片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

年の瀬のご挨拶

2012-12-27 10:42:24 | お知らせ

今年のブログは、本日で終了とさせていただきます。
一年間、ご愛読いただきまして、ありがとうございました。
みなさま、よいお年をお迎えください。
新年のブログは、7日からです。


トヨタ、14代目クラウンはピンク?! の続編

2012-12-26 15:08:55 | トヨタ

14代目となる新型「クラウン」の発表会が
昨日、東京・渋谷の人気複合ビル「ヒカリエホール」で行われ、
会場には、ピンクの「クラウン」が登場しました。

トヨタは、2011年10月からスタートした企業広告
「FUN TO DRIVE、AGAIN」の一環として、
「ReBORN」のCMを放映してきました。
いうまでもなく、「ReBORN」は、再生です。
トヨタもクラウンも生まれ変わろう、
という強い意思が込められている。
つまり、ピンクの「クラウン」は、「ReBORN」を
象徴するカラーなんですね。
なにしろ、「クラウン」といえば、黒塗りが定番でしたからね。

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ヒカリエホールは、新型「クラウン」のテーマカラーの
ピンクに満ち溢れていました。
会場入りし、受付をするところから、
ピンクが目に飛び込んできました。
受付の女性たちは、全員、ピンク色のスカーフを
身につけていました。
手渡された、新型「クラウン」のカタログが入った
紙袋も、ピンク。
袋のなかに入っていたミニカーも、ピンク色の
「クラウン アスリート」といった念の入れようです。

スピーチをした豊田章男さんもまた、
ダークスーツに淡いピンク色のネクタイ姿です。
ブルー系のネクタイを見慣れている目には、
とても新鮮でしたわな。
豊田章男さんは、新型「クラウン」に
Wow!」という驚きを求めたと語っていましたが、
発表を見ている側も、
思わず、「Wow!」と声をあげたくなるほどの
徹底ぶりです。

「重視した点は、車を買って保有してもらい、
だんだん良さがわかってもらえた、これまでの
顧客に加えて、一目見て、『これ、欲しい!』
と思ってもらえるデザインにこだわりました」
と、豊田章男氏はいいました。
今年に入って、トヨタは「デザイン革命」を標榜しています。
トヨタといえば、“デザインがダサイ”“おじさんクルマ”
だといわれてきました。
トヨタのデザインは、韓国の現代自動車よりおくれている
といわれ、豊田章男さん自身もそれを認めていたほどです。
実際、「クラウン・アスリート」は、どこか「アウディ」を
彷彿させるほど、デザインが一新されています。

14代目「クラウン」は、「レクサス」に次いで
トヨタの「デザイン革命」の第2弾を担う車です。
そして、ピンクの「クラウン」は、
「これ、欲しい!」とユーザーに思ってもらうための仕掛けです。
50代、60代のこれまでの「クラウン」ユーザーに加えて、
若い層を開拓するための大胆なチャレンジといってもいいでしょう。

「このクルマが多くのユーザーに受け入れられることで
自動車市場が元気になり、ひいては日本全体が元気になる
年になって欲しいと思います」
豊田章男さんは、新型「クラウン」に賭ける
思いをそう語りました。

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発表会が終了し、会場を後にしました。
ホール前の長いエスカレーターに、
「ReBORN」のロゴ入りのピンクの紙袋を手にした、
来場者が列をつくり、その列は、渋谷駅に通じる通路へと
続いていきました。
地下鉄銀座線に乗っても、まだ、ピンクの紙袋を
もった人が目立ちました。
渋谷の町中をピンクに染める演出をしていたわけです。
ピンク色には、人をワクワク、ドキドキさせるような
高揚感があります。
まあ、年の瀬を迎えてではありませんが、
来年こそは、ピンク色に満ち溢れた1年でありますように。


トヨタ、14代目クラウンはピンク?!

2012-12-25 18:03:28 | トヨタ

トヨタは、今日、東京・渋谷のヒカリエホールで
フルモデルチェンジしたクラウンを発表しました。

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「ゼロ・クラウンを超えた」
今回、発表になった14代目クラウンを目にしたときの
豊田章男さんの第一声が、これです。
「思わず、笑みが出てしまいました」
豊田章男さんは、そう語りましたよ。
クラウンといえば、伝統、品格、信頼といった
言葉が思い浮かぶなど、日本車の代表選手ですね。
まあ、代表選手として、求められる要件を積み上げていくと、
保守的な車になるのも、やむを得ませんわね。
伝統があるからこそ、変えにくい。
しかし、14代クラウンは違う。
保守的なイメージを崩す、個性があるのです。

「ターゲットは僕ですよ。僕を驚かせてください。
Wow
!と思わず、口にしてしまうような車をつくってください」
クラウンのエクステリアデザインを担当した、
トヨタデザイン部グループ長の藤吉正一さんは、
豊田章男さんから、そういわれたといいます。
Wow!」は、驚きと感嘆を表す感動詞です。
「うわー、いいね」とか、「すごいねー」というニュアンスです。
「あっ、これ欲しい」と、一目見ただけで
欲しくなってしまうような車をつくって欲しい。
その言葉によって、14代目クラウンの新しい“顔”が生まれました。
フロントフェイスは、これまでになく個性的です。
これまで章男さんが取り組んできたデザイン改革の成果でしょうか。

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それから、発表会の後半、ピンク色の新型クラウンが登場しましたよ。
びっくりしましたな。
桃色といった方がぴったりくるかもしれません。
失礼ながら、“おじさん車”のクラウンが桃色とは。
これまでのクラウン、これまでのトヨタでは、考えられない。
しかも、ピンクのクラウンは、市販される。
ピンク色のクラウンが町を走る。
これも、まあ、豊田章男さんが社長だからこそできる、
思い切った、大胆な挑戦でしょう。
この秋、「オーリス」の斬新なCMを見たときも、
トヨタが変わったことを実感しましたが、
その確信は、ピンク色のクラウンでさらに深まりましたね。

ピンク色のクラウンに、春の桜のイメージを重ね合わせた
と、豊田章男さんはいいます。
「日本の元気に役立ちたい」
その心を語りました。
「来年は、本物の力が問われる年になると思います」
そして、そう付け加えました。


トヨタ、東北で本格生産を始める⑤

2012-12-21 19:33:09 | トヨタ

今日は、トヨタの東北進出についての最後の章です。

宮城県知事の村井嘉浩さん、大衡村長の跡部昌洋さん、
トヨタ自動車東日本社長の白根武史さん、
トヨタ副社長の新美篤志さんが出席して、
12月13日、宮城県庁において、
「災害時における支援協力に関する協定」の締結式
が行われました。

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トヨタの東北初のエンジン工場稼働について
書いてきましたが、
宮城県、大衡村(おおひらむら)との災害協定の
締結の内容をよくみると、トヨタが東北に根を下ろす
覚悟を示しているのがよくわかるんですね。
協定の内容は、
①災害発生後の人命救助、
②一時避難場所の提供、
③食糧、飲料水、生活物資、復旧の用に供する車両の提供、

④物資等保管場所の提供、
⑤災害関連情報の提供
です。

トヨタ東日本大衡工場には、2012年2月、
定格出力7800キロワットのコジェネレーションガスエンジン
発電機が導入され、稼働を開始しています。
災害による停電時には、大衡工場で発電した電気を
近隣地域に提供するというのです。
企業の地域貢献には、さまざまな形がありますが、
災害時の電力供給は、企業から地域への
何よりの貢献といっていいでしょう。
こうした内容の協定は、初めてのことではないでしょうか。

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トヨタはなぜ、地域における電力融通に踏み込んだのか。
その理由について、白根さんは、次のように語りました。
「災害時の情報遮断は、初期活動の弊害になることを
今回の震災で実感しました。
工場に自家発電機をもち、地域に電力を融通すれば、
復興の拠点になれるということもあります」

それから、トヨタは、大衡村に
企業内訓練学校「トヨタ東日本学園」を設立し、
2013年4月から東北地方の工業学校新卒者を対象に、
1年間の技能教育を行い、
モノづくりの中核人材を育成する計画です。
その「トヨタ東日本学園」は、コジェネレーション発電、
太陽光発電のほか、非常時に電源として活用できる
給電機能付きプラグインハイブリッド車が配備されます。
したがって、災害時も停電することがありません。
ですから、災害時には衛星電話や携帯電話の充電ステーション、
情報モニターを設置して、地域の情報受発信拠点として
活用できるという話です。

トヨタが特定の県と災害協定を結ぶのは初めてです。

それから、民間企業が地域の物資の保管場所を提供するのも、
これまでに例がありませんわね。
私が、トヨタが一企業の枠を超えて、地域に根付づく
覚悟をしているといっているのは、これらの事実からです。
「地域との連携は、災害に強いモノづくりのために
避けては通れません。トヨタには、“いい車をつくる”
という使命があります。それは、トヨタだけで達成
できるものではありません。中部地域で同様の
取り組みを推進するための手本としたい」
と、新美さんは語りました。
また、トヨタ社長の豊田章男さんは、
今年7月に仙台市で開かれた
トヨタ自動車東日本の発足式典において、
次のように語りました。
「モノづくりを通じて、地域の人たちといっしょになって
東北の未来をつくりたい」


トヨタ、東北で本格生産を始める④

2012-12-20 18:00:39 | トヨタ

また、また、また、また、トヨタの東北進出の
話を記します。

トヨタが、小型ハイブリッド車「アクア」の
生産拠点を東北の岩手工場にもってきたのは、
東日本大震災の復興を支援したいという
強い思いがあるからです。

震災後、トヨタ社長の豊田章男さんは、
被災地に入り、被災地の人たちが
悲しみに耐えながらも、前を向いて進んでいこう
とする姿を目にして、
「少しでもお役に立ちたい」という思いを
強くしたといいます。
そして、東北を中部、九州につぐ
第3のモノづくり拠点と位置づけました。

その思いは、東北初のエンジン工場の
稼働につながっています。
「震災後、東北の人といろいろなことを
一緒に話し、考えてきました」
トヨタ自動車東日本社長の白根武史氏さんは、
宮城大和第3工場竣工・ラインオフ式の終了後、
そう語りました。

「東北の人は、たいへん実直で、
人のせいにしない、やるべきことをきっちりやる、
ひたむきな気質をお持ちだと思いました。
モノづくりに非常に適した土地柄だといえます。
トヨタは、この地に根をおろすにあたって、
従来からある東北のモノづくりと一緒になって、
日本のモノづくりを東北でやっていきたい
と考えています」
と、白根さんはいいます。

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自動車産業の特徴は、産業の裾野がたいへん広く、
多くの雇用を生み出すことです。
給与水準も高いことから、
地域経済にも大きな影響をもたらします。

幸い、「アクア」は、この10月の国内新車販売台数で、
昨年6月以来、首位を走り続けてきた「プリウス」
を抜いて、首位に躍り出ました。

震災支援に限ったことではありませんが、
支援をする際に大切なことは、
途中でやめないことだと思います。
トヨタは、東北の地に根を下ろす覚悟です。