手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

終わるにあたり

2011-11-29 14:53:19 | Weblog
この度の展示会を終わるにあたり、ご支援ご協力いただいた関係者の方々に深く
感謝し御礼申し上げます。

大変意義深い有意義な展示会であったと思います。

ひとりの漆芸家の作品展というよりも、因幡の漆器の歴史を明らかした展示会だったのではないでしょうか。

また、点から面、そして立体的に展開できるきっかけになりました。

具体的に言いますと、藩政時代の漆産業はどうだったのか、その後明治・大正・昭和までどのように変遷していったのか。

地域を見ると、若桜 佐治 青谷の漆器や漆が大きな経済の柱になっていました。

戦後の実状。そして現在にいたるまでの実状。 将来はどうなるのでしょうか?

因幡の漆器のレベルの高さに感心しました。それを支えた漆工芸家も見事な腕前でした。そして、安易な時代になっても、職人魂は消えることがありませんでした。

因幡の職人魂を、作品ひとうひとつから感じさせてもらいました。


期間中、たくさんの方々にお越しいただき、多くの感動の言葉もいただき誠に有り難う
ございました。

これからも、微力ですが因幡の漆器を追い続けて行きたいと思っています。

皆様のご支援ご指導よろしくお願い申し上げます。


    有り難うございました。


芸は腕を磨くもの

2011-11-25 07:48:07 | Weblog
木村宗春 平井照堂 田中稲月 いづれも名前が良い。

昔の人は、名前にも凝ったところがある。

木村宗春 田中稲月の作品の裏には、必ず”花押”というサインが入っている。

武田信玄 上杉謙信も豊臣秀吉も、書状の最後には”花押”が入っている。

なかなか粋なことだ。

七世木村宗春は、漆のほかにも芸を数々持っていた。

華道 茶道 謡 などにも通じていたようだ。

出来る人は何でもできるという。

磨くとは、かじって終わるものではない。

とことん食ってみて、その味を身に沁みこませないと磨くことにはならない。

因幡の漆匠は、そんなものを感じざるを得ない。

まさに供養展

2011-11-23 04:27:04 | Weblog
今開催している「鳥取の漆工芸家 作品展」は、多くの感動を呼んでいます。

長い間蔵の中に眠っていた漆器が、時を経てようやく舞台に帰って来ました。

百年前の漆器が、その輝きを失わずむしろ漆の奥深い落ち着いた光沢は見事です。

明治大正昭和の漆職人の匠の技は、百年経っても見るものに感動を与えています。

長い間交流がなかった親族の方々が遠方から駆けつけ、昔話に花が咲きました。

法事のようでした。

一途に美と用途を追い続けた因幡の漆職人。

そこには、職人の域を超えた芸術家の姿がありました。

木村宗春 泰之佑兄弟 平井照堂  田中稲月 漆匠の世界の扉が開かれた!!



ご遺族の方々のご協力で、たくさんの作品が集まりました。

もうこうした催しを開催することは困難と思います。

この展示会は、商売ではありません。すべて非売品です。入場も無料です。

消えていく名工。そして作品。

是非この機会に、因幡の誇りをご覧下さい。

          あと4日です。


         11月26日まで

        時間 9:30~18:00

        場所 會州堂
           鳥取市川端2丁目211
           智頭街道

       駐車場は最寄のをご利用下さい





格調ある鳥取漆器

2011-11-19 10:23:27 | Weblog
昨日から「鳥取の漆芸家 作品展」が始まりました。


 会場の様子


塗師 木村宗春 塗師 木村泰之佑  塗師 平井照堂  蒔絵師 田中稲月

どれも全て名品です。

木村亀蔵(六代木村宗春)製造の、会席膳と会席椀は、80年経っていても輝きは
変わっていません。むしろ、漆の色艶が優っています。

当時の職人の心意気とおしゃれな感覚を感じます。


  木村泰之佑の 額 花瓶 昭和30年代の作品


 蒔絵師 田中稲月の見事な棗は、まさに逸品です。


六代木村宗春(亀蔵)作 会席膳 御椀


 一期一会

 もうこのような作品が集まることはないと思います。

 鳥取漆器の格調の高さをご鑑賞下さい。

           11月26日まで

    場所 會州堂  智頭街道  TEL 0857-23-3917

    時間 9:30~18:00

       無料です

  駐車場  最寄の駐車場をご利用下さい





11月18日より 鳥取の漆芸家の作品展開催!!

2011-11-14 13:05:15 | Weblog
長い間この日の来るのを待っていました。

鳥取の漆器の普及に精力を注いできました。

これまでの経過です。

2000年に木地師 茗荷定治氏 蒔絵師 田中稲月氏の二人展を、合銀ギャラリーで開催。
600名の来場者がある。漆器に関する関心度の高さを知った。

2006年 6月 漆塗り展示会 蒔絵師 田中稲月の世界 亀田正一記念館

2006年 6月 輪島漆器展 會州堂

2008年 3月 蒔絵師 田中稲月遺作展 會州堂
       平井鳥取県知事ご来場

2008年 4月 鳥取漆器の新時代作品展 合銀ギャラリー 蒔絵師 田中稲月の遺作展

2008年 10月 工芸展 蒔絵師 田中稲月遺作展 他全国の漆器展 亀田正一記念館

2011年 1月 漆教室生徒作品展  智頭 石谷住宅にて

2011年 7月 漆教室生徒作品展  會州堂

2011年 10月 鳥取市民美術展 第50回記念展 筆者初出展 初入選(蒔絵部門)

鳥取の漆器の普及運動は、構想を加えると約15年くらいになると思います。

鳥取の漆芸は、現在も目立たないままの存在です。

どちらかというと、民芸運動の方面から陶芸が注目を浴びています。

漆芸は、高度な技術と感性を必要とする仕事です。

木地の選び、塗りの技術、蒔絵の技術は一朝一夕では習得することは出来ません。

完成度の高い漆器。

漆器の産地は、いづれも高い地域文化を持ち合わせた地域です。

無論歴史的に見ると、貴族、武家、商人などの保護によってこの高度な技術は維持されてきました。

鳥取も、鳥取藩の庇護の下漆器は作られてきました。

この度展示される木村宗春は、江戸時代初期から漆器業を営んできました。初代木村宗春から数えて七代まで続きましたが、時世の流れで昭和中期までで廃業しました。

昭和の初期、木村兄弟は数々の展示会に出展、入選等受賞しています。

この度、ご子孫の方の協力で貴重な作品の品々を展示いたします。


また、鳥取県無形文化財保持者 蒔絵師 故田中稲月の作品も展示致します。

塗師 木村宗春 塗師 木村泰之佑 塗師 平井照堂 蒔絵師 田中稲月

錚々たる匠の作品をどうぞ鑑賞下さい。

もうこれだけの作品を一同に会する機会はないと思います。


   時 11月18日(金)~ 26日(土)
      午前9時30分 ~ 午後6時まで

   場所 會州堂 かいしゅうどう  鳥取市川端2丁目211

        TEL0857-23-3917

   駐車場 最寄の駐車場をご利用下さい

       本通パーキング 片原駐車場 商工会議所駐車場




 












漆塗り入門編

2011-11-12 07:26:16 | Weblog
漆は、英語でJAPANといいます。

何気なく使っているJAPANという英語は、実はうるしという意味なのです。

日本の漆は歴史が古く、縄文時代に遡ります。

青森県三内丸山遺跡{縄文時代前期から中期(前5500年~4000年)}から、漆塗りの器や櫛が出土しています。

縄文人は、かなり高い技術を持っており、分業ができる組織があったようです。

漆は、中国から伝わってきたという説がありますが、こうしてみると日本起源説や同時発生説の可能性もあるようです。(室瀬和美 漆芸家 人間国宝)

漆は、漆の木から出る樹液です。これを、精製して塗料にしていきます。

木から採取した漆のままでは、接着剤として使用されますが、色漆としては使えません。

漆掻きは、6月から始まり9月いっぱいまで行なわれます。

鳥取では、佐治漆が有名でした。

本物の漆は、絶対かぶれます。しかし、かぶれて免疫が体の中にできれば、かぶれなくなります。

最近かぶれない漆というものが売っていますが、それは本当の漆ではありません。

漆はかぶれるものなのです。(成分がそうなっている)

漆器も、完全に乾いたものはかぶれることはありません。

乾きが中途半端で生乾きの場合のみかぶれます。

塗り重ねられた漆の光沢は、最高です。この光沢に勝れるものはありません。

漆器は、日本人の心のふるさとと思っています。

今の日本人は、プラスチックの器や代用の器で、箸もプラスチックや割り箸で代用しています。

ウレタンなどで表面塗料を施した器は、きれいですが味わいはありません。

丁寧に作り上げられた、漆の箸や器で毎日食事をする。大事に育てられて作られたお米で、ご飯を感謝していただく。

そのなかで、日本人の優しい心が育つような気がします。

ざわざわした世の中は、大事なひと時を無視しているかのように思います。


                       つづく










鳥取の漆工芸家と作品展

2011-11-11 09:07:55 | Weblog
鳥取城下には、多くの職人がいました。

職人町 庖丁人町 大工町 鍛治町 元魚町 鹿野街道 智頭街道 若桜街道

このようにその名残りが現存しています。

しかし、消えゆく職人。

消えた職人技。 時代の流れで、知らなかった!!という歴史があります。

漆については典型的ではないでしょうか?

この度、江戸時代から300年にわたり漆器業を営んできた木村家のご子孫の協力を得て、
知られざる鳥取漆器を展示いたします。

七代 塗師 木村宗春 塗師木村泰之佑 兄弟の作品。 そして、塗師 平井照堂。

そして、私の師匠 蒔絵師 田中稲月(二代)(鳥取県無形文化財保持者 伝統工芸士)

このような企画がなされたのは、出会いでした。

木村さんとの出会いが、大きくこれを実現することが出来るきっかけとなりました。


一期一会

もうこうした企画はないかもしれません。

鳥取の歴史の一端を知る チャンスかもしれません。

 是非ご高覧下さい。


   時 11月18日(金) ~ 26日(土)まで
       午前9時30分~午後6時まで

   場所 會州堂 かいしゅうどう

      鳥取市川端2丁目211 TEL 0857-23-3917
       智頭街道商店街

   駐車場について
     最寄の駐車場をご利用下さい。 本町パーキング 片原駐車場
                    鳥取商工会議所駐車場など











漆器のお手入れ

2011-11-09 07:56:00 | Weblog
最近漆器のお手入れはどうしたらいいんでしょうか?

という質問が増えてきた。

先代が残した漆器を、使うと壊したり傷つけたりしたら怖いと言う理由で、使わないで
蔵の中にそのままにしているケースです。

20年ぶりに取り出してみたら、カビだらけ おまけに漆が剥がれていた・・そんな経験はありませんか?

まず、漆器の取り扱いについてですが、

① 普通の器だと思って使うこと
  後始末も、普通に洗剤で洗い、ふきんでふき取って大丈夫です。
  その後は、陰干しして乾いたふきんで拭き取りましょう。

  和紙のある方は和紙に包み、備え付けの箱に入れる。無い方は、そのまま水屋に入れ  ておく。

 注意すべきこと
  ① 洗浄器や乾燥機に絶対かけないこと。手洗い 手拭が基本です。
  ② 電子レンジには入れない事。電子レンジ対応の漆器もあります。

  ③ 夏場に乾燥 高温になるような場所には保管しないこと
    パリパリになって、漆が剥がれる原因になります。

  ④ 太陽の当たるところには置かないこと。紫外線で漆が劣化します。

② 管理
  ①でも言いましたが、夏場に乾燥高温になる場所には絶対保管しないこと

  ②あんまり湿気のある場所も不適切
  ③押入れのような、適温適湿のところが良いでしょう

  ④一年に最低1回は使ってあげることが必要です

 《間違った知識》

 ① 洗うのが怖い 普通の洗剤で洗って悪いんじゃないか??
               
          ↓

 とんでもない!! 普通の洗剤でOKです。柔らかいスポンジでも充分です。
 拭く時も、木綿のふきんでOKです。普通に考えてください。

 ②熱いものを入れたら剥げ落ちるんじゃないか?

           ↓

  とんでもない!! お汁椀は、熱々の汁を入れてるじゃないですか!!
  漆は、熱に強く 冷たいのにも強い!!最強の塗料なんです!!


 ③後始末が大変。傷つけないように絹で拭いて箱にしまって管理しないといけ
  ないので使えない!!

           ↓

   とんでもない!! どんなものでも、使ったら傷が付いたり色が変わったり
   するのは当然のこと!! 漆はそんな簡単に、傷ついたり色あせたりしませ
   ん。

   いわゆる消耗品と考えた方が良いでしょう。永遠なるモノはこの世には存在
   しません。

   輪島の例)漆の食器を、普通の食器を洗うようにして洗ってしまっています。
        洗剤をつけ、スポンジで優しく洗って、水洗いして終わり。

          使えば使うほど味が出てきてすばらしくなります。

          宝の持ち腐れになりませんように・・・。


   漆器を、眠らせておくのではなく、季節の料理を添えて 食欲の秋を
   楽しんでみませんか?



  ※ もっと詳しく知りたい方は ご相談下さい

       漆器を楽しもう!! 漆器のことなら會州堂(かいしゅうどう)

          TEL   0857-23-3917

          Email kbtwings@sa5.gyao.ne.jp         

    
       會州堂 謹製 汁椀と箸

 
 











冷え込む経済と元気のない鳥取経済

2011-11-07 07:45:16 | Weblog
円高が止まらない。

輸出を主とした企業は、我慢しきれない。

毎日ユーロ圏内の金融危機の報道がなされている。

タイバンコクの洪水で、日系企業は大打撃を被った。

中国も、バブルがはじけたら世界金融危機に陥るのは必死だ。

TPP(環太平洋経済連携協定)に参加するのか否か。

鳥取市の大企業 サンヨーも、危機的状況だ。

鳥取の街は、日曜日でも商店街は閑散。買い物客も歩いていない・。

鳥取市は、65歳以上の人口が全体の人口の30%になっている。

あと5年もたてば、筆者もこのグループに入っていく。

働き場のない鳥取。学校を出来ても、地元にとどまる学生が少ない。

負スパイラルにはまり込んでいる鳥取から脱出する対策を真剣に考え実行していかねばならない。

ある税理士事務所の方が、「鳥取市の80%が赤字ですよ。20%しか儲かっていないんですよ」と笑って言っていた。

ぞっとする話である。どうやって経営しているんだろう・?

そんな中、鳥取市は市庁舎新築移転問題で紛糾している。

市庁舎の移転にかかる費用は、極力小さく、我慢すべき時は我慢する考えを持たねばならない。

一時的な交付金に頼った経済政策が、本当の鳥取の経済活性化につながるはずがない。

多額の借金を、少子高齢化が加速する鳥取で、若い世代に残してはならない。


今必要なのは、日本が危機の状態にあるとき、地方自治体としてどのように対処していくかの理念とその思いを残していくことである。

自分さえ良ければ良いという考えが、戦後の日本人の精神をだめにしてしまったことを反省しなければならない。

ちなみに、市長61歳 市議会議員平均年齢60歳を超えているのではないだろうか。

5年後はほとんどの方々が、定年退職している年齢だ。

無責任な判断をしてはならない。

先日郡山市長が来鳥され、「被災した市役所は修理をして使います。30~40年は持つでしょう」とおっしゃっていた。

郡山市は。人口約37万人。福島県の商工業の中心都市である。その規模は、鳥取市の
何倍にも匹敵する大都市である。

その郡山市は、被災してやらなければならないこと山ほどあり、市庁舎は極力最小経費で
我慢すると言っているのだ。

鳥取市の抱える慢性的な不景気。改善されない雇用の問題。流出する若い力そして頭脳。
加速する少子高齢化。

こっちに、全神経を注ぎ解決に向けて努力して欲しい。

このままでは、もっと速いスピードで鳥取市の活力の火は消えてしまう。






























冷え込む経済

2011-11-07 07:45:16 | Weblog
円高が止まらない。

輸出を主とした企業は、我慢しきれない。

毎日ユーロ圏内の金融危機の報道がなされている。

タイバンコクの洪水で、日系企業は大打撃を被った。

中国も、バブルがはじけたら世界金融危機に陥るのは必死だ。

TPP(環太平洋経済連携協定)に参加するのか否か。

鳥取市の大企業 サンヨーも、危機的状況だ。

鳥取の街は、日曜日でも商店街は閑散。買い物客も歩いていない・。

鳥取市は、65歳以上の人口が全体の人口の30%になっている。

あと5年もたてば、筆者もこのグループに入っていく。

働き場のない鳥取。学校を出来ても、地元にとどまる学生が少ない。

負スパイラルにはまり込んでいる鳥取から脱出する対策を真剣に考え実行していかねばならない。

市庁舎の移転にかかる費用は、極力小さく、我慢すべき時は我慢する考えを持たねばならない。

一時的な、交付金たよりの経済復興なんて鳥取に経済の活性化につながるはずがない。

多額の借金を、少子高齢化が加速する鳥取で、若い世代に残してはならない。


今必要なのは、日本が危機の状態にあるとき、地方自治体としてどのように対処していくかの理念と思いである。

自分さえ良ければ良いという考えが、戦後の日本人の精神をだめにしてしまったことを反省しなければならない。

ちなみに、市長61歳 市議会議員平均年齢60歳を超えているのではないだろうか。

5年後はほとんどの方々が、定年退職している年齢だ。

先日郡山市長が来鳥され、「被災した市役所は修理をして使います。30~40年葉持つでしょう」とおっしゃっていた。

郡山市は。人口約37万人。福島県の商工業に中心都市である。その規模は、鳥取市の
何倍にも匹敵する大都市である。

その郡山市は、被災してやらなければならないこと山ほどあり、市庁舎は極力最小経費で
我慢すると言っているのだ。

鳥取市の抱える慢性的な不景気。改善されない雇用の問題。流出する若い力そして頭脳。
加速する少子高齢化。

こっちに、全神経を注ぎ解決に向けて努力して欲しい。

このままでは、もっと速いスピードで鳥取市の活力の火は消えてしまう。