手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

福島を想う

2011-09-30 09:17:45 | Weblog
昨日 福島県いわき市出身の方が来られた。

一昨日は、やはりいわき市出身で鳥取に嫁に来られた方がこられた。

乳飲み子を抱えていた。

お二人とも実家は、地震と津波で大きな被害を被った。

幸い実家は、津波にはやられなかったので安心したという。

生々しい被害の状況を聞くと、ほんとに切なくなってしまう。


  いわき市 豊間 6月4日 撮影 


   いわき市 久ノ浜 6月4日撮影


一人の方は今日から、震災後初めて帰省するというが、親御さんは心配で来ないでも良いと言っているようだ。心配かけてるので心が痛いのだろう。

福島弁で互いに励ましあった。

福島県は広い。人口も200万人(震災前)以上いた。しかし今はその数を大幅に減らしているという。

東京電力福島第一原子力発電所から、いわき市は30Km~60Kmの範囲である。

郡山市や福島市は60Km圏内。会津若松市は100km圏内。

http://www.imart.co.jp/fukushima-genpatu-houshasen-eikyou.html

この図を見ると、宮城県 山形県 栃木県 茨城県 群馬県 埼玉県に及んでいる。

米も水も野菜も全て子育てに一番安全が必要とするもの。

しかし、県内には危険と恐怖が実在している。

乳飲み子を抱えたその奥さんは、友人が親戚が地元にたくさんいてかわいそうだと言っていた。

郡山の小学校では、3時間ルール 1時間ルールがあって、外で遊んだりスポーツしたりする時間を制限しているという。

児童は、相当のストレスが溜まっているようだ。 美味しいい空気を胸いっぱい吸いたい。 思いっきり外で遊びたい・。

PTAの保護者の方々が、ランニング姿で校舎の壁にホースで水をかけ、除染していたと訪問した校長先生が言っていた。 ランニング姿にはびっくりしたと・・。

ふるさと福島は、原発事故のお陰で世界中から大変な風評を買っている。

200万人の県民は、それでも耐え忍び頑張って生きている。

ここ鳥取から、安全な水や食料をどんどん送ってやりたい。

どうぞ、この震災で福島から移住されてきた方々おられれば、一方連絡下さい。

いろいろなお話をしましょう・。もっと援助が出来るかもしれません・・。

  
   お問い合わせは 鳥取郡山友の会 事務局 0857-23-3917 まで










つるべ落とし

2011-09-28 07:17:37 | Weblog
秋の日は「つるべ落としと」は釣瓶が井戸にストンと落ちていくように、あっという間に日が沈むことの形容で使われる。秋の日の入りの速さをとてもうまくに言い表している。

秋分の日以降、日の入りが急に早くなった気がする。

まさにつるべ落とし

6時には薄暗くなっている。

田んぼ稲は刈り取られ、コスモスの花が秋の空に向かって咲いている。

大雪から始まり、大地震、猛暑、そして台風。 無常に過ぎ去っていく一年。

光陰矢のごとし


秋刀魚食う 大根おろしの ほろにがさ (岩男)

さんま さんま さんまにがいか しょっぱいか (佐藤春夫)

秋深き 隣は何を する人ぞ (松尾芭蕉)

草山に 馬放ちけり 秋の空  (夏目漱石)

こんなよい月を ひとりで見て 寝る (尾崎放哉)

一期一会

いろんな言葉や句が 浮かんでくる

秋は 静かに ひとり思いにふけりたいものだ

秋の一日一日を 大事に過ごしたい


県展開催中

2011-09-25 09:29:40 | Weblog
第55回鳥取県美術展覧会が、鳥取県立博物館で開催されている。

昨日、展覧会を見学に行ってきた。

小春日和の穏やかな日だったので、久松山も仁風閣もすばらしく見えた。

展示品は、毎年味があって良かった。

工芸品が少ないのにはちょっとがっかり・・。

相変わらず 陶芸品は多い。

漆芸に関しては、たった一点だった。 悲しいなあ・・。


工芸分野の県知事賞は、竹工芸の斎江仁美さんだった。



今年は出しそびれたので、来年また挑戦したいと思った。


 9月23日(日)~ 10月2日(日)まで

    鳥取県立博物館

   駐車場は 武道館の前 県展見学の方は無料です。

   80台ほど入る駐車場が出来ました。初めて入るりましたが快適でした。

相次ぐ風評被害

2011-09-24 11:10:57 | Weblog
1945年8月6日 広島に原爆が落とされた。

20万人以上の市民が犠牲になった。 国家が起した戦争の犠牲は計り知れない。

被爆をした罪の無い広島市民は、その後原爆の差別を受けた。国家の保護や国民全体の受け入れが無いが為、個人が全部背負うことになった。

中沢啓治作の「はだしのゲン」は、作者の原爆体験を漫画にしたものである。

この本は単行本や文庫本になり、発行部数も1000万部を超えている。

これを紙芝居にして、毎年県内はもとよりあちこちで子供たち向けに公演している方がいる。 小学校やイベントなどで公演している。

私もその紙芝居を何度か見た。ほんとに切ない内容だった。

忘れてはならない戦争、そして原爆や水爆の恐ろしさ。

今東京電力福島第一原子力発電所が巨大地震による津波の被害を受け、安全を言い続けて来た原子力発電所が、余りにもろく無残にも爆発を引き起こし、その後の政府の対応の杜撰さによって、福島県の全体が被爆地としての深刻な風評を被っている。

京都の大文字焼きに使用する薪が岩手県のものであることに、市民が反対し中止になった。

これがどれほど被災地の人たちを傷つけるものになったかは記憶に新しい。

今度は、愛知県日進市の花火大会に、福島県川又町の花火業者の花火を使う予定だった。

心無い少数の市民の声に、市長は中止を決定したという。

またか!!と思った。 「放射能が拡散する」「怖い」というものだったらしい。


検査もしたわけでもない。 感情だけで簡単に中止をしてしまう。

呆れてしまう。 準備周到に企画していると思っていた。

市長は、また頭を下げた。


被災地を応援するためのイベントが、風評の拡散に繋がっているとすれば社会問題だ。


はだしのゲンの中で、ゲンがいじめられる場面がある。

涙が出てしまった。


言葉では、頑張れ 応援しています。といってても、人の心の本音は昔も今も変わっていないことを嘆いてしまう。


明日はわが身・・。


この震災を、他人事と思っていては絶対にいけない。












お彼岸

2011-09-23 13:08:11 | Weblog
秋晴れの良い天気になった。

台風が去って、全国穏やかなお彼岸の一日になった。

ご先祖様のお墓にお花を手向けて手を合わす。

大事な日本人の仏教の風習である。

ふだん幸せに生活できるのも、ご先祖さまのお陰という感謝の気持ちは大切なことだ。



野田首相が、アメリカ大統領と首脳会談にアメリカに行っている。

奥様も一緒だ。


いろいろな宿題が出されて不安なことは当然あるのだが、不思議なことにニュースを見ていても私の心が安定している。


菅前首相の時は、毎日毎日のニュースが気分悪かった。顔も見るのも辛かった。

なぜだろう?と思った。


菅さんは、日本の歴史(歴代の首相)の上に立っていなかった気がする。


いままで日本が積み上げてきた土台を、独壇場で崩すようなことばかりしてきたように思う。

上から怒鳴ってみたり、閣僚の相談も無く突然政策を言ってみたり。首相個人の意見ですから・・・と幾度取り下げられたか・・。

信用無き者が、日本の総理であった不幸・。

先人の苦労の基盤を権力で無理やりに変えようとしていた。


結局、民主党の身内からも終いには見放されてしまった。


野田さんは、その辺バリアフリーの考えで党をまとめ、外交にも日本の歴史を踏まえた
対応をしていこうとしている。

お彼岸を向かえ、ご先祖さま手を合わせ、日本の幸せを祈らざるを得ない時。

野田さんには、しっかりさ迷うニッポンを立て直して欲しいものだ。

次から次に襲ってくる災害。 もう勘弁してよ・・と手を合せたくなる。


菅さんには、頭を丸めてお好きなお遍路巡礼の旅を是非ともお勧めしたい。









敬老の日

2011-09-19 18:19:54 | Weblog
秋雨の降る敬老の日になった。

暑い日が続いたので、丁度良い気温・・。

わが町内会は、敬老の日を町内のある食堂で行なった。

20名ほどの集まりだったが、久々ぶりにお会いする面々。

皆さんお元気で何より・・・。


レセプションは、マジックショー・・。 もちろんプロのマジシャン。

間近で見るのは初めて・・。

軽快な音楽に合せて 次から次に飛び出すマジック。♪

おしゃべりも面白い・・。


マジックだからネタがある。が、ぜんぜんわからない。

笑いと興奮のあっという間の30分だった。


みんなの顔が 明るくなって 良い顔になっていた・・。

それから 宴会がまた盛り上がった。


笑いは長寿の秘訣・・。 わっはっはっはっ・・。

今日の敬老会に参加された方々は、10歳長生きが約束されたようだ・・。


2011-09-17 07:46:35 | Weblog
暑さ寒さも彼岸までというが、ここ数日秋とはいえ、会う人毎に「暑いですな~」と挨拶していた。

昨晩から雨になり、少し涼しくなった。

大地を潤す程度の雨で結構なのだが、地球温暖化のせいかゲリラ豪雨のような大雨が降ることが増えた。

鉄砲水や土砂崩れなどで、大きな被害と犠牲が頻繁に出るようになった。


秋は季節の変わり目、昔からいろいろな言葉で表現されてる。

秋の季語を気になったので調べてみた。


秋風 色なき風 盆東風(ぼんごち) 初嵐 野分(のわき)台風 やまじ
 
鮭颪(さけおろし) 黍嵐(きびあらし) 青北風(あをきた) 雁渡し(かりわたし)

高西風(たかにし)  富士の初雪 秋の声 秋曇(あきぐもり)秋の雨 

御山洗(みやまあらい) 秋湿り(あきしめり) 秋時雨 秋の雷 稲妻 秋の虹

霧 露 露時雨 露寒 露霜 不知火(しらぬい)


秋はこれから 冬に向かって姿を変えていく。

自然の変化に 季節の移りを楽しみたいものだ・・。

全市議アンケート結果

2011-09-15 06:16:10 | Weblog
名月の余韻に浸っていたが、今朝の新聞を見て驚いた。(9/15読売新聞 朝刊)

鳥取市役所移転問題で、騒然としている鳥取市。

5万人以上の署名は、市議会に相当重くのしかかっているようだ。


市民の会が市議会議員36名全員に行なったアンケートの結果、14人が市長計画に反対ということがわかった。

市長の計画案は、JR鳥取駅周辺に移転新築という基本計画、そして同鳥取駅南旧市立病院跡地を建設予定地としている。

これは、建設地の正式決定に必要な「位置条例」が提案された場合、可決に必要な2/3
(24人)を下回り否決になる状況が鮮明になった。(読売新聞 抜粋)


アンケートの内容は、①条例案への賛否 ②基本方針の賛否 ③市長の計画の進め方を容認するか というもの。

結果 ①賛成 13 反対22 無回答1 ②賛成18 反対14 無回答4 ③容認する14
容認できない14 無回答6 その他1

  
市民の会会長吉田幹男氏は、「与党議員の一部も、位置条例は反対に回ると確信した。
早期の提案を求めていく」とした。(以上読売新聞抜粋)


ここで面白いのが、③の無回答に公明党の3 ④の無回答 その他に公明党の5がある。

公明党は、流れの様子を見ているようだ。得意の風見鶏戦法だ。


市民を敵に回しては、次回の選挙に不利と読んでいる議員も出ているようだ。


跡地アンケートの実施も、おかしな話だ。 調査費に365万かかるようだ。この予算は
賛成多数で議会で決定している。

市民の税金を使って帳尻合せのアンケート調査をするという理不尽さ。

跡地の利用計画もなされないままに、新築移転を遂行してきた鳥取市と鳥取市議会。

それを今になって、税金でアンケート調査するとは前代未聞。


こうしてみると、この計画がいかに杜撰で、一部の人の思惑の中で推進してきたことが
伺われる。

尚、位置条例の提案は、2013年度新市庁舎着工前らしい。

位置条例も決定されないまま、建設は進められていくことになる。

市長は、民主主義を自らの手で汚し、独裁的な政治手法が許されるはずが無い。


市民オンブズマンもこの問題に真剣に取り組んでみるべきではないか?

いろいろな埃が出てくるかもしれない。

いまこそ、鳥取市民の正義を歴史に残すべき時だ。










 

中秋の名月

2011-09-14 07:48:48 | Weblog
9月12日は、中秋の名月。その名のごとく名月だった。

6年ぶり全国でこの名月を鑑賞することが出来たそうだ。

私も、智頭橋の上からこの名月を堪能させてもらった。

川面にゆらゆらと映る名月。



岩手県大槌町の名月の写真がインターネットに載っていた。

瓦礫の上に鮮やかに輝く名月。

被災地の方々も、この名月に心癒されたのではないだろうか。


先週は、台風で多くの方々が犠牲になった。

自然が猛威を振るい、大洪水を引きお越し全てを剥ぎ取っていった。

一転して、その後猛暑が続いている。



昨日は、十六夜(いざよい)。名月の輝きは、昨日も楽しませてくれた。


 
 名月や 鈴虫の声 柳端

 名月や 川面に映る 影悲し

 名月や 瓦礫の街を つつむかな 

 十六夜や  瓦礫の山に かかりけり

教育

2011-09-11 07:46:20 | Weblog
天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造ラズト云ヘリ

サレドモ今広クコノ人間世界ヲ見渡スニ、カシコキ人アリ、オロカナル人アリ、貧シキモアリ、富メルモアリ、貴人モアリ、下人モアリテ、ソノ有様雲ト泥トノ相違アルニ似タルハ何ゾヤ

有名な福沢諭吉の学問のススメの一節である。1872(明治5年)~1876(明治9年)17編
出版された。

つまり

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている__人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ

私も学生時代 教育者になることを思ったことがあった。しかし、教育というのがあまりに難しいことを知り方向を変えたことを思い出した。

人に教えることには責任がある。先生の一言がその人間の一生を決めてしまうことにもなる。

福沢諭吉は 「世の中で一番惨めなことは 人間として教養が無いことです・・」と
心訓の中でそう説いている。

ここ数年、日本が危ないことを日々実感するのはなぜだろう・。

自分勝手な思想を撒き散らし、とんでもない方向にひっぱていこうとする人がやたら多い気がする。

教育の根本は、教養を身に付けさせることだと思う。

教養を身につけた人間は、世の中でもきちんと生きてけるはずだ。

学校は、教養を身につけるところだとある小学校の校長先生から教えてもらった。

塾と学校は違うとおっしゃっていた。

しかし、塾に通わない者は 高校受験が厳しいという現実がある。

私たちの学生時代はほとんどが学校で必死に勉強した。

なぜ今 塾通いが当たり前になってしまったのだろう。

教養と受験勉強の両立こそ、教育の目指すところだろう。


100年以上前に書かれた福沢諭吉先生の学問のススメを思い出した。


教養を基本にした学校教育の重要さを、今だからもっともっと考えるべきだと思う。


学校教育に始まって、社会教育を受け 人生は終末を迎える。


その時に、胸を張って 堂々と生きてきた証を残したいものである。