三股から蝶ヶ岳に登るコースも稜線に出て槍、穂高が一気にその姿を現すと思わず息を飲む。
ここもそんな感動を感じられる場所である。
ここで行動食を食べていると笠ヶ岳山荘から下山して来た、お父ちゃんがやって来た。
昨夜の山荘は今年一番の混み具合で布団1枚に2人、朝は3ヶ所しかない大便ブースの前に長蛇の列だったらしい。
その方の言う事には、昨夜の布団パトナーはクリヤ谷から10時間かけて登って来た20歳代の青年だったらしいが、その青年はクリヤ谷を一生懸命登っている時に60歳過ぎの地下足袋を履いたオッチャンに、サラリと抜かされたらしい。 青年がクリヤ谷の急登に苦戦していると地下足袋のオッチャンが今度は戻って来たので話をしたらクリヤ谷を日帰りで良く登っているとの事だったと言っていた。
凄い、御仁が色々と居てるもんだ。