片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

サムスン対アップル、トップは何を話したか?

2011-10-21 19:11:09 | 社会・経済

韓国サムスングループの三代目で、
サムスン電子社長の李在鎔氏は、
アップルのスティーブ・ジョブズ氏の追悼式に招かれ渡米しました。
そして、17日、同CEOの
ティム・クック氏と、
2~3時間の会談
をしました。
ご存じのように、いま、アップルとサムスンは、
激しい訴訟合戦を繰り広げています。

アップルは、「iPhone」や「iPad」によって、
スマートフォンやタブレット市場を築き上げ、独走状態にあります。
ところが、サムスンから激しい追い上げを受けています。
現に
「ギャラクシー」は、今年7~9月期に、スマホ市場において、
アップルを抜いて初めて首位
となったとみられています。
両社にとって、スマホやタブレットは主要商品といっていいでしょう。
追い上げられたアップルは、サムスンに“攻撃”を仕掛けました。

4月にアップルは米国で、サムスンに
「使い方が似ている」と、訴訟を起こしたのです。
訴訟は、9月中旬の時点で
10か国27件に拡大しています。
うち、
ドイツ、オランダ、オーストラリアでは、
サムスンのスマホやタブレットの一部端末が、
販売禁止の処分になりました。
はじめのうち、受け身だった
サムスンも
アップルに対し
攻撃をはじめました
売られたケンカを買うというわけです。

ただし、サムスンにとって、
アップルは半導体などの最大級の顧客です。
関係悪化が深刻になって、
取引を停止されては困ります。
アップルからしても、サムスンは優れた半導体の調達先です。
もちつ、もたれつの関係にあるなかで、
深刻な訴訟合戦は、今後どうなっていくのか……。

そんな矢先、冒頭のように、サムスンとアップルの
トップ同士が会談したわけです
「部品供給についての会談」「特許の懸案とは関係ない」
ということになっていますが、2、3時間も話したのなら、
当然、訴訟合戦のことは話にのぼったはずです。
いや、
のぼらないはずがありません。
果たして、次に表に出てきたとき、李氏は何を語るでしょうか。
注目したい
と思います。