医療事故調査制度

混迷で仲々創設に至らない医療事故(安全)調査委員会制度に医療事故調査制度推進の弁護士や医療事故の遺族達が厚労省に早期創設を要望した。
医療事故訴訟としては、福島県立大野病院事件が有名です。
この事件は医療関係者に多大な影響を与えました。
厳重な処罰を望む遺族と、医者への刑事訴追の不当性を主張する検察側との反目。
その後死因究明の在り方に関する検討会がスタートして、第一次案、第二次案、
第三次案まで出て検討されています。
紛糾しているのは、究明か糾明かの一言に尽きると思います。
死因の究明は医学的科学的調査が困難で再発防止に役立たないどころか、死因
糾明と責任追及になり、リスクを背負う医療現場では、医者や病院の減少を引き起こし、医療破壊の原因に成り兼ねないと言う説です。
事実日本の病院では厄介な産婦人科や外科等を嫌い減少の傾向にあると言う。
高度化する医療現場、減少する病院や医師看護士、益々従事時間が増え過重労働
の医療従事者それ等の原因が複雑に入り交じって、医療事故が起きます。
ごく単純な医療ミスから、判断ミス、ぎりょう不足のミス等々・・・
それ等よる死亡事故、遺族にとっては、諦めきれない事です。
一方医療側も明らかなミスは別にして、逆恨み等で訴訟を起こされては、たまったものではない。
出術前に患者や家族等から取る、出術等同意書は実に色々書いてあるが、詳しく
目を通す人は希です。また懇切丁寧な医者の説明も上の空で今から始まる出術の
事で一杯です。これが恐らく患者や家族の気持ちではないでしょうか。
中身もややこしい専門用語でさっぱり判らないのが実情です。
これがいざ医療事故に繋がった場合、ややこしく成ってきます。
今まで医療分野は聖域視され、訴訟しても殆ど勝つ見込みはありませんでした。
これでは、医療事故の繰り返しになるとやっと医療事故を調査する制度を創設する
運びにこぎつけました。
医療関係者は勿論第三者も入れ構成されます。
ただこれは医療事故原因の究明制度であって、事故糾明機関ではありません。
しかし究明はどうしても糾明になります。そして、医療関係死の強制的届け出をどうするか？行政処分の分野まで踏み込むのでその辺で紛糾して居ると聞く。
起こってはならない医療事故ですが、もし起きた場合どうするか？
何処に調査依頼できるのか？刑法や民法がらみの訴訟はどうすれば良いのか？
まだまだ問題は山積して居る様です。

ＰＳ
　訴訟となると、金の問題になるので金目当とか言われる事が辛いと患者遺族等は
　痛感すると言う。
　患者遺族の大半は、原因究明と同時に謝罪を要求すると共に、再発防止を願うと
　言うが、ややもすれば、謝罪は勿論、再発防止が忘れられ、糾明に流れて、医療
　側との感情的対決となり後味の悪い結末となりがちとの事です。