先日の新聞によると 英国では中皮腫による死者は年間2500人
を超えているそうです。
日本でも2015年に年間1500人越えとなり その後も増え続けて
いるようです。
中皮腫はがんの一種で発症原因は石綿(アスベスト)の粉じんが原因
と考えられています。
英国では日本より早くから石綿を使ったため中皮腫の発症も日本より
早く始まり 対策も進んでいます。
現在 日英とも石綿を新たに使用することは禁止されていますが 建物
によっては建材の中に石綿が大量に残っています。
こうした建物を改築や解体する時は 慎重に石綿を除去する必要がある
ため 英国では除去業者の免許制度が確立されています。
日本では残念ながらそのような仕組みがなく 安さ第一で請け負う業者
がより多く残る傾向になっています。
改正大気汚染防止法で業者への規制を強化したが まだ仕組みが不十分
で抜け道があるようです。
東京五輪に向けて解体工事が増えています。
築年数が古く 鉄骨で規模の小さい複合商業施設等の石綿を多く使って
いる建物は特に注意が必要です。
大きな建物の解体工事は人目をひくので 比較的良心的に作業が進め
られますが 小規模な建物は発注者も請負業者もお金をかけたくない
ので対策が不十分なことが多いようです。
石綿は吸い込んでも直ちに症状は出てきません。
潜伏期間が数十年と長く 発症しても原因を立証するのはかなり困難です。
石綿が飛び散りそうな建物解体現場に近づかないことをお勧めします。