片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

ソニーよ、どこへいく?

2011-10-28 19:55:22 | インポート

ソニーが、エリクソン社との合弁を解消し、
ソニー・エリクソンを100%子会社化します。
いま、世界中で需要が伸びている
スマートフォン事業を取り込み、
ネットワーク戦略を加速する戦略です。
しかし、どう考えても、
スピード感がありません。

ソニーの会長兼社長CEOハワード・ストリンガー氏は、
昨日の記者会見で
「4スクリーン戦略」を掲げました。
スマホ、タブレット端末、パソコン、テレビ
4つの画面をすべて自社でもち、
それらのネットワークを強化することによって、
世界中の人に娯楽体験を供給できるといいます。

ただし、先日も触れたように、パナソニックやフィリップスなど、
先進国メーカーはいま、次々とテレビ事業を縮小しつつあります。
パナソニックは、3年連続のテレビ事業赤字によって、
今回の
テレビ事業縮小を決断しました。
関係者の話によれば、
社内には、大きな衝撃が走ったといいます。
当然でしょう。これまで、パナソニックのテレビ技術者たちは、
世界最先端の技術でパナソニックを支えているという自負があったはずです。
その縮小を決断するということは、
大きな痛みを伴います。
それだけに、
社内の危機意識はいやがうえにも高まります。

テレビの覇者となったサムスンさえ、
利益の6割は、いまや携帯が稼いでいるといいます。
消費者の、テレビからスマホやタブレット端末への
ニーズの移行を読み、
他社に先駆けて商品を投入し、
巧みに収益を稼いでいます。

今年度で、テレビ事業8年連続赤字の予定のソニーは、
それでも
テレビを諦めきれないようです。
しかも、これからスマホ事業に注力するというのでは、
対応は、
どうみても後手後手です。
手遅れではないかとさえいえます。

ハードもソフトも世界最先端技術をもち、
世界的なブランド知名度のあるソニーです。
やろうと思えば、
サムスンにでも、アップルにでもなれたはずなのです。
しかし、いまや、このままだと、なかなか
先の見通しがたちません。
これから、ソニーはいったい、どこへ向かうのでしょうか。
手遅れになる前に、
時代を切り拓く、次の一手が求められています。
求められるのは、激変してやまない社会に対応すべく、
企業を革新させる、強烈なリーダーシップだと思います。