テーマの性質上、場面は室内のシーンばかり。アンソニー・ホプキンス実年齢83、オリヴィア・コールマン同47が父娘を演じている。

記憶が混濁していく父は、静かなトラブルメイカーとなる。父を独居させるわけにはいかないと、娘は父を自宅に引き取っている。
娘は仕事を持つ身であるので、介護シッターを雇うのだが、父の気難しさが災いし、どの人も居つかない。
日々認知症状が進行していく中、少しの刺激で、朗らかな行動を起こす。エンジニアだった父が、自分が元タップダンサーであったと思い込んだ時、すかさず踊り始めるアンソニー・ホプキンスの身のこなしは、さすが大御所である。
重いテーマ、娘の苦悩にスポットが当たる。
僕が仮に80歳をすぎて存命な場合、
子ども2人は五十路を過ぎたところだ。ボケ老人になりたいと思う人はゼロだが、先のことは誰にも判らないからね。