片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

機器の「省エネ」から、システムの「節電」へ

2012-04-23 23:05:00 | 社会・経済

このブログでも、何度もとりあげてきたテーマですが、
東日本大震災後、原子力発電所の事故に伴う
エネルギー不足から
「節電」がいわれるようになりました。
そして、より効率よく、快適に「節電」するためには
「省エネ」機器が求められます。

機器の「省エネ」は、日本の得意分野です。
日本経済は、戦後、いわゆる
重厚長大型の製鉄、造船、
石油化学
などの産業によって成長しました。
しかし、
73年、79年の2度にわたるオイルショックから、
石油をはじめとする資源価格が高騰し、
それらの産業は厳しい経済状態に置かれました。

そこで日本は、重厚長大産業から、
軽薄短小産業へと、産業構造の転換を図りました。
半導体などの精密機械、エレクトロニクス
また、
新素材、光通信、遺伝子工学など、
省資源型産業へ軸足を移したのです。
同時に、重厚長大型の産業でも、石油エネルギー節約し、
より
「省エネ」に事業を行う工夫がこらされました。
また、
石油を使う自動車の燃費性能に代表されるように、
日本企業の
製品における「省エネ」技術は、
オイルショックによって
飛躍的に伸びました。

そして、いま求められているのは、石油だけではなく、
電力を使わない「節電」です。
オイルショック時の
「省エネ」では、自動車や家電などの
機器の「省エネ」化が進みましたが、
電力を使わない「節電」は、これだけでは限界があります。
機器を含めた、
システムごとの「節電」が求められるのです。
それが、例えば
「スマートグリッド」や、
DHC(地域冷暖房)
だといえると思います。
今後は、
システムごと、すなわちオペレーションや
メンテナンスも含めた「節電」
が求められているんです。