片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

新世代の中小企業経営者とは

2011-10-13 21:43:40 | 社会・経済

中小企業の経営者数人に、立て続けにお会いしています。
バブル崩壊後、中小企業は大企業と同様、
景気低迷に苦しみ抜いてきました。
モノづくりの空洞化が危惧され、
大企業が次々と海外展開を加速させる現在、
生き残りをかけて必死に努力しているのは、以前にも触れた通りです。

戦後創業した中小企業は、
戦後66年が経った現在、
順調に継承されていれば、
2代目、もしくは3代目が社長を務めています。
今回、彼ら、
2代目、3代目社長にお会いしてみて、
新しい世代の、中小企業経営者を見る思いがしました。

かつて、
いわゆる「町工場の親父」といえば、
ナッパ服、油まみれ、現場で怒鳴る、親方気質、
クセがある、付き合いにくい
……というイメージでした。
ところが、
新世代の中小企業経営者には、
こうした
「町工場の親父」的雰囲気はありません。

新世代経営者は、まず、大学を出ています。
ある経営者など、現在、
同志社大学の博士課程に籍がありました。
知的なスマートさがあり、考え方が合理的で、視野はグローバルです。
さらに、
デジタル時代に対応していて、CADやCAMを操ります。
また、海外にアレルギーがなく、
外国人に抵抗がありません。
外部の人間に対しても、フレンドリーで、明るく、付き合いやすい。
一方、かつての「町工場の親父」と同じように
礼儀作法やおもてなしは、工場内で厳しくしつけています。
経営に対する
信念、仕事に対する誇りをもち、夢や希望に溢れています。

日本の
中小企業数は、日本全体の企業数の99%以上を占めます。
彼らの存在なしに、
自動車産業も家電産業も成り立ちません。
日本メーカーの世界最先端の製品は、
中小企業の最先端設備や、
技術
から生み出される部品に支えられています。
新世代経営者のお話を聞き、彼らの人柄に触れてみて、
日本の中小企業界に、
新しい時代
が訪れようとしていることを確信しました。