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朝ドラ「スカーレット」・百合子(福田麻由子)・大野信作(林遣都)・松永三津(黒島結菜)・喜美子は何故TVを買わない?

2020年01月14日 | スカーレット
今週は「優しさが交差して」という題の週です。2020年の1月14日。

百合子(福田麻由子)が「かわいいな」と思います。絶世の美女ではない。でも表情やしぐさや声の出し方がかわいい。福田麻由子さんですね。子供の頃より柔和な顔になりました。「白夜行」とか「日本沈没」で拝見したことがあります。まだ少女でした。

信作は「ばあちゃんの死をきっかけに大きく変身」したはずですが、やっぱり子供の頃の気の弱さが残っているという設定みたいです。林遣都さんは主役もしている俳優さんなのですね。今回初めて見たわけじゃなさそうです。前も見ていた。しかし今回しっかりと名前と顔を認識しました。いい役をもらったのでは、と思います。百合子と幸福になっていただきたい。

松永三津(黒島結菜)。ツイッターなどを見ると、今回初めて「見た」という方も多い。そして「うざい」という方も多い。そういう役だから、当然です。「アシガール」とかを見ると、印象が変わると思います。なんならスペックサーガの黒島結菜、つまり「ニノマエイト」です。まあこれは見ないかな。

前に「出ても損な役」と書きましたが、損しています。でもNHKには「アシガール」で主演をさせてもらっていますからね、断れない。「朝ドラの主役だってできたはず」と思うと、かわいそうです。

物語は「ひたすら室内、狭い空間」で続いていきます。作業場と居間。これしか舞台がありません。そこで夫婦の「優しさのすれ違い」と松永三津のうざい行動ばかりを描いていく。

「世界が狭すぎるではないか」と思います。舞台は1970年、昭和45年だと思います。でもキックボクシングの沢村忠のほかは時代背景を探る手段がありません。

だって「TVすら持っていない」のです。「我慢が美徳だった時代」は終わって、昭和45年ならTVの普及率はほぼ100%です。カラーTVすら25%。

作者の水橋さんは昭和39年の生まれです。自分が6歳の時、TVがない家庭など「ほとんどなかった」という記憶がないのでしょうか。それともモデルになった方の家に本当にTVがなかったのか。ネットの情報ですが、離婚後相当困窮なさったようです。実際にTVがなかったかもしれない。しかしドラマは設定が違います。徐々にですが、豊かになり、喜美子も陶器を大量に作れば、収入が得られるという設定になっている。

生活はできている、百合子も働いて給料をもらっている、でも貧乏だからとTVを買わない。1970年なのに。ドラマの設定として、あまりにリアリティがありません。「貧乏、我慢の強調もほどほどに」と思います。そもそも「ちゃぶ台なんか本当にひっくり返していた家庭」なんか少ないと思います。食料を大切にするのです。貧乏なのです。料理をひっくり返すわけがない。一部にはあったでしょうが、非常に特殊です。

TVがない設定なので、喜美子や八郎さんは「外部の空間」を知りません。ニュースも見てない感じ。だから三津から「新しい情報」を手に入れようとします。江戸時代か!その三津だって「ヒッピー」だったはずなのに、ベトナム反戦にも興味を持たず、今はTVのない家でお手伝いをして、八郎さんにまとわりつくだけの生活です。

関西が舞台なら大阪万博が1970年です。映画「20世紀少年」の時代です。20世紀少年たちが子供だった時代です。「たけし」などまさに20世紀少年のはずなのに、あれほど情報過疎状態では19世紀少年になってしまいます。

私が、どうしてTVにこだわるのか。それは「ドラマの中に時代の情報が少しも反映されない」からです。オリンピックも、大阪万博も、アポロの月着陸も反映されない。そして「ひどい公害、環境問題」も、あの頃の人々の今とは違った「生活意識」も少しも反映されない、、、それは「もったいない」と思います。

あまりに狭い世界で、夫婦と家族と三津だけがなにかをやっているドラマ。超高度成長期だから面白い時代なのに、時代の雰囲気や情報を取り入れない。惜しい脚本だと思います。

私は戸田恵梨香さんを応援しているので、これからも一応見ますけれども。

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