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ドラマ「仁」・橘咲(綾瀬はるか)とシーボルトイネ

2019年06月13日 | ドラマ仁
ドラマ仁を初めてしっかりと見ました。

綾瀬はるかさん演じる橘咲が魅力的で、シーボルトイネみたいだなと思ってみていました。

でもドラマにシーボルトイネは登場しません。しかし原作では登場するし、橘咲に大きな影響を与えるようです。

そりゃそうです。ドラマで描かれる彼女の一生はシーボルトイネにそっくりです。

では相方の南方仁先生はイネの恋人である村田蔵六、大村益次郎かなと思いましたが、これは違っているようです。まあ似てもいません。「無私」な点が似ているのみです。

そもそも村田蔵六は途中で医者をやめて軍学家に転向しますし。

この橘咲さんという武士の娘は非常に謙虚でありながら「ものすごい強い女性」として描かれています。

一方思い人の南方仁先生は、江戸では神のような医師とされながら、そもそも現代人なので、さらにトラウマを持った人なので、いつもいつも泣いています。

で、橘咲さんに励まされて、毎回毎回、復活します。復活しても、次の回にはまた泣いています。

完結編は「龍馬暗殺阻止、しかしできず」がテーマとなります。このドラマの龍馬は結構いい感じです。彼も結構へたれなのです。道に迷っている。で、南方仁に影響されて己の生き方を決めていきます。かっこよすぎる龍馬じゃなくて、いい感じです。

長州征伐を見た南方先生は龍馬を責めます。「日本人同士を戦わせてどうなる。戦をしてどうなる。龍馬さんは武器商人に成り下がっている」

面白い視点です。そういう視点から龍馬を責めたドラマはほぼないでしょう。それでも南方先生は友達として龍馬暗殺阻止に動きますが、結局は救えません。

龍馬が生きていたら、というのはいかにも想像力をかきたてる設定ですが、まあ誰もが思うように「商人」になっていたでしょう。それに明治維新は何も龍馬によって成ったわけでもなく、彼も数多い志士の一人に過ぎません。ドラマにおいても勝海舟などは龍馬がいなくても、代わりが出てくると言っています。つまり南方先生は日本の為に龍馬を生かそうとするわけではなく、友人だから助けようとするわけです。

さて橘咲。一生を医学に捧げる人生を送ったことになっています。一方南方先生は現代に戻り「かつての恋人の生まれ変わりのような女性」と出会います。この点ちょっと咲が可愛そうです。

原作では南方先生は2つに分かれ、過去では咲と結婚し、現代では彼なりの道を歩むとなっているようです。そっちのほうがいいかなと。咲と結婚させてやりたかったな、と思わせるドラマです。


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