モーニング娘。コンサートツアー 『The BEST of Japan 夏~秋'04』
10/23(土) 群馬 グリーンドーム前橋
この日の朝は道が混んでいた。早めに出たのに、前橋に着いたのはお昼近く。
昨年、一昨年は「パトカー前集合」などとやっていたのだが、いまはすっかり
現場に知り合いが増えているのでたちまち馴れ合いがはじまる。
話題の中心はまこの「退色復元大使」就任である。印字サンプルなどを見て
あーだこーだと語り合う。またトレポを買っては当たりだ外れだと騒ぐ。
去年までは一人で過ごすのが当たり前だったコンサート会場であるが、もはや
馴れ合いのない現場など想像もできなくなってしまっている。
どやどやと入場する。去年はかなり後ろの方の席まで客が入っていたグリーン
ドームであるが、今年はセンターを埋めるだけで精一杯という感じである。
スタンドの端と上のほうは空席が多い。
しかし始まってしまうといつも通りの盛り上がり。ヲタもこのツアーを何度も
見ているわけで、フリコピなどやたらと揃う。
毎度お楽しみのゴロッキ大喜利。
「○○温泉に行きました」というお題。
∬∬´▽`)<新垣里沙温泉に行きました!
(~^◇^)<効能は?
∬∬´▽`)<眉毛ビームで肩こりが治りました。
このネタについて、当の新垣さんから物言いがつく
( ・e・) <違いますよ!眉毛ビームを浴びると眉毛か濃くなっちゃいます!
(~^◇^)<えぇ~っ??まこっちゃん違うじゃん!
∬∬´▽`)<すいません、テキトーに作りました
(~^◇^)<ワンダウン!
続いて写真で一言。お題はモナリザの絵の写真。
川*’ー’)<眉毛描きわすれたぁ!
(~^◇^)<ふはは、モナリザには眉毛ビームが必要だね!
すると、客席から眉毛ビームを求める拍手が沸き起こる
(* ・e・) <えぇーっ、なんか久しぶりですよぉ
とためらうも
( ・e・)ノ<眉毛ビーム!!!
とキメてくれた。そのときである。
∬∬´▽`)<矢口しゃん矢口しゃん、ガキさんは16歳最初の眉毛ビームですよ
(~^◇^)<ホントだ!じゃあみんなでハッピーバースデー歌おう
なんというすばらしい展開だろう。
ステージ上のメンバー、そして会場のヲタ全員で歌う。
( ・e・) ♪ハッピバースデートゥーユー >>
(* ・e・) ♪ハッピバースデートゥーユー >>
(* ・e・) ♪ハッピバースデーディアガキさーん(ヒューヒュー)>>
(* >e<) ♪ハッピバースデートゥーユー(パチパチパチ) >>
この時のガキさんの感激っぷりは可愛かった。本当に嬉しそうだった。
(~^◇^)<まこっちゃんはいい所に気づいたから、ワンアップ!!
∬∬´▽`)<わーい
それにしても新垣温泉から始まるこの神のような展開。
ある程度ネタ合わせもしてたのかもしれないけど、全てが台本では
ないだろう。この秋ツアーにはいくつか奇跡が起きたが、このガキさん
誕生会もその1つである。
夜の部。開演まであと10分程という時である。
ごごごごごごごごご
という音が聞こえてきた
最初は近くにある空調機の音だと思っていた。
やがて天井やスピーカーのヤグラがガチャガチャ鳴り始め、その後やっと床が
揺れてることに気づいた。地震だ。
会場がざわつく。放送が入り「地震がありました」と言う。それは分った。
まもなく、セットの点検をやるために開演が遅れるとアナウンスが入る。
セットの上をスタッフが走り回る。天井からぶら下がったバトンに付いた照明が
まだ揺れている。
点検が終わり、スタッフがいなくなったとき、また
ごごごごごごごごごである。
ザワザワと騒がしい声が上がるとグラグラと揺れ始める。どうもこの席は揺れが
伝わるのが遅い気がする。
開演時刻を大きく過ぎて、ようやく会場が暗転した。
歓声もいつもより少な目だ。
かしまし物語から3曲歌うとMCだ。メンバーがそれぞれの定位置に移動を始める。
するとまた、
がががががががという揺れを感じる。ステージ袖からスタッフが戻れと
指示を出し、メンバーが一旦ステージ裏に下がる。ステージ中央にいるメンバー
には指示が伝わらなかったようだが、サイドのメンバーが声をかけて、全員無事に
ステージから降りる。
隣のヲタと「変な地震ですよねえ」と会話する。
「浅間山の噴火活動かもしれませんね」などと言う。この年、浅間山近辺で火山性の
群発地震が起きていた。
コンサートが中断したまま、ヲタは放置される。特に何のアナウンスも無いため、
このまま中止なのか様子見なのかも分からない。
10分ほどしてメンバーがゾロゾロと出てきた。歓声を上げるべきなのかもしれないが、
会場はざわついている。メンバーがMCの定位置に移動する。再開なのだろう。
最初に喋るのは吉澤だ。
(0^~^)<うちらがあんまり熱いから、地球の中であっちいマグマがボコボコ言っちゃいました。
突然コンサートを中断しておいて、何のアナウンスもしない。
冷め切った会場に、これまた何のアナウンスもしないで戻らされて、
「さあ再開」と言われてその第一声である。ああいうしかないだろう。
アドリブがあまり許されていない娘。コンで、精一杯のフォローだったと思う。
この吉澤の発言で、不安感に覆われた会場も落ち着きを取り戻したし、
気を取り直してコンサートを見ようじゃないか、という雰囲気に戻ることが出来た
はっきり言わせてもらえば、この発言の揚げ足をとって「吉澤が被災者を侮辱」
などと騒いでいたヲタこそが、震災被災地を侮辱していると思う。
一人の新潟県出身者として、決して許すつもりはない。
その後は地震を感じることも中断することも無く、コンサートは普段どおり進行。
夜の部では、「ハッピーバースデーガキさん」はやらなかった。
予定してなかったのか、あるいは開始が遅れたために取りやめになったのか?
ゴロッキ大喜利自体は普通に行われた。
昼と同じく、「○○温泉に行きました」というお題。
∬∬´▽`)<紺野あさ美温泉に行きました!
(~^◇^)<効能は?
∬∬´▽`)<天然ものです。
これはちょっとイマイチだったかも。
続いて写真で一言。お題は月面の写真。
(~^◇^)<ハイ出来た人手を上げて!
なぜかまこだけが手を上げない。
(~^◇^)<あれ、まこっちゃんはどうしたの?
∬∬´~`)<うーん、まだ考え中
(~^◇^)<じゃあ後でね
何かのネタフリだろうか?
(~^◇^)<まこっちゃん、そろそろ出来た?
∬∬´◇`)<えええええううううう、いいや!やっちゃえ!
(~^◇^)<じゃあ、まこっちゃん
∬∬´▽`)<月に変わってお仕置きよ!
迷っていたのはそれをやるかどうかだったのか。
一応会場ヲタにもウケる。しかし・・・
(~^◇^)<ワンダウン!
∬∬´▽`)<なんでですかぁ、ウケましたよぉ
会場から、ヤグチ!ヤグチ!とコールが起きる。
∬∬´▽`)<矢口しゃん、みんなやって欲しいって!
(~^◇^)<えぇ?やだよぉ
∬∬´3`)<まあ21歳にはきついですよねぇ(プギャー)
(~^◇^)<でも、まこっちゃんよりはカワイイ自信ある!
そういうと、ポーズを決めながら
(~^◇^)<月に変わってお仕置きよ!
どどどどと会場が大ウケ
∬∬´◇`)<なんで私のときより、反響がいいんですかぁ!
(~^◇^)<やったやった、もうこのコーナー満足!
∬∬´◇`)<ふぇぇぇぇぇぇ
まさに円熟の極みに達しているヤグまこコンビだ。
客が少ないのでアンコールも何となく弱々しい。
必死に盛り上がる気力も無いのでネット用につかってるauの携帯電話で
ヒバスレなどを覗くと、にやら新幹線が脱線とか物騒な話題が並んでいる。
先ほどの地震が新潟を襲った大きな地震であったことを知ったのはこの時だ。
急いで通話用として使っているDOCOMOの携帯電話を取り出す。
着信が2件入っている。
2件とも実家からだ。
背筋が寒くなった。
早く席を立ちたかったが、アンコールが始ってしまい動きにくい。
「早く終われ早く終われ」と念じながら「涙の止まらない放課後」を聴く。
メンバーの挨拶のところですこし明るくなるので席を立つ。
ロビーで携帯から電話をかけるが、もちろん繋がらない。
公衆電話を探して、実家のダイヤルを押す。
母親が出た。地震のことを聞くと「揺れたよー」などとあっけらかんとしている。
とくに被害はないとのことであった。先ほどの着信は無事を伝えるための
ものだったらしい。全身の力が抜けた。
コンサートは終わったらしく、みなさんと合流。なんでも公演中に心配した
テンチョ氏から北区氏に問い合わせの電話がかかりっぱなしだったそうだ。
俺の知らないところで大変なことになっていたのだ。
帰ろうとするのだが道路情報が分からない。高速は通行止めか?
JHの電話サービスを聞こうと思ったが、やはりなかなか繋がらない。
車まで移動してラジオやカーナビのテレビをつけるが、安否情報が延々と続く。
とにかく空いているファミレスを探して入る。ノートPCで情報収集。
ネットで見る限り、長岡市などの都市部での被害は限定されているようだ。
新幹線の脱線も惨事にはなっていないようでホッとする。
道路情報によれば、発生直後に全面通行止めだった関越道も前橋以南は通行
できるようになったとのこと。どうやら帰れそうである。
北区氏たちと分かれて前橋ICから関越道に入る。
新潟方面から走ってくる車がないため、自分以外の車がない。専用道路のようだ。
やがて後ろから車が1台走ってきて、追い抜いていった。北区氏らの乗った車だ。
前後数キロにわたって、車は我々2台しかいないようだ。
反対車線を赤色灯を回転させた機動隊のバスが十数台、車列を作って北上
していく。救援隊だろう。しばらくするとまた別の部隊とすれ違う。
誰もいない関越道とすれ違う赤色灯の群れ。
忘れられない光景となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/f8/2626926c6d80d2ace18e05b4434745e3.jpg)
車が1台もいない関越自動車道
HeyHeyHey公開収録
10/24(日) 東京メディアシティ(砧スタジオ)
群馬コンから一夜明け、テレビはひたすら震災情報を流す。
まこの地元や関係者は大丈夫だったのだろうか?
今日は「涙がとまらない放課後」の歌収録があり、この観覧に当選していた。
「まこが普通に出ていれば、大丈夫なんだろう」と思って行って見ることにした。
HeyHeyHeyの収録に参加するのは2回目である。前回は2年前、藤本美貴の
「ロマンティック浮かれモード」であった。
砧スタジオは何度か行っているが、毎回道に迷う難易度の高い場所である。
世田谷の入り組んだ住宅地の中にあるため、ちょっと曲がるところを間違えると
ぜんぜん違う場所に出てしまうのだ。
今回は慎重に道を選んで、集合場所(狭い住宅街の歩道)に到着。
点呼は集合時間よりも早めに始まっているので、早めに到着したほうがスタッフも
助かるだろう。整理番号順に行列を作るがこれは点呼のためであり、入場した後
改めて並ぶことになる。今日は比較的若い整理番号なので近くで見れそうだ。
娘。の公録以外にも、他の公録に参加する人も同じ場所に集まるので、ただでさえ
狭い歩道は人があふれる。住民は見慣れているのか、見向きもしない。
時間が来て、通用門から敷地内に入る。
砧スタジオは正面から見るとビルが1つあるだけのように見えるが、裏にはいくつかの
建物や倉庫、作業場や駐車場などがあり、大学のキャンパスのような施設である。
古びたビルに勝手口のようなところから入り、階段を上って「リハーサル室」に入る。
ここが公録参加者の控え室だ。ホワイトボードや椅子、机などが置かれた殺風景な部屋だ。
椅子の数はわずかなので、整理番号の若い人しか座れない。後から入ってきた人は
立つか隅に置かれた畳の上などに座る。公録の参加者は200人ほどであるが、全員が入る
とかなり窮屈なことになる。前回の藤本の時はこの部屋で40分くらい待たされた。
公録では決まっているのは集合時間だけで、何時から始まるか、何時に終わるかなどは
撮影の都合次第である。
この日は、リハーサル室に入れられて10分もしないうちに呼び出しがあった。
荷物や携帯電話は全てこの部屋に置いて、廊下に集合する。
一旦外に出て別の建物に移動する。
テレビのスタジオというのは、本当に薄汚い場所である。ベニヤ板や角材や鉄パイプが
壁に立てかけられ、床に転がり、雑然と積み上げられている。衣装ケース、機材、小道具
の入った木箱、とにかくあらゆるものが散乱し、埃っぽく、窮屈だ。
しかしこういう息苦しいスタジオこそが、本当の「まこの職場」なのである。
まこは毎日の大半を、このような環境で過ごしているのだ。
大道具置き場のようなところを進んだ先に、人が大勢集まっている。
HEYHEYHEYのステージである。テレビに映ると格好いい、綺麗なステージなのだろうが、
肉眼でみるとガラクタが積み上げられたヤグラといった感じ。
ステージの周りにはカメラが移動するためのレールが敷かれている。その後ろには
箱に入った機材やらTVモニタやらがところ狭しと並び、ケーブルが這い回って足の
踏み場もない。そんな床の一部にテープで枠が描かれている。ここが観覧客のエリア
である。広さは渋谷ハロショのプッチミュージアム程。ここに全員が押し込められる。
床に傾斜などはないので、後ろのほうだとステージの娘。を見ることはできない。
「笑っていいとも」などとは違い、HEYHEYHEYの歌収録では観覧者は観客ではなく
ステージの盛り上がりを表現するためのエキストラなのだ。
今日は若い整理番号だったので、前から2列目に立つことができた。1列目に並ぶ
人たちは女性が多い。整理番号はある程度操作されているのだろう。
ステージに向かって一番右端に立つ。放課後でまこはずっと右側で踊るからだが、
娘。が出入りするのは左側である。左側にいると娘。が入ってくる様子と出て行く様子
まで見れるので、左側から場所は埋まっていくのだ。
全員が入ると、満員電車状態だ。早速ADが現れて拍手の練習。小さく早くが基本だ。
観覧慣れしたヲタが多いようですばらしい拍手が実行される。
「クレーンに注意してください」と通達される。頭すれすれにクレーンカメラのアーム
が動き回るのである。ちょと飛び跳ねたらぶつかってしまうだろう。
また、「穏やかな曲なので大げさに踊ったりしないでください」とリクエストされる。
前回のロマモーの時は「思い切り元気よく盛り上がってください」とオーダーされたのだが、
放課後でそのようなことをしたら興醒めだ。ゆらゆら揺れるくらいしかできない。
よくよく考えてみれば、観客役が必要だったのかどうかも疑問ではある。
前回は藤本さんが入ってくるまでしばらく待たされたのだが、この日は「拍手の練習」が
終わるとすぐに「お待たせしました、モーニング娘。さん入場です」と声がかかる。
まるで娘。がヲタを待っていたかのようなタイミングだ。なんだか申し訳ない。
さすがに観客も歓声を上げるが、雰囲気に押されてコンサートのような盛り上がりには
ならない。ただ、女性ファンはキャーキャー叫ぶ。女性の方が物怖じしないのだろう。
ステージの上にメンバーが並ぶ。昨日群馬で見たばかりであるがさすがに近い。
最前列の「4人組」までは3mくらいの距離だ。
昨日は気付かなかったがこんこんは膝に怪我をしている。サッカーの練習のためだろうか。
娘。は特に挨拶もなく、それぞれの立ち居地に移動してポーズを決めたまま静止する。
しーんと静まりかえる。
イントロが流れて歌収録が始まった。
当たり前であるが、娘。はヲタにレスしたりはしない。ヲタはただのエキストラである。
もちろん盛り上がり系の曲で「ライブ感」を表現したいときは、ヲタに手を振ったりする
演出もあるのだろうが、放課後はそういう曲ではないのでヲタを完全無視した状態で
淡々と歌い、踊る。この雰囲気はちょっとコンサートでは味わえないものである。
別に面白い事でもないが。
歌い終わると、娘。は速攻でハケていく。まこに声をかけるどころじゃない。
ヲタはそのまま待機だ。この後VTRチェックが行われ、何か問題があると
もう一度収録となる。
藤本のときは見て分かるようなNGはなかったのだが2回目の収録があった。
今日ももう1回くらいはやるかな、と期待していたが、「OKがでました。」とのこと。
「えー!!」とヲタはブーイング。
「みなさんのおかげです。ありがとうございました」と言われてしまう。
出来れば娘。にもう一度登場してもらって、「今日はありがとうございました」などと
言って欲しいところだが、そんな”サービス”はない。たちまちセットから追い出されて
リハーサル室へと戻る。荷物を持って退出。入場してから終わって出るまで40分くらい
だったか。藤本さんのときは2時間くらいかかったような気がする。
帰るときにお土産をくれる。HEYHEYHEYの番組グッズだ。
前回は携帯電話のネックストラップだったが、今日は小さな携帯電話用のクリーナー。
家に帰ると上司から電話が入っていた。
実家に被害があるようなら明日出社しないで地元へ戻ってよいとのことだったが
特に被害はないと報告。
その晩の「あなたがいるから矢口真里」でまこの実家や家族にも被害は無かったと
報告された。