したのやムラ便りG

東京の片隅に眠る下野谷遺跡。「したのやムラ」と呼ばれる縄文のムラがありました… (non official site)

春呼ぶしたのやムラ

2014年02月02日 17時28分54秒 | したのやムラの物語

ちらほらと梅も咲き始め、

随分と日が長くなりましたね。

                                                            

今日もしたのやムラは夕焼けがきれいです。

                                                        

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高い空を飛ぶ鳥たちも家路を急ぎます。

                                                     

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家の中をのぞいてみると、

炉には火がちらちら。

火にかけられた土器の中で煮えているのは、

あんのご自慢の干し牡蠣入りのスープのようですね。

冬にはこれが一番!

                                                            

あれ?家の入口になにやら木の枝と魚の頭が刺してありますよ。

あっ、そうか!

もう、そんな季節なんですね。

                                                              

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ほら、何かが、土器をけ飛ばして逃げて行きました!

それを追いかけてのーやが!

「おには~そと~!」

                                                           

そうです!明日は春に向かう節分。

豆まきの日。

                                                        

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今年はしーたが鬼の役みたいですね。

「福は~うち~!」

恵方巻きも食べて、1年の健康と幸せを祈りましょうね。

                                                           

みなさんも、元気いっぱい豆をまいて、ぜひ良い春を呼んでくださいね。

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したのやムラのお月さま③

2013年09月20日 05時34分34秒 | したのやムラの物語

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昨夜は待ちに待った満月でした

しーたとのーやは、ちょっとおめかししてお月見です。

もちろん、うりとりょうも一緒です。

                                                             

「あっ、あそこにうさぎのぴょんがいるよ!」

「きらんも一緒にいるかなぁ・・・」

                                                              

2013年、東京。

月は大きくきれいでした。

あなたは、何を想って眺めたでしょうか。

                                                              

したのやムラは、

虫の声響き、

大切な人を想う

静かで、平和な秋の夜でした。

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したのやムラのお月さま②

2013年09月16日 08時01分01秒 | したのやムラの物語

各地で台風が猛威をふるっています。

くれぐれも注意していきましょう。

                                                            

さて「したのやムラ」は・・・・

                                                       

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昨夜も月がきれいでした。

「しーた」と「のーや」がお月見飾りをもってきたようですね・・・。

                                                          

****************

「あはは!みてよ、のーやの顔!、まっしろだ!

「うるさいなあ!あっ!あん!しーたがお団子たべようとするよ!」

「しーた!だめでしょ!それは、お月さまへのおそなえでしょ。なにしてんの!!」

のーやはあんに教わりながら、顔を粉だらけにしてドングリ団子を作っています。

もうすぐ、お月さまがまんまるになる夜がきます。

お月さまが、これからもずっと夜を明るく照らし続けてくれるように、

お供えをする季節がやってきました。

                                                              

「しーた、いたずらしてないで。

ほら、これ森からもらってきたから、土器にさしなさいよ」

もんが森からススキをとってきました。

「は~い!」

しーたは、使っていない土器をもってきました。

「しーた、こっちのにしなさいな。」

あんが、大切そうに別の土器をもってきました。

「これは「きらん」が作った土器よ。きらんは土器作りが上手だったの。

きらんの生まれたムラ「光る石のムラ」には

「したのやムラ」とは違う模様や形の土器があってね、

私たちは、よく2つのムラの流行りをまぜこぜにしては、

みんなとは違った土器をつくって自慢していたのよ。

きらんの土器はとっても丁寧できれいで、水漏れなんかぜんぜんしなかったわ」

                                                       

「きらん」はあんの親友で、しーたの本当のおかあさんです。

しーたが赤ちゃんの時に亡くなってしまったので、

しーたはほとんどきらんのことをおぼえていません。

「きらんはきれいな人だった?」

「ええ、かわいくて、優しくて・・。みんなきらんが大好きだったのよ。

きらんは、お月さまが大好きだった。

そうね・・・きらんはお月さまみたいな人だったわ。」

しーたはじっと渡された土器を眺めました。

                                                             

「さあ!お団子できたわよ!しーた、のーや、かざってらっしゃい!」

「は~い」!

「転ばないでね~!」

ススキの入った土器とドングリのお団子をもって駆けだす2人に

あんが声をかけました。

りょうと、うりも2人のあとを追いかけていきましたよ。

                                                             

お月見の夜まで、あと、もうすこし・・・。

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したのやムラのお月さま①

2013年09月15日 13時42分01秒 | したのやムラの物語

今年、西暦2003年の中秋の名月は9月19日。

一昨日9月13日のお月さまはちょっと太った半月。

きれいでしたね。

さて・・・ここからは5,000年前の縄文時代、したのやムラのお話です。

でも、ちょっとだけ、現代ミックス。

                                                       

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秋の「したのやムラ」は月がとってもきれいです。

草の中からは虫たちの合奏が聞こえます。

あれ、真夜中なのに足音が・・・・。

                                                        

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月の灯りに誘われて、

「うり」と「りょう」がお月見にやってきましたよ

山の上にほら、きれいねえ・・・。

                                                     

 ****************                                                     

それから1日たちました。

お月さまは、またちょっぴり太ったみたいです。

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あら?

昼間のうちに「しーた」と「のーや」がなにか運んできたようです。

なんの準備かな?

明日になったらわかるかな?

                                                             

それでは、また、明日・・・。

お楽しみにね!

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したのやムラの物語⑦「かめしーたの誕生日」

2011年08月29日 23時58分23秒 | したのやムラの物語

したのやムラの物語⑦ 「かめしーたの誕生日」

                                                               

朝から鳥が元気に鳴いています。

おっとめずらしい、かめしーた が自分の竪穴住居のまわりの草むしりをしていますよ。

お花は残してますね。きれい、きれい。

それから、湧水のところに行って、ていねいに手と顔を洗っています。えらい、えらい。

                                                               

さて、どこに行くのかな?

「おはよう!」

「ああ!かめしーた来たね。おはよう!」

しーた と のーや のおじいさん、長老まがのところでした。

かめしーた、おめでとう!」

しーた と のーや のおばあさん、たまもいます。

「まったく、そんなにおっちょこちょいなのに、よくケガ一つしないでいたもんだ」

おや、シャーマンのいせも来ていますよ。

なんでしょう。

                                                           

「さあ、こっちへおいで」

たまが かめしーた を呼びました。

そして、木箱からきれいな紐をとりだし、

かめしーた の髪をほどいて、自分のくしでとかし、その紐で結び直しました。

みとの編んだひもは本当に丈夫できれいだね。

本当はみとが結びたかったろうが・・・。

さあ、このみとの編んだひもが、お前をまた1年護ってくれるよ」

「ありがとう!たま

「さて、お次はこちらだ。おいで。」

いせが不思議なにおいのするくすりのついた棒で、かめしーた の顔に印をつけました。

「この、おっちょこちょいのあわてんぼうを1年間お守り下さい・・・むにゃむにゃ」

「ありがとう!いせ

「ふん・・・。さっ、長老に挨拶だよ」

                                                             

かめしーた は家の一番奥の座に座っている長老まがの前に行き、ひざまづいて

頭をたれました。

まが。森と川とムラのみんなのおかげで、1年間元気に暮らせました。」

「うん。りっぱに物語も語れたな。さあ、今年はどうする?」

「はい。今年は「きちんと」します。」

「「きちんと」?」

「はい。時間や約束をきちんと守って、きちんと家もきれいにして、きちんと物語も勉強して、きちんとやるべきことは早くやって、きちんと・・・」

「はははは、おまえがかい?」いせが笑います。

「うん!だってみとはいつも「きちんと」していたもの。」

「そうだね。かめしーた。でも、これは1年の大切な約束だよ。できるの?」

「うん・・・たぶん・・・」

「よし、わかったぞ、かめしーた。ならば、がんばるんだよ。さ、手を出しなさい。」

かめしーた は まがに手をだして、ぎゅっと目をつぶりました。

「いたっ」

ちくんとして、そっと目をあけると、手にいれずみが1本増えていました。

「さあ!また1年、したのやムラの一員としてがんばれる印も入った。

お誕生日おめでとう。かめしーた

「ありがとう!」

                                           

外にでて歩きだすとムラ人がみんなおめでとうを言ってくれます。

 しーた と のーや 家でお祝いです。

ぎんが昨日捕ってきた鹿のステーキにあんのご自慢の干し貝スープ。

デザートには、もんが作ったブルーベリーとラズベリーのジャム付きのドングリクッキーも!

しーた はオオカミの物まねを、ーや は新しいお話をプレゼント。

じょうかいは、石神井井川でおいしい魚をとってきて燻製をつくりました。

これから、おなかがすいた時いつでも食べられます。

木彫りが上手な ひーお がくれたきれいな木箱には

昨日、また旅に戻ってしまった とらん がくれた透明に輝く石が入っています。

                                                            

「みんなありがとう!すっごく美味しかったし、すっごく楽しかったよ!」

宴が終わり、家に帰る かめしーた のほっぺたをりょううりがなめました。

                                                  

降るような星空の下、草がきれいいなった家の前では、

かめしーた の友達のうさぎのぴょんとかめの のっそりー が待っていました。

「どうぞ!中に!」

少しだけかたづいた家の中、2匹を横に鹿皮のマットで眠りについた かめしーた には、

まだ最高のプレゼントが待っていました。

夢の中みとがやってきてくれたのです。

かめしーた、また1年元気でいるんだよ。私はいっつもおまえを見ているからね、

大丈夫だよ。」

                                                               

新しい1年が始まる、幸せな1日が終わろうとしています。

外では、すっかりうるさいぐらいになった虫の声が響いています。

ぐっすりおやすみ、そして「きちんと」した1年をね、かめしーた・・・。

                                                             

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