前回は、シャープに残された期間はあと2年と、
厳しいことを書きました。つまり、余命2年です。
その間に根本的な治療を行わなければ、生きながらえることはできません。
近年の家電のデジタル化は、電機メーカーの競争のルールを変えました。
結果、サムスン電子やLGエレクトロニクスの
韓国メーカーが台頭しました。
よく指摘されることですが、
アナログ時代には、テレビの生産には、高い技術力が必要でした。
しかし、デジタル時代に入り、コモディティ化が進んだ結果、
部品を集めて組み立てれば、誰でもテレビをつくれるようになりました。
それに伴って、レイバーコストの低い中国や台湾など、
新興国メーカーも、低価格商品を大量に生産、販売して、
急速に力をつけ、グローバル市場に台頭してきました。
ソニーやパナソニックは、3Dや4Kといった、
高度な技術を搭載したテレビを開発して対抗しましたが、
これらの技術は、消費者の支持を集めているとはいえません。
だとすれば、シャープをはじめ、日本の家電メーカーは、
今後、どうやって生き残っていけばいいのでしょうか。
シャープに限らず、ソニー、パナソニックにも突きつけられています。
私は、日本の総合電機メーカーは、
従来のビジネスモデルに固執している限り、
もはや生き残る道はないと思います。
白モノ、黒モノを開発し、最先端のデジタル家電を揃え……
と、何にでも手を出している余裕はないのです。
得意分野に特化し、道を究める方にチェンジすべきです。
パナソニックは、テレビなどの単品ビジネスから、
システムやソリューションを売るビジネスへ転換を図ろうとしています。
ことシャープに関していえば、複写機や白モノなどの事業ももっていますが、
部品メーカー、すなわち液晶パネルに特化する道を選ぶべきではないでしょうか。
部品としての液晶パネルは、
近年、韓国や台湾メーカーが台頭していますが、
シャープは、IGZOという最新のパネルを、世界で唯一量産しています。
したがって、いまのところ、技術優位性は確保できるのです。
シャープは、現在、三重県の亀山第1工場で小型液晶パネル、
IGZOの生産設備を備える同第2工場で中・小型液晶パネル、
大阪府の堺ディスプレイプロダクト(旧堺工場)で、
第10世代のマザーガラスから、大型液晶パネルを生産しています。
堺ディスプレイプロダクトの稼働率は、3割にまで落ちこんでいましたが、
鴻海の出資を受け入れて子会社化して以来、
ソニーやビジオなどからの発注で、9割に回復しているといいます。
亀山工場の稼働率も、サムスンからの発注などで回復しつつあり、
今後も回復が見込まれるようです。
これらは、部品メーカーとしての実績としていっていいでしょう。
部品メーカーは、供給先のメーカーに振り回されます。
事実、シャープは、アップルやサムスンなど大型顧客からの受注次第で、
工場の稼働率が大きく左右されます。
さらに、液晶パネルに特化するとなれば、相当な痛みを伴う改革が求められます。
苦しい道ではありますが、それでも、
生き残るためには、それ以外の選択肢はないのではないでしょうか。
部品メーカーというと、何か一段と低いイメージを持たれがちですが、
そんなことはありません。
まず、総合電機メーカーの夢を捨て去ることです。
そして、世界一の液晶パネルメーカーを目指せば、
十分に生きていけるハズです。
シャープには、体面にこだわっている余裕などありません。<o:p></o:p>