3月21日、東京駅丸の内南口にJPタワーが開業しました。
あわせてオープンする「KITTE」は、
日本郵便が初めて手掛ける商業施設です。
まさか、こんな商業施設をつくるために、
民営化をめぐって大騒ぎをしたんではないでしょうな。
「KITTE」は、1931年に竣工した、
旧東京中央郵便局の局舎を一部保存、再生した部分と
新たに建築された部分をつないでつくられています。
再生部分は、柱、床を取り外し、耐震補強が施されています。
2012年10月、丸の内駅舎保存・復原工事が完成しましたが、
それに匹敵する大工事だったといいます。
開業前、「KITTE」を取材する機会があり、
館内を見てまわりました。
まず、一階には、東京中央郵便局があります。
メモリアルコーナーとして、旧東京中央郵便局長室も
復原されています。
1階から地上6階まで7つのフロアには、
全国各地のご当地名品を扱う販売店があります。
レストラン街には、ブランド豚で有名な「平田牧場」、
名古屋のみそかつ「矢場とん」などが入っています。
JPタワーの本来の容積率は、1300パーセントですが、
建築基準法第57条の2により、東京駅丸の内駅舎の容積を移転して
特例容積率1520パーセントが適用されたといいます。
それにより、年間300億円の賃貸収入のうち、毎年100億円が
日本郵便の利益に計上されるそうです。
振り返ってみれば、2007年、小泉内閣は改革の本丸として、
郵政事業の民営化を推し進めました。
そして、郵政民営化にともない、
郵政三事業を含む、すべての業務が、
日本郵政グループとして、
日本郵政株式会社とその下に発足する4つの事業会社に
移管分割されました。
これによって、130年以上にわたる国営としての
郵政事業は幕を閉じたわけですよね。
2012年10月1日には、
日本郵政グループの郵便事業会社と郵便局会社が統合して、
日本郵便が発足しました。
「KITTE」は、そうした郵政民営化の流れをくんで
誕生したわけですな。
しかし、郵政民営化は、もうなんだかんだがあって、
小泉政権時代の考え方から、相当、ずれましたわな。
……ということなんですが、まあ、時代の流れは早いものですな。
いまや郵便よりインターネットの時代ですよ。
それにしても、「KITTE」というわかったような、わけのわからぬような
ネーミングには少し違和感を感じましたな。
そういえば、折しも昨日、国民新党代表の自見庄三郎参院議員が
党を解党すると表明しました。
小泉政権の郵政民営化に反対し、「反郵政民営化」を旗印に
2005年8月に結成以来、
7年半の活動に幕を下ろしたことになります。
JRやNTTの民営化と違って、郵政省の民営化ほど
いまだに評価の定まらぬ民営化はありませんね。
とにかく現代の“不思議話”ですよ。