定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

サリンジャーの屈折

2019年01月25日 23時18分52秒 | 日記

生誕100周年で、昨年来サリンジャーにまつわる作品を2つ観てきたが『ライ麦畑の反逆児』は、短編を書き始めたサリンジャーが、戦争を経て精神を病み、『ライ麦...』で世界的名声を得るが、やがて世捨て人になるまでの半生が描かれる。

この作品のサリンジャーが真実であるならば、皮肉屋はシャイネスの裏返しであり、厭世観は潔癖症の派生したカタチであると汲み取れる。

精神の歪みはやはり戦争に起因する。
サリンジャーが戦争に動員される前から書き始めていた『ライ麦...』を戦後のブランクを経て完結させたのは、ひとつの奇跡である。
サリンジャーより4歳年少である僕の父の戦後は、
教育者としての健全な道をまっしぐらに歩んだようにみえるが、戦争・捕虜の体験から、常人が看過するようなことに懐疑心を抱く一面もあった。

『ライ麦畑...』あらためて読み返してみようと思う。