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片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

日本女性よ、もっと世界にはばたけ

2013-02-25 21:09:25 | 国際・政治

韓国で初の女性大統領が誕生しました。
朴槿恵(パク・クネ)新大統領です。

日本に女性の総理大臣が誕生するのは、
いつのことでしょうかね。

世界に目を向けると、最近、とみに
女性の活躍が目立つように思いますが、いかがでしょうか。
昨年10月、東京で開かれたIMF(国際通貨基金)・
世界銀行年次総会では、IMF専務理事の
クリスティーヌ・ラガルドさんが基調講演を行い、
「世界の最優先課題は、現下の危機を克服し、
何百万もの失業者に雇用を創出するために、
十分な成長を回復することだ」と
リーマン・ショック後の世界経済の道筋を示しました。

純白のスーツに身をつつんだ、ラガルドさんの姿は、
新聞紙上でも大きく扱われ、女性の活躍を印象づけました。

引退した、第67代国務長官のヒラリー・クリントンさんも
その活躍ぶりが目を引きます。
2011年12月、民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チーさんを
軟禁されていたヤンゴンの湖畔の自宅に訪ねたことは、
女性リーダーの活躍をうかがわせるニュースでした。
二人が肩を抱き合う写真は、世界中に配信されましたよね。

ひるがえって、日本の女性リーダーはどうでしょうか。
1991年、国連難民高等弁務官に就任した、
緒方貞子さんがいます。
アーティストとなると、意外と頑張っているのではないでしょうか。
水玉の作品で知られる、草間彌生さんは、
強烈な個性と斬新な発想で、世界から高い評価を受けています。
今日、発表されたアカデミー賞では、残念ながら受賞を逃しましたが、
「白雪姫と鏡の女王」で衣装デザイン賞の候補になっていた、
デザイナーの故・石岡瑛子さんも、世界を舞台に活躍しました。
2人の共通項ともいえるのは、若い時に、日本を脱出して、
ニューヨークに渡ったことですよ。
日本にいたら、あの強烈な個性はつぶされたのではないでしょうか。

大きな成功を手に入れたいと考えるなら、
日本の女性は、外へ出るべきなのかもしれません。
世界には、日本国内では考えも及ばない、大きな活躍の場があります。
それから、男尊女卑とはいいませんが、
日本にはまだ、女性の成功を素直に評価する空気はありませんよね。

日本の政財界はどうでしょうか。
名前はあげませんが、いまの日本で、
その活躍がとりあげられている女性政治家や財界人は、
男性の視線を少なからず意識しているように思います。
なぜなら、男性の領域を侵さずに、
そこそこの活躍をすることが、大切だからです。
つまり、男性にどう映っているかを
つねに意識せざるを得ないのです。
残念ながら、実力者にすり寄るとか、長老にとりいるとか、
まだまだ、女性として自立していないように思われます。
まあ、女性の責任というよりは、政界も財界も古いんでしょうな。
これは、男も同じですかね。

その壁を突破するためには、日本が大きく変わらなければいけない。
日本の女性自身もまた、仕事に対する意識を高くもたなければいけない。
そう思いませんか。


太陽光発電の行方は?

2013-01-22 19:03:13 | 国際・政治

太陽光発電の買い取り価格を引き下げる方向で
検討が進められています。
一時、ミニバブル現象だった太陽光発電事業は、
これにより、しぼんでしまうのでしょうか。

太陽光発電の買い取り価格は、2012年度、
1キロワット当たり、42円とされていました。
たしか、電力会社の場合、1キロワット当たり、
コストは200円だったと思います。
太陽光発電の買い取り価格が高いのには
おそらく理由があります。
太陽光発電を普及させるためです。
太陽光発電事業への新規参入を促すのが
狙いでした。
つまり、政策的に決められた価格なわけですね。

昨年7月にスタートした、固定価格買い取り制度は、
当初から42円と高めに設定されたことに
疑問が唱えられていました。
しかも、10年以上にわたる買い取りの
保証付きですからね。
結果、太陽光発電事業に多数の事業者が参入しました。
話題になったのは、ソフトバンクの孫正義氏が
群馬県、京都府、北海道などに、
メガソーラーパークを建設したことです。
孫正義氏は、設置、運用コストと売電収入を計算すると、
10年後には利益が出ると、算盤をはじきました。
孫氏の太陽光発電事業への参入は、
高い買い取り価格にあったことは間違いありません。
地方自治体も、遊休地を活用してもらおうと、
企業を誘致し、数多くの企業が参入しました。

高い買い取り価格は、企業や家庭の電気料金を
上昇させる要因になると、まあ、当初から
批判の声があがっていましたよね。
一方で、買い取り価格は毎年見直されるので、
2013年以降、太陽光発電システムの設置コストが
下がるにつれて、買い取り価格も下がっていくだろうと
見られていました。
設備などの値下げを反映して、買い取り価格が
下がるのは、経済原理からして当然ですわね。

問題は、そのとき、それでは儲からないといって
太陽光発電事業から撤退する企業が
続出するかどうかです。
じつは、ドイツでも、太陽光発電の買い取り価格が
高すぎるというので、数年後、買い取りを中止した
という経緯があります。
電気料金が高騰し、国民負担が大きくなった
ことが原因と見られています。

それから、一時は世界のトップメーカーだった、
ドイツの太陽光発電メーカーのQセルズが、
中国メーカーによるダンピング輸出によって
破綻したのも、記憶に新しいところです。
アメリカのメーカー、ソリンドラもつぶれましたよね。
そんなことで、ドイツ、アメリカの太陽光発電は
大きく後退しました。
このことからも、再生エネルギー事業の育成は、
むずかしいことがわかります。

この際、あえて原則論をいえば、
補助金などを出し、政策的に産業を育成しようと
するのは、どこかに無理があるということでしょうな。


日本のソフトパワーの実力について

2012-11-29 18:24:28 | 国際・政治

最近、日本の漫画やアニメ、食文化に対する評価が高い。
でも、それだけでは少し寂しくないですかね。

「ソフトパワー 日本は6位」という記事が
新聞に出ていました。
英国の情報誌「モノクル」12月号によると、
国際社会における文化の魅力や社会的価値観の
影響力などを示すソフトパワー・ランキングで
日本は、昨年より順位を1つあげて、
アジアで最高位を保ったというのです。

日本が順位をあげた背景として、
同誌では、漫画、アニメ、建築での魅力のほか、
ファッションや食の国際競争力の強さが、
あげられています。
「クールジャパン」の力が大きい
というわけです。

漫画、アニメが評価されたのは、
喜ぶべきことに間違いありませんが、
浮かれてはいられません。
なぜなら、日本が海外から期待されている
ソフトパワーとは、漫画、アニメだけとは
思えないからです。

アメリカの国際政治学者、ジョセフ・S・ナイ氏は、
著書『ソフト・パワー』(日本経済新聞社)において、
ソフトパワーとは、
「自国が望む結果を他国も望むようにする
力であり、他国を無理やり従わせるのではなく、
味方につける力」
と定義しています。
ソフトパワーに対して、ハードパワーはどうか。
こちらは、軍事力による威嚇や経済力など、
腕ずくで他国を変えようとする力をいいます。

しかし、漫画やアニメ、ファッションなどにくらべて、
肝心のその力が弱い。
たとえば、ビジネスでいえば、ソフトパワーとは、
ズバリ、ブランド、品質、サービス、文化です。
日本には、日本にしかできない高い品質、
日本にしかできないサービスなど、たくさんあります。
実際、日本は、モノづくりでは、世界で屈指の国で、
家電製品に象徴されるように、
これまで他国の追随を許しませんでした。
しかし、モノづくりでのソフトパワー部分には
ややカゲリが生まれました。
デザインが弱いのは、その象徴ですな。

それから、政治のソフトパワーも弱い。
ちょうど総選挙が真近な折から、
まあ、ムリな注文かもしれませんが、
政治の世界で存在感があり、尊敬される、
日本独自のソフトパワーが
国際的に評価されるようにならなければいけませんな。
日本は戦後、奇跡の高度成長を遂げ、
国際的に高く評価されました。

しかし、今日、日本人が“トラスト・ミー”といっても、
世界からは相手にされませんものね。


中国の新婚カップルにびっくり!

2012-09-10 21:52:56 | 国際・政治

遅い夏休みをとって、インドネシアのバリ島にいってきました。
乾季にあたるバリ島は、いまがベストシーズンです。
日中の気温は30度くらいですが、
湿度が低いため、カラッとしていて
日本の夏よりすごしやすいくらいです。

ホテルのレストランでのことです。
朝食をとろうと、レストランに座っていると、
若いカップルが次々とやってきました。
中国人のようです。
どのカップルも手をつないでやってきて、
テーブルについたあとも、
写真を撮り合ったりしています。

また、夜、ホテルのフレンチレストランにいくと、
やはり、若いカップルが続々とやってきます。
カップルたちの席を見てみると、
どこの席にも、同じ料理が運ばれてきます。
どうやら、パッケージ旅行なのか、
コースもすべて決まっているようです。

私は、ホテルのスタッフに聞きました。
「あの人たち、ハネムーンなの?」
「オール、ハネムーン!」という答えが返ってきました。
確かに、会話に耳を傾けると、中国語です。
ホテル側は、慣れた様子で対応していました。

一般的にいって、中国人は派手好きとか
見栄っ張りとか、いわれますから、
結婚式やハネムーンにはお金をかけるのでしょう。
それにしても、数年前までは、
中国人は、個人旅行が簡単ではなかったはずです。
それが、バリ島にハネムーンにくるまでになったわけです。

そういえば、日本でも、80年代でしたか、
ハネムーンを海外ですごすのが
当たり前のような時代がありましたな。
いま、中国の上海あたりでは、
豊かになった若者が
20年ほど前の日本と同じように、
パッケージ旅行とはいえ、
海外に新婚旅行に出かけるのが、流行なのでしょうな。

中国はいまや、刻々と変化していることを
実感した次第です。


“戦場ジャーナリスト”の尊い死

2012-08-22 22:11:54 | 国際・政治

フリージャーナリストの山本美香さんが亡くなりました。
独立系通信社ジャパンプレスに所属し、
15年以上にわたって、戦火のなかで
取材を続けた、女性の“戦場ジャーナリスト”です。

反体制武装組織に同行して、
シリア北部アレッポで取材中、
戦闘に巻き込まれて、銃弾に倒れました。

大手メディアは、記者やカメラマンを
危険地帯の取材にいかせないのが通例です。
少なくとも、危険地帯の取材については、
厳しい社内基準を設けています。

では、たとえば、テレビ局は、どうやって
戦場の最前線の映像を手に入れるかというと、
山本さんのようなフリーランスの記者から買うわけです。
朝日新聞によると、
日テレは、彼女が属するジャパンプレスから
提供された映像素材に対し
報酬を支払うという契約を交わしていたといいます。
契約形態は、出来高払いや日当性など、
多岐にわたるということです。

フリーランスの彼女が、
トルコからビザなしでシリアのアレッポに入ったのは、
危険を覚悟のうえです。
フリーゆえの犠牲者といういい方もできるでしょう。

私も長年、フリーランスの記者をしてきましたから、
彼女の気持ちは、よくわかります。
フリーランスは、自己責任とリスクをかけてなんぼの世界です。
一本どっこでやっていくしかない。
身体を張ってやっていくしかありません。

彼女は、生と死のギリギリの線で頑張ってきたのだと思います。
リスクをかけなければ、殺し合いの世界を
伝え続けることはできなかったはずです。
真実を伝えるという記者の使命を
自らの死をもって貫いたのだと思います。
45歳の女性記者の勇気とジャーナリスト魂を
高く評価したいと思います。
                       合掌