片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

メガネ屋の“陰謀”

2009-08-31 16:11:21 | 社会・経済

メガネといえば、最近は、米共和党の副大統領候補だった
サラ・ペイリン氏がかけていたメガネが日本製で、話題を呼びました。
写真や映画を立体的に見る、3D用のメガネなどの話もよく聞きます。
そこで、今日はメガネの話題。

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日の産経新聞に、
「進化するメガネ選び」という記事が載っていました。
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日の日本経済新聞でも、
「眼鏡 場面でチェンジ」という記事がありました。
両紙とも、用途別に使いわけるメガネの話題です。
「パソコン用」「ゴルフ用」「料理用」「夜のドライブ用」など、
用途に合わせたメガネの販売が、好調だというのです。
いわば、
メガネも機能化が進んだというわけですかね。

例えば料理用のメガネなら、
キッチンの高さに合わせて手元が見やすくしてあり、
表面のコーティングにより、油汚れがつきにくく、
湯気があたっても曇りにくい。
ゴルフ用のメガネなら、手元を見るための部分のレンズを狭くし、
スイング時には遠用の部分だけでボールを見られるようにしたり、
芝の目やゴルフボールが見やすいように、色をつけてあるそうです。

経済不況下で、
おしゃれのためのメガネは、
買い控えが進んでいる
はずです。
また、レーシック手術が普及し、
比較的簡単な手術で視力を回復することができるようになり、
メガネの需要は、減る傾向にあるといわれています。
ですから、機能別のメガネは、
メガネ屋の、必死の不況対策かもしれませんね。
つまり、
メガネ屋の“陰謀”と違いますか。

機能別のメガネというならば、いっそのこと
「どんな人でも美男・美女に見えるメガネ」
というのがあれば、売れるのではないでしょうか。
「本音が見えるメガネ」「人の心の中が見えるメガネ」
があれば、選挙前には間違いなく売れたでしょうな。


現代版「大家族制度」

2009-08-25 17:37:28 | 社会・経済

「集食」スタイルが広がっているようです。
「集食」とは、
別々に住んでいるけれど、
集まって食事をする家族のスタイル
をいいます。
8月3日の日本経済新聞に紹介されていました。

共働きで、なかなか食事の用意や育児ができない親世代は、
近隣に住む祖父母世代を頼り、食事の用意をしてもらったり
育児を手伝ってもらいます。
親世代としては、食費の負担や育児をサポートしてもらえます。
祖父母世代は、孫の成長が見られますし、頼られることを、むしろ喜びます。
核家族化が進み、家族団欒が失われつつあった現代で、
三世代の「家族」が、新たに復活しつつある
ようです。
一緒に住むわけではなく、
「近居」で「集食」し、「育孫」をするスタイルは、
「インビジブルファミリー(見えざる家族)」と呼ばれ、
家族のニュー・パターンとして注目されているわけです。

しかし、「近居」で「集食」しても、「同居」はしないんですね。
「集食」のスタイルなら、祖父母世代は、
慣れ親しんだ土地や家を離れなくてすみますし、
親世代も、義父母に気兼ねなく自分たちの生活スタイルで暮らせます。
近所なら、往復の手間もあまりかけずに、多くのメリットがあるわけです。

「集食」が増えているのは、
現代という時代に、
理にかなっている
からではないでしょうか。
寂しい老人夫婦も減りますし、親世代も、孫世代も助かっています。
そもそも、これまで進んできた核家族化には、無理があって、
「家族」のつながりを求める流れがあるのかもしれません。
断絶の時代、一度は、家族がバラバラになった、
日本人の知恵が生んだといえるかもしれませんね。
かくいう我が家も、娘が結婚して、ほぼスープの冷めないところに住んでおり、
休みとなると「集食」を楽しんでいます。

もう少し話を続けます。
団塊の世代までの親世代は、一生懸命働いて、
ある程度、祖父母世代に依存してきました。
そして、高度経済成長期を支えてきました。
祖父母たちは、よろこんで孫の世話をしました。
ところが、
現代の高齢者は、アクティブシニアとかいって、
まだまだ、いや、
これからこそ人生を楽しむのだと、
枯れる心境にはありません。

つまり、日本人の平均寿命が延びたことによって、
シニアのライフスタイルが変わりました。
みんな元気で、縁側で茶を飲んでいるジジ、ババというのは、もはやいないのです。
よって、孫の世話に余生をささげる気などは、サラサラないのです。
そこで、「集食」というスタイルが
生み出されたというストーリーではないかと考えています。
これは、もう
現代版「大家族制度」だと思うのです。