かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

アメリカに住む日本人のお母さんへの栄養教室

2010年02月16日 | ボランティア
今日はロサンゼルスに住むお母さん達に
離乳食後の幼児の食事についての教室を教えました

どうやら日本人のお母さんたちはアメリカに来て子育てをしている中で
たくさんの疑問がありつつ
なかなか聞ける人がいないということらしいんです

病院の先生とは英語だしね
(意外と日本人のお医者さんにかかってる人もいました)

ひょうんなことから栄養について話しをしてみないかと言われて
引き受けたのが昨年の11月
管理栄養士でありながら、実際の栄養指導からは長らく遠ざかっていたので、
一から勉強しなおしました
(大学の最後の年~入社1年後までたまに電話での栄養指導を
してたことがあるだけでですが・・・。しかも肥満の人対象)

なっちゃんをはじめ、みんな応援してくれてありがとう!

いろいろ考えた結果、離乳食後の幼児の食事について
基本的なことをまとめた冊子をつくり、それをもとにレクチャーすることに。
特にお母さんたち、子供たちをあやしながら話を聞くので
なるべく読みやすく、楽しくなるように、と思い
挿絵をいれつつかわいくまとめてみました。

さらに、一か月前にレクチャーをすることにしたお母さんたちのグループで
事前アンケートをとり、Q&Aとしてまとめたものも
プリントとして用意し、基本レクチャーの後に説明しました。


お母さんたちは旦那さんの都合でロサンゼルスに住み、こちらで
出産し、育児をされている方達です。
情報交換も含めて育児自助グループをつくり、毎週集まっているらしい。
グループの人数は15人~20人くらいです。
お子さんを連れてやってくるので、話しをしている間も、
ごはんを食べさせたり、遊ばせたり、あやしたり・・・・
子供たちは走りまわったり、泣いたり、ケンカしたり・・・。

カオス・・・ってこのことを言うのか・・・。
とっても騒がしいです・・・。

そんな中、気合入れて2時間ちょっと、声を張り上げてがんばりました。

ちなみに、今回の下調べで、アメリカと日本の育児の狭間でなやんでいるお母さんが多いと
聞いたのでちょこっとだけアメリカと日本の育児の考え方の違いについて
ご紹介したいと思います。

<その1>

アメリカは離乳をそれほど強くは勧めないようです。
というのは、あまり早く始めてしまうと消化能力とかが追い付かず、
アレルギーになってしまったりすることがあるという概念が強いからのよう。
日本でいうところの卒乳についても、あまり”卒業”させることを
急がないよう。
鉄分の不足については栄養強化のシリアルやフォーミュラ(調整粉ミルク)が
活用されます。

<その2>

アメリカでは「子供は食べる量を知っているので
親はバランスのとれた食事を用意するだけで
量は気にする必要がない」という概念が強いようです。
なので、子供が食べる量を決めるんです。
そう、食べ過ぎたのでは?とか足りないのでは?とか心配することはない、と・・・。
というわけで、日本のお母さんが3食+おやつのリズムをつくろうと思ってうまくいかず、
アメリカのお医者さんに相談すると
「こどもが食べたい時に食べさせて大丈夫ですよ」

と言われてこれまた悩むみたい。

でも、私としては食べる量は知っているとしても、食べる時間はある程度
メリハリを利かせたほうがいいのでは?と思います。
消化にもいいだろうし、親も食事の準備しやすいし、
なんといってもだらだら食べてしまうのが習慣になってしまうと
将来の食生活に影響するのでは?と思ってしまいます。

アメリカは子供の肥満がとても多く、
すっごく3食以外の間食が多い印象が強いんですよね。
(独断と偏見です)

なので、日本のように、子供のころから、食事のリズムと量について
考える風習があるといいんじゃないかと思いました。

<その3>

アメリカは食品添加物についての抵抗が少ない???

そう、幼児用の食品に着色料やフレーバーがよく使われている印象。
日本の幼児の食事に書いてある本などを読むと、
自然の食べ物を多くたべ、添加物の多いものにはなるべく避けた方がいい、
ような感じで書かれていることが多々ですが、
アメリカに来てから読んだ本(栄養士向け)は
添加物については全く触れられていませんでした。

実際添加物を避けるのは難しいので現実的ではないってことなのかしら・・・。
ちなみに、大学の母子栄養を教えている教授にこれについて質問したら、

「難しいけど、できれば添加物は避けた方がいい意見には賛成・」との答え。

でもあんまり強い考え方ではないようです。


というわけで、大雑把な印象としては

「日本のお母さんは子育てをまじめにする」。。。

でもあんまりにもあれが正しい、これが正しいというのが
決まってしまっているので、それから外れてしまうと
不安に思ったり、プレッシャーに感じてしまったりする
お母さんが多いんじゃないかしら

アメリカの大雑把な、全てを個性として受け止めてしまう
気楽さを日本のお母さんも少し取り入れてみたら
子育てがもっと楽しめるのかな?
と思いました。

そうそう、栄養教室は途中に質問攻撃に合いながらも無事2時間ちょっとで終了。
たくさん質問が出た中で、持ち帰り質問もありました。
でも、最後に、今日の話や資料についてのアンケートを記入してもらったのを
見ると、みなさん「とっても参考になった」と書いてくださったので
本当にうれしかったです。

準備にとっても時間がかかったし、いろいろな人にお世話になったけど、
とってもいい経験をさせてもらいました。
せっかく作った資料を無駄にしないためにも、
今後も依頼があればじゃんじゃん引き受けたいなと思います


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6 コメント

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Unknown (たきこ)
2010-02-20 04:10:55
まいどです。いろいろお手数おかけしています

添加物について。やっぱ日本人が過剰に気にしすぎていると思います。赤ちゃんのときでも気にしないのはちょっと驚きですけど・・・

あんまり気にしすぎると食べるものなくなっちゃうよねー。ってのが、元添加物メーカー社員の感想です

いろいろやること一杯だね。体壊さない程度に頑張ってくださいな・・・
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Unknown (かちこ)
2010-02-22 03:18:33
ありがとう。そうそう、全部避けるのは
なかなか現実的じゃないよね。
でもアメリカのお菓子は着色料とフレーバーが
すごく強く使われているので、子供のころから味覚が大雑把になってしまうんじゃないかと心配です
日本人ほど味覚が繊細で、それを大切にしている国ってないのかも。
本来の素材の味を楽しむ、日本の食文化、大好きです。
もしかしたら、そうやって育った人たちへ向けて、食べ物を開発するから、日本の食品や、日本の外食の味はどれも外れがない、と言われてるのかな?

たきこさんもいろいろ大変そうだけど、飲みすぎに注意して頑張ってね
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こんにちは。 (まめ)
2010-02-22 22:10:31
栄養指導教室、お疲れ様でした。
子育ては食事だけじゃなく、いろいろ悩むことが多いから、こういう機会があってママ達はとても心強かったと思うよ

アメリカと日本での食事についての違いにびっくりしたわ。私の考えとしても、子供は満腹中枢が未発達やから、量は親が考えないとアカンと思うわ~。小児肥満はなかなか治らないもんね。確か、脂肪細胞が増えるんやったっけ?大人の肥満は脂肪細胞が大きくなるだけなんよね? いずれにしても日本人は肥満に弱い体質やから子供の頃から気をつけるほうがいいよね。添加物も子供は体が小さいから、影響が大きい気がするけど、、、。


最後の日本人は子育てをまじめにしているっていうのが印象的でした。確かに私も頑張りすぎている時があるわ~ 気楽にやってみます。

また、ちょくちょくのぞきにきます
まだまだ寒いからお互い気をつけようね




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Unknown (かちこ)
2010-02-24 13:49:01
まめ、ありがとう!
日本では子供の満腹中枢については
どうやって考えられてるのかな?
ちょっと調べてみたくなりました
もし情報があれば教えてね。

ところで脂肪の細胞は

①細胞の大きさ↑
②細胞の数↑

の順番で影響を受けるといわれています。
なので、小さい頃に食べ過ぎる食生活をしていると、
細胞の数が他の人よりすでに多いことになるので、
いったん痩せても、
すぐに太りやすいといわれています

脂肪の貯蔵細胞が多いので
いっぱい蓄えてしまうってこと

改めて親に感謝です

そうそう、お母さんたちは毎週集まって
情報交換やら、
子供たちを遊ばせたりしてるみたい
こちらには日本のように気軽にいつでも行ける
公民館とか、地域の施設がない上
日本語で気楽に話せる環境って重要なんだろうな。
ちなみに、前回見学させてもらった時は

「夫婦円満の秘訣」というテーマの教室でした。
講師の人が話すすきがないくらい
意見交換(愚痴話ともいう・・・)が
すごかったので、
すっごいいろいろストレスがあるんだなと
思いました。
聞いてる方が面白かったけどね

ではでは、また日本の育児情報教えてね。
返信する
こんにちは。 (もんこ)
2010-02-24 23:40:22
栄養指導お疲れ様!
指導資料つくるのん、大変だったでしょう!
うまく行ってよかったね

幼児食の認識が、日本とアメリカでこんなに違うとは驚き!
アメリカで肥満が多いのは、もしや食事の量やリズムに対する考え方が弱いからかも・・。
だらだら食べてたら、血糖値高い時間が多いし、脂肪合成進むし。
なるほどね!

食習慣は3歳くらいまでで大方決まるらしいから(by私の好きな栄養士先生)、
この時期までの食育は、特に重要やね。

食品添加物摂取については、個人的には反対です。
臓器が未発達の子どもの場合は特に反対やわ。
肝臓への負担が多くなるよね。
今の時代、口にしたくなくても食べざるをえない状況。
それぐらい、添加物の使用量がとっても多いでしょ。
人体への影響って今は無くても、子の世代、更にもっと先の世代で出るかもしれへんよね。
だって今までこんなに添加物を食べてきたことが過去に無かったから。
自然のものが一番!っと私は思うわ

話がかなり前に遡るけど、外人への栄養指導をどうしてるかについてです~。
当院でも、たまに外人さんが指導に来るよ。
大抵ご家族に日本語が少しわかる方がいて、
その方に同席してもらってます。
資料は絵や図を盛りだくさんで。
中国人のときは、中国での食べ物の漢字表記を調べて書いたよ。

(夫婦円満の秘訣は、万国共通なのかしら??)
返信する
添加物と夫婦円満の秘訣 (かちこ)
2010-03-12 18:56:21
もんこさん、いろいろ情報ありがとう!
アメリカの栄養学は進んでる面もありつつ、
肥満などについては
少し日本の考え方を取り入れた方がいいのでは?
と思うこと、多々です。
肥満についてはかなり遺伝子や体質によるものが大きいといった考えが主流だし、
あんまりにも肥満が進んでる人は、
たくさん食べれないように
胃を10~30mlに小さくしてしまう手術も
かなり行われているようです

ところで、添加物については私ももんこさんの意見に賛成
私自身も添加物はなるべく摂らないように
しています
子供は特に摂らないに越したことはないよね
でもあんまりストイックに加工食品を避けてる人をみると、
「そのストレスの方が身体に悪影響があるのでは???」と思うこともあります
要はバランス。
毎日楽しくおいしく、色々なものを食べることが健康の一番の秘訣だと思います

日本での外人への栄養指導についても情報ありがとう
実は、もしかしたら前回の栄養指導のためにつくった小冊子
何人かのクラスメイトが他の言葉に訳すのを手伝ってくれるかも!
ってことになりました
うまくいけば、同じ内容の色々な言語バージョンの栄養資料が出来上がることに

もしうまくいったら連絡するね。

あと、夫婦円満の秘訣は、アメリカの場合は
「とことん話す!」ことらしい。
ささいなことで感じたことや、
日々の色々なことを全て話すらしい。
日本のように察するということは全く期待しないらしい。
「話せばわかる、話さなければわからない。」
これ、当然らしい

日々文化の違いに驚かされてます
ではでは
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