12月23日、24日の2日間、
東京スカイツリーがクリスマスに合わせてライトアップされました。
現在、小学館『DIME』に、「六三四(むさし)に挑む」として、
スカイツリーの記事を連載中です。
取材かたがた、ライトアップを見にいってきました。
押上駅につくとすぐ、周囲にはたくさんの“三脚オジサン”こと、
アマチュアカメラマンたちの姿がありました。
スカイツリーは、写真愛好家たちにとって絶好の被写体です。
開業後は、淡い水色の「粋」、江戸紫の「雅」の2色で、
一日ずつ交互にライトアップされることが決まっていますが、
今回は、それらの照明器具の一部を使った、白いライティングでした。
それにしても、開業前からものすごい人気です。
白い光でぼんやりと浮かびあがるスカイツリーは、
昼間に見るより、スラリとスレンダーに感じられました。
港区の東京タワーは、オレンジ色の光によって
タワー全体が煌々と照らしだされ、自己主張が強く、
誤解を恐れずにいえば、挑戦的、攻撃的です。
高度経済成長期の照明の有り方だと思います。
それと比較して、スカイツリーのライティングは、
非常にやさしい、落ち着いた印象を受けました。
低成長時代向きというか、静かであまり自己主張しない。
開業後の「粋」「雅」のライティングデザインを担当した、
ライティングデザイナーの戸恒浩人さんにお話を伺ったとき、
「スカイツリーのライティングが、
社会からどう評価されるかわからない」
といっていました。
東京タワーのようにタワー全体を照らし出す明るい光と比較して、
淡い光によって、光と影を演出するスカイツリーのライティングは、
「暗い」「寂しい」という感想をもつ人もいると考えられるからです。
しかし、東日本大震災以降の「節電」や「エコ意識」の高まりからして、
スカイツリーのライティングは、時代に沿っているといえると思います。
戸恒さんのデザインが決定したのは、東日本大震災より三年半も前の
2007年の夏のことですから、
戸恒さんはもとより、このデザインを選んだほうも、
先見の明があったと思います。
開業後のライティングも、人々に共感され、
心に届く光になると思います。