手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

トリプロ

2009-02-07 15:17:01 | Weblog
先月トットリプロダクトが設立されましたが、どのような動きになるのか気になるところでした。 鳥取民芸運動で、鳥取から多くの民芸が全国に発信され、鳥取は
民芸のふるさととまでいわれた時代もありました。 

家具や木地、和紙 陶器・・漆器もありました。吉田璋也は鳥取の漆器にも深い関心を示されたわけです。


漆を塗る、うるし・・・。今は、漆というものが生活の中から消えていくような時代になってしまいました。家具でも器でも、ウレタン、カシュー塗装。見た目はきれいで、安く買うことができます。そういうものに支配されてしまい、本物の日本の伝統の美が訳がわからない具合になってしまったわけです。

 トリプロは、本物を鳥取から全国に発信していこうとしているようです。各種製造のプロの技術を集合して、鳥取から最高の商品を全国に発信したいと言うわけです。私のところは、漆担当であるようですが頑張りたいと思います。





佐治の漆

2009-02-07 11:27:51 | Weblog
鳥取県の東部。前は八頭郡佐治村。人口4000人ほど。佐治川沿いに発展した集落。
地場産業は、20世紀梨栽培と因州和紙の産地。現在、平成の大合併で鳥取市と合併。鳥取市佐治町となる。 

この佐治町は江戸時代から漆の生産の有名な産地でした。幕末ごろには、300貫目(約1100kg)以上生産されました。鳥取藩の貴重な経済資源でした。鳥取藩は、この漆を厳しく統制管理していたようです。


 この漆の生産は、昭和40年前半まで続きました。掻き子といわれる漆掻き職人が
いなければ、漆を採取することはできません。佐治の山は、現在ほとんど杉に覆われていますが、漆掻きの盛んな時代は漆の木がたくさん植わっていたようです。
 
佐治の漆は良質で、全国でも有名だったようです。私は、この佐治漆をいつか復興したいと8年前から一人で啓蒙活動してきました。現在5~6人の方が賛同してくださっています。 

 やっと最近地元の方が、ひそかに漆の木を植栽そして育成していたことがわかりました。今年の夏に採取したいといってました。
 その方は、私のことを新聞などで知っていて一度お話がしたかったといわれました。なんと嬉しい出会いでしょう。だまって見ていた方がいたんですね。(^^)