実は、もう一つ、ビックプロジェクトが進行中。
郷土資料室に足を運ばれたことのある方は
展示室4にある田無の歴史を描いたジオラマをご記憶のはず。
これは、50年以上前に、
田無市に公民館が開館した記念に、市民の手で作られたジオラマなのです。
田無市の時代から、合併し西東京市になった今でも飾られているこのジオラマ、
実は、長い年月の中で、その制作者などがわからなくなってしまっていました。
ところが、3年前のある日、たまたま郷土資料室の担当者を訪ねたAさんが
せっかくだからと展示室を見学中、大きな声をあげました。
「これは!僕らが昔作ったジオラマだ!」
なんとも奇跡的な再会劇でした。
このことは、新聞でも「50年ぶりの再会」として報じられました。
50年以上の歳月を経てきたジオラマは、いたみも目立ってきました。
しかし、このジオラマは、とてもわかりやすく田無の歴史を描いており、
また、その作製の経緯などもすばらしい、貴重な展示物です。
どうしても後世に残したい。
その気持ちに応えてくださった、かつての制作者の皆さんの手により、
今年、53年ぶりの修復が行われることとなりました。
現在、不定期ですが、展示室内で修復が行われています。
ジオラマはそういったことで、しばらくはキチンと見ていただくことはできませんが
同じ展示室の他の展示品は通常通り見ることができますので、
修復作業も見学可能です。
完成の暁には、お色直しをしたジオラマのお披露目とともに、
制作者の苦労話を聞けるような会が開けたらいいなあ、と思案中。
制作者のNさん、Iさん、Aさん(左から)
制作当時は、みなさん10代・20代!
めったに見ることができない(次はあと50年後?)ジオラマ修復の現場、
見てみたくはありませんか?
西東京市郷土資料室第4展示室で、不定期に作業中です。
西東京市郷土資料室は、
水曜日から日曜日の10時~5時開室。(月・火は閉室)。
事務所の電話番号は、042-467-1183です。
場所などの詳細は、西東京市HPをご覧ください。
そうなんです。これ自体が素晴らしい文化財なんです。思い込められて作られたモノが、長い年月を経て、また新たな価値を持つ。
今回の修復で、また、さらに新たな歴史が加わります。
完成後のお披露目の仕方を始め、これからじっくり考えたいと思います。ぜひ、修復過程もご覧になりながら、楽しみにお待ちください。