したのやムラ便りG

東京の片隅に眠る下野谷遺跡。「したのやムラ」と呼ばれる縄文のムラがありました… (non official site)

「手作りジオラマ」のこと

2010年11月13日 02時26分09秒 | おしらせ(したのや以外)

東京文化財ウィークの企画展で湧く 西東京市郷土資料室

実は、もう一つ、ビックプロジェクトが進行中。

                                                           郷土資料室に足を運ばれたことのある方は

展示室4にある田無の歴史を描いたジオラマをご記憶のはず。

これは、50年以上前に、

田無市に公民館が開館した記念に、市民の手で作られたジオラマなのです。

                                                             田無市の時代から、合併し西東京市になった今でも飾られているこのジオラマ、

実は、長い年月の中で、その制作者などがわからなくなってしまっていました。

                                                              ところが、3年前のある日、たまたま郷土資料室の担当者を訪ねたAさんが

せっかくだからと展示室を見学中、大きな声をあげました。

「これは!僕らが昔作ったジオラマだ!」

                                                             なんとも奇跡的な再会劇でした。

このことは、新聞でも「50年ぶりの再会」として報じられました。

                                                                                    

Imgp0011_2  他に読売新聞でも紹介されました。

                                                                 50年以上の歳月を経てきたジオラマは、いたみも目立ってきました。

しかし、このジオラマは、とてもわかりやすく田無の歴史を描いており、

また、その作製の経緯などもすばらしい、貴重な展示物です。

どうしても後世に残したい。

                                                            その気持ちに応えてくださった、かつての制作者の皆さんの手により、

今年、53年ぶりの修復が行われることとなりました。

                                                                                             

Imgp0009_2  すべてが手作業。

Imgp0005  材料も自分たちで集め、工夫して。

                                                             現在、不定期ですが、展示室内で修復が行われています。

ジオラマはそういったことで、しばらくはキチンと見ていただくことはできませんが

同じ展示室の他の展示品は通常通り見ることができますので、

修復作業も見学可能です。

完成の暁には、お色直しをしたジオラマのお披露目とともに、

制作者の苦労話を聞けるような会が開けたらいいなあ、と思案中。

                                                                                                

Imgp0008_2  

                             制作者のNさん、Iさん、Aさん(左から)

                             制作当時は、みなさん10代・20代!

                                                             めったに見ることができない(次はあと50年後?)ジオラマ修復の現場、

見てみたくはありませんか?

西東京市郷土資料室第4展示室で、不定期に作業中です。

                                                               西東京市郷土資料室は、

水曜日から日曜日の10時~5時開室。(月・火は閉室)。

事務所の電話番号は、042-467-1183です。

場所などの詳細は、西東京市HPをご覧ください。

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「高橋文太郎と保谷の昔」展のこと

2010年11月13日 01時35分02秒 | おしらせ(したのや以外)

特別企画展『写真で見る西東京市の今と昔』展の関連企画として、

『高橋文太郎と保谷の昔』展が、西東京市郷土資料室で同時開催されています。

Imgp0011

                                                             高橋文太郎は、保谷出身の在野の民俗学研究家で、

主に山の民俗の研究に情熱を傾けました。

                                                             その文太郎が、自らの郷土に目を向け、

昭和初期の急速に変化する東京の近郊農村としての

「保谷村」を書きとどめようとした名著が

『武蔵保谷村郷土資料』です。

                                                                また彼は、渋沢敬三の主催した「アチックミューゼウム」の同人でもあり、

渋沢敬三の夢に賛同し、その実現のために土地を提供しました。

その結果、ここ西東京市には、

今は幻となってしまった「民族学博物館」が設立されたのです。

                                                             昨年、そういった今では埋もれた人や歴史を掘り起こし、

後世に伝えようという地道な動きが実を結びました。

                                                               「高橋文太郎の軌跡を学ぶ会」という市民の研究グループが、

関連する写真を集め、「渋沢敬三・高橋文太郎と民族学 博物館」と題する

写真展・講演会・民具展示を西東京市教育委員会と共催で行いました。

先に報告した『第2回 民具展示』はその意志を継いだものです。

                                                             また、同会は、民族学博物館の跡地に、そのことを記した銘板をたて、

集めた写真で作成したパネルとともに、西東京市に寄贈しました。

                                                            今回の展示では、その写真パネルのほんの一部ですが展示し

展示パネルの撮影は禁止です)、

同時に、『武蔵保谷村郷土資料』に写真掲載された農具も展示しました。

                                                                                      

Imgp0003  

                        廊下ではパネル、展示室では農具を

                          (★マークが掲載品)展示。

                                                              ミニ展示ですが、高橋文太郎民族学博物館

そして、彼が書き留めようとした保谷の昔を少しでも知る機会になればと思います。

                                                                  会期は11月21日(日)まで。

会場は西東京市郷土資料室。

10時~5時まで開室(入室は4時半まで)しています。

月・火はお休みです。

場所などの詳細は、西東京市のHPをご覧ください。

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「写真で見る西東京市の今と昔」のこと

2010年11月11日 21時26分51秒 | おしらせ(したのや以外)

現在、西東京市郷土資料室では、東京文化財ウィークの参加事業として、

特別企画展『写真で見る西東京市の今と昔』が開催されています。

                                                                                         

Imgp0001

                                                            西東京市郷土資料室は、統合され廃校になった小学校(旧西原第2小)を利用した、

西原総合教育施設の中にあります。

                                                                                   

Imgp0002  春には桜がきれいです。

                                                            郷土資料室と同じ 2階の一室を使って、特別企画展は行われています。

                                                                              

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Imgp0004

Imgp0003_2

                                                             今回は西東京市にある駅周辺の風景を中心に、昭和と平成の時代を比べています。

なつかしい住居表示や、今はない「早川歯科医院」の表札も。

                                                                 平成の今の写真を撮ってくださり、

展示にも全面的に協力してくださったのが、

公民館の『歴史を護る』の講座から生まれた、

「歴史を守る会 写真班」の皆さんです。

                                                                           カメラが趣味のみなさんは、

自分の特技である写真を武器に、西東京市を定点撮影することにより、

その歴史を留めていこうと活動中です。

                                                                     

Imgp0002_2 

             写真班の3人と(右から1.3.4人目の方々)と、

             郷土史研究家のC先生と郷土資料室の土資料室の担当のWさん

                                                             活動に興味のある方はぜひ、会場に足を運んで下さい。

仲間を募集中とのことです。

                                                                                            

Imgp0037_2

                                                               今回の展示は、見学者も参加できるのが特徴のひとつ。

写真へのコメントや思い出など、ツイッター風に書きこむと、

こんな風に展示されるかも。

                                                              特別企画展の会期は

11月21日(日)まで

午前10時~午後5時までで、郷土資料室の入室は午後4時半まで。

月・火は閉室です。

郷土資料室の場所など詳しいことは、西東京市のHPをご覧ください。

                                                          「歴史を守る会 写真班」のみなさん 

力作、そして展示作業、ありがとうございました。

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小平ふるさと村 『はかる道具』 (西東京市のおでかけ文化財)

2010年11月11日 04時41分59秒 | おしらせ(したのや以外)

前にもお知らせしたとおり、この秋は、

西東京市の文化財がいろいろなところにお出かけ展示されています。

                                                                             昨日は、小平市教育委員会主催の

「特別展 くらしの道具のうつりかわり(二)『はかる道具』」を見てきました。

開催場所は、小平ふるさと村

西武新宿線の花小金井駅南口をでると、多摩湖自転車道路があります。

                                                                                    

Imgp0005  途中、彫刻なども飾ってあります。

そこを、右手側(西)にむかって約20分。

                                                                               

Imgp0006  奥が今回の展示会場。昔の郵便局。

小平ふるさと村に到着です。

                                                                                           

Imgp0007_2  民家などが移築されている静かな公園

                                                                今日は、学芸員のO川さんに説明をしていただきました。

とても、くわしく、でもわかりやすく、郷土に根ざした話はさすが!

                                                                                           

Imgp0009_2  和室での展示がしっくり

                                                                 とてもすてきな展示ですが、ほとんど手作り。

創意工夫に脱帽!

お願いして、撮影とブログ掲載の許可をいただきました。

                                                                                                        

Imgp0012  西東京市のお出かけ文化財「天秤ばかり」

                                                              いつもは、西東京市郷土資料室の片隅にひっそり展示されているのですが、

こうして、スポットライトをあび、

詳しい解説をしていただくと、

いろいろなことを語ってくれる素晴らしい資料だと再認識します。

持ち帰り、展示に活かしましょう!

                                                                                                                    

Imgp0016  銭升(左)と升と斗がいのセット(右)

                                                             こちらも西東京市のおでかけ文化財です。

左で二朱銀が80枚=1両分数えられます。

いずれも検定印が押してあり、その変遷がまた面白い!

                                                               この他にもいくつか西東京市おでかけ文化財がありますが、

もちろん、ほとんどは小平のもの。

                                                                                             

Imgp0018_2  薬や綿などをはかる道具

                                                                   それ以外にも眼をひくのが、

                                                                                             

Imgp0024

                                                             千葉測量機器のコレクションのレベルやトランシットなどの測量機器。

すごい。

                                                                                                           

Imgp0011  陸軍で使用していたもの

                                                                   「はかる」ということにテーマを絞った展示。

とてもおもしろく、勉強になりました。

とても詳しい解説リーフレットもあります。

ぜひ、ぜひ行ってみてください!

                                                                とお勧めしたいのですが、実は会期は今日11月11日まで・・・。

今日の4時までは開館しています。

お時間ある方はぜひ駆け込みで!

                                                               で、会期が過ぎてしまい残念・・・と思っても

小平ふるさと村には足を運んでみてください。

                                                                                     

Imgp0033  開拓時代の民家

Imgp0031 水車。実際に粉ひき用の杵が動いています

Imgp0039 民家。中も見学できます。

Imgp0036  軒先には干し柿。奥には唐箕もみえます

                                                                       ちょうど里の秋の風情。

広さはそれほどではありませんが、見どころは満載です。

日にちによっては「小平糧うどん」も食べられるそう。

詳しくは、小平市のHPhttp://www.city.kodaira.tokyo.jpを見て下さいね

                                                               それにしても、テーマのセンスといい、

民具の知識といい、

展示の工夫といい・・・・。

                                                              反省。

もっと勉強しよう。

O川さん、これからもご教示お願いします。

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「第2回 民具展示のこと」④ 『地域の力』

2010年11月11日 01時41分28秒 | 幻の民族学博物館

今回「第2回 民具展示」を開かせていただいた屋敷林の地域は、

かつての下保谷村にあり、字名を「荒屋敷」といった。

この地域にある「荒屋敷自治会」は今年創立50周年を迎えるという。

昨今、自治会活動などの地域のつながりが薄れている中、稀有な存在ともいえるだろう。

                                                       高橋文太郎著『武蔵保谷村郷土資料』には、

上保谷村の又六の「」での「念仏申し」の写真が掲載されている。

                                                            「講」や「念仏申し」などは別の機会に述べたいと思うが、

かつては、こういった集まりを通じ人々がつながり、

地域が相互扶助のもと活性化していたのだ。

                                                            今回の「民具展示」は、そういった

今では薄れてきている人々のつながりが残る地域であったからこそ、

できたものと感じている。

                                                              ご協力いただいた「屋敷林の会」、元「高橋文太郎の軌跡を学ぶ会」初め、

地元地域の皆さん、本当にありがとうございました。

                                                                                            

Photo_11  主役は久しぶりに息を吹き返した民具達。

101103dsc_19842_2   ・・・・。子供たちに語りかける。

Photo_8  盛り上げてくれたのは参加者の皆さん。

               高橋文太郎のご子息ご家族と

               民俗学者宮本馨太郎のご子息であるやはり民俗学者の宮本先生

Photo_2  支えたのはたくさんのスタッフ 

Photo_3

Imgp0009

Photo_6

Photo_9 

Photo_10  右から2番目が「おかしら」さん

                                                            ここに写っていらっしゃらない方もいらっしゃいます。ごめんなさい。

みなさんほんとうにお疲れさまでした。

ありがとうございました。

                                                              そして何より何よりうれしかったのは、地元の方々の中から、

「来年はどうする?もっと工夫をして…」という声が聞こえてきたこと。

                                                                              この日、神宮球場では大学野球50年ぶりの早慶優勝決定戦。

奇しくも「おかしら」さんは慶応Boy、かめしーたは早稲田女。

結果は・・・

すみません。勝たせていただきました!

100代キャプテン、ハンカチ王子こと斎藤祐樹君が言いました。

「斎藤は何か持っているといわれてきましたが、今日確信しました。

それは・・・仲間です!」(カッコよすぎ。さわやかすぎ。)

実は、かめしーたも昔から、何か持っているといわれることがある。

で、かめしーたも確信しました。

それは・・・支えてくれる人たちです!(だいぶ気恥ずかしい?)

                                                           皆さん、来年もまた、屋敷林でお会いしましょう!

                                                             

                                                                                                                                                              

                                                                        

                                                             

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