平成16年東京国立近代美術館で、松田権六展が開催されました。私は、絶対見たいと思い、いざ東京に出向いたしだいです。 夜行バスで行きました。
複雑な地下鉄に乗り継いで、下車した駅からどういったらいいのか。皇居のお堀沿いの紀ノ国坂を歩いてまっすぐいけばいいのに、反対方向に歩いていってしまい、相当の時間をロスしたのを覚えています。
やっとの思いでレンガ造りの明治の風貌が漂う東京国立近代美術館に着きました。
時間も閉館まで1時間ほどしかなく、あわてて見なければならない羽目になりました。
お目当ては、「蓬莱の棚」でした。 ガラスケースに収められていた蓬莱の棚の前に立ったとき、涙が溢れてきたのを思い出します。鎮魂の棚と私は理解していました。
戦争の最中に作り上げたこの棚には、ご自分の教え子や関係者が戦場に行って命を落とされたのを偲び、その歴史が刻まれているのです。
「蓬莱の棚」、鶴が群れいて いかにもその鶴の声が天にとどろくかのように描かれていました。
来て良かった・・・。 松田権六の魂に出会ったひと時でした。
「人に学ぶ 物に学ぶ 自然に学ぶ 」(順序が違うかもしれません)
これが、松田権六の座右の銘です。
蓬莱の棚
http://www.marumata-japan.com/pichosainotana.htm