かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

ボランテア フードバンク

2010年01月31日 | ボランティア
今日はフードバンクというボランティアに行ってきました。
これも大学の授業に必要なの。

この団体はアメリカ全土で活動している団体で、食べ物を買うお金がない人達に、
いろいろな企業や団体からの寄付で食べ物を供給しています。
この団体は、食べ物を買うお金がない子供が
あるスーパーから万引きをして捕まったのを見た兄弟が、

「子供達が明日の食べ物の心配をしないでも生活できるようにしたい!」

と思い、小さな規模で食べ物を集め、
お金のない人に配り始めたのが始まりとのこと。

募金は個人や大企業からが多く、政府からも少しはあるようですが、
あまり多くはないとのこと。
実際に配る食べ物自体の寄付も食品企業や地元の農家からあるようです。

ちなみに2009年のまとめによると、
ロサンゼルス支部ではのべ100万人に食糧を配布し、
それに携わったボランティアはのべ2万人とのこと。
すごい規模が大きいのと、
とてもたくさんのボランティアが参加していることに驚きでした。

ちなみに私が今日やった作業は、
配布用の大きな袋に支給品を詰めるという作業。
流れ作業なので、私は袋を開いて、シリアルの箱を入れる。
という部分を担当しました。

今日一つの袋に入れた中身は・シリアル400g(箱)
・トマトジュース 2L(ペットボトル)
・鮭缶詰 400g(缶)
・ホウレンソウ(ゆでたもの)300g(缶)
・牛乳300g(缶)
・ミックスフルーツ缶詰300g
・マカロニ400g
・ピーナッツバター500g(瓶)

さらに違うフロアでは生鮮品(果物・野菜)をつめていたので
これらをセットにして配るのだと思います。

ボランティアは主に学生や、宗教団体(キリスト教とか)などのグループ参加と、
私のような個人参加の人たちがいました。

個人参加者は私を含めて今日は45名。(いつもはもっと多いとのこと)
グループ参加者は100人を超えてたかな?
個人参加の人たちは常連も多く、とても楽しい気さくな人たち。

「ジムに行くより、こっちの方がよく身体動かすし、楽しいから!

と言いながら大汗かいて作業してました。
私は大学の単位に必要だから参加したのでちょっと申し訳ない気分。

でもアメリカはどの中学、高校、大学も、
ボランティア活動を必須にしているところが多く
たいてい、リストの中から自分の興味のあるボランティアを
簡単に探すことができます。
きっかけって自分でつくるのが難しいから、こうやって機会を与えられることって
とってもいいことだと思います。

特に、これらのボランティアが安定して確保できることで、
いろいろなボランテイア団体が、この労働力をある程度見込んで
事業計画を立てられるし。

今日は個人参加組の45名で1200名分の食糧配布セットをつくりました。
みんな晴れ晴れした顔で帰って行きました。
私も、とってもすっきりした気分で帰宅

日本でボランティアってあんまり機会がなかったからよくわからないけど、
日本のボランティア事情にもちょっと興味がわいた1日でした。
(私の知ってるボランティアって災害給付金の募金活動とか、
身体の不自由な人の手伝いとかくらいしか思いあたらない・・・。)

でもアメリカでは明日の食べ物に困っている人がたくさんいるんだなと
思いました。本当に格差がはっきりしている国なんですね。



アメリカの中学校給食施設見学

2010年01月22日 | RD(アメリカの管理栄養士)
今日はアメリカの中学校の給食施設の見学に行ってきました。
フードサービス(レストラン・病院や学校の給食など)の授業をとっていて、
その中で大きな課題として、学校(1000人規模)の中学校の給食施設と
食堂を設計するというグループプロジェクトがあるんです。
建物のつくり(床やドア、照明、レイアウト)~大きな機械(洗浄機やオーブン、
大きなミキサーや作業台など)を購入するのの詳細まで計画して、
案としてまとめるというものです。
最後に授業中にそれぞれのグループがその施設をプレゼンし、
どれだけ現実的か、どれだけ魅力ある給食施設かというのをみるようです。
その際、州の規制や法律がとても大きく関わってくるので
計画を作りながら、実際に自分が新しい給食施設をつくることになった時に
どのような法律に準拠したらいいか、このプロジェクトから学ぶというわけですね。

このプロジェクトは図案はもちろんのこと、どんなコンセプトでの給食を提供するか、
どんなメニューを提供するか、そのためにはどんな設備が必要か、ということまで
含める必要があります。

私は日本の給食施設は1週間ほど働いた(実習)経験があるのですが、アメリカの給食って全く想像がつかないので、まず実際の中学校を見学させてもらうことにしたんです。

今日はその中学校へ行ってきました。
驚くことにはメニューが一つではないということ。
今日は22品目のメニューから選べることになっていました。
また、サラダバーもあれば、中華料理のバーもある、といった具合です。
もちろんアメリカらしく、ピザも3種類あったし、ハンバーガーもありました。
この中から子供たちは好きなメニューを選ぶのです。
ピザだけの子(←野菜足りないよ!
中華バーからチャーハンと鶏肉の甘辛煮と野菜のほとんど入っていない焼きそばを山盛り
とっている子、さまざまです。
さらにカップラーメンも!
さらに、飲み物は牛乳、コーヒー牛乳、オレンジジュース、メロン色のスムージー、
ピンク色のスムージー(←着色料が心配!!!)、
といろいろなものから選べます。

子供が自分でカロリーとバランスを考えて選べばなんとか健康的なものを食べられる
とは思いますが、中学生はほぼそんなことは考えないと思います。
ああ、子供たちはこんなところから肥満になっていくのかしら・・・

それに比べて日本の給食はなんて栄養バランスが行き届いているのでしょう。
でもそれは日本が単一民族だからなせることなのかもしれませんね。
アメリカは宗教も食文化も様々。一つのメニューだけに絞ってしまったら
多くの人が食べれなくなってしまうからです。

アメリカはみんな自分の食べるものは自分の責任で選ぶ国。
日本のように給食に出されたものは全部食べるのが良いというような
考え方は全くありません。
自分は自分、他人は他人。
好き嫌いも個性のうち。
嫌いなもの、食べれないものは食べないのが当然なので、
給食は成り立たないのだと思います。

なかなか面白くもあり、難しくもあり・・・。
日本で肥満が少ないのは給食と栄養教育の効果が多々影響しているんじゃないかと
つくづく感じた一日でした。

各国の新年

2010年01月17日 | 世界のトリビア
今日は寮の友達みんなで夕食をつくって食べました。
(トッポキ・キムチ豆腐・肉じゃが・ごはん・味噌汁)
話しているうちになぜか新年の話題に。

「みんなの新年っていつ???」

日本で考えたら?????な質問ですよね。
でも意外なことに一緒に夕食を食べた子のうち、1月1日が新年の子は
アルメニア人の子と、私のみ。

台湾人の子と、韓国人の子は陰暦のお正月なので、
1月末から2月初旬にお正月があるんだけど、
毎年違うとのこと。

タイ人の子は「4月13日!」
・・・って・・・。
どうやら昔はもっと早い時期にお正月があったらしいんだけど
数年ごとに遅くなって、今は4月13日らしい。
どうやら宗教ではなく、国が新年の時期を決めるらしい。
「タイは昔、君主制だったから・・・」って、
暦まで変えられるのか~!!!?

びっくりです。

アメリカの病院見学(Childrens Hospital)

2010年01月15日 | RD(アメリカの管理栄養士)
今日は初めてロサンゼルスにある病院を見学してきました。
RDになるためには、所定の大学で必要な科目を履修し(成績B以上必須)、
その後、1200時間(フルタイムで約一年間)の
インターンシップを終了する必要があります。
そして初めて国家試験の受験資格がもらえるというわけです。

インターンシップは医者や看護婦と違って無償で働き、
さらにその上!学費を支払う必要があります。
お医者さんや看護婦さんは少しだけど給料出るのにRDは働く上にお金を払うの!

さらにRDになりたい人はたくさんいる上、インターンをしないと資格をとれないのに、
インターンを受け入れる病院がとても少ないの。
というわけで、ご想像のように、超!倍率が高いのです

英語が得意ではなくて、病院での経験もないとなると
本当にハードルが高いのですが、
とりあえず、なんとか奇跡を信じて出願することにしました。

今日は出願するつもりの病院の見学をしてきました。

なかなか実際のRDの仕事を見学させてもらえる病院は少ないようですが、
このChildrens Hospitalはとてもよく見学させてもらえました。

現在インターンをやっている学生に1時間半ほど密着させてもらって
仕事内容を一緒に見せてもらったんです。

今日の患者さんは3歳くらいの女の子。
以前にこの病院に入院していたようですが(恐らく葉酸の代謝不全)、
その後退院したものの、
食事中に吐いてしまうことが多々あるということで
この病院を再受診したよう。

お母さんと一緒に外来し、特殊なマジックミラーのある、
「観察室」で、いつもどおりの食事を食べてもらいました。
その間、観察室ではRD、その他の専門家(行動に関する専門家)、医師が
メモを片手にじっくり観察。
食べている時の子供の態度や、目線、姿勢やお母さんの行動まで
みっちり観察され、そこから何が問題かを推察するわけです。
この子の場合は今回は実際に吐いたりはしなかったんですが、
誰かが止めないと驚くほど食べてしまうようで、
もしかしたら満腹中枢がうまく働いていなくて食べ過ぎてしまい、
吐いてしまうのかもしれないね、という会話が観察室でありました。

さらに栄養士が実際にお母さんと子供と話をして、観察だけでは得られなかった情報を
収集します。

その後、身体測定の部屋で体重、身長、頭の大きさ、Skinfold*を測ります。
子供は病院を恐れているのと、知らない人に触られるのが大嫌いなので
RD達は大苦戦。なんとか楽しい会話とポーズで子供をリラックスさせ、
身体測定をしようとしますが、なかなか測らせてもらえず、本当に
見ている方もはらはらしました

そのほかこの子は医師の診察も受け血液やそのほかの検査も行い、
全てのデータがそろったところで
RD、医師、そのほかの専門家がそろってカンファレンスを開きます。
それぞれが情報を持ち寄り、その子の問題点と治療方法を話合うのです。

カンファレンスまでは見学させてもらえなかったんですが、
どうやって実際の業務が進むか、どうやって意見交換をするかを
目の当たりにできてとても興味深かったです。

さらにもう一人いたRDは電話でのカウンセリングをしていました。
一時間の電話カウンセリング。
状態としては、患者は自閉症の3歳で、1歳半から突然固形の食べ物のの摂取を全て
拒むようになったとのこと。両親の努力もあって、バナナは食べられるように
なったけど、その他は全く受け付けないとのことです。
一週間後に上記の子と同様に外来し、食事の様子と身体測定や
医師の診断を予定しているのですが、
その前段としてさらなる情報収集を行うための電話カウンセリングとのこと。

しか~し、その子もお母さんもスペイン語しか話せないスペイン系の人種。
RDはスペイン語を話せないので、実際には病院の通訳オペレーターを
通じて電話カウンセリングをするとのこと。
要はその子のお母さんと、通訳、RDが三人で2ヶ国語で話しをするということです。
通訳が常時利用できるというのも驚きだし、
日常的に各国の言葉でカウンセリングが行われているというのも
驚きでした!

そう、ロサンゼルスはスペイン語を話す人口がとても多く、
英語を話せない人がたくさんいます。
そのため、RDとして就職するためには英語はもちろんですが、
スペイン語やそのほかたくさんの言葉を話せると重宝されるようです。

日本は日本語を話せない患者さんにはどうやって対応しているのか、
とっても疑問に思います。
どなたか、その辺わかる方、教えてください。

というわけで、今日はいろいろなことを見せてもらい、
とても興味深かったのと同時に、
インターンシップの厳しさと現実を見て、
心の引き締まる思いでした。

私もがんばらなきゃっ



バッテリーがなかった!

2010年01月02日 | 世界のトリビア
今日は4カ月間一緒に住んだ韓国人のルームメイトが寮を出て行きました。
彼女は今後ボーイフレンドと暮らすことになります。
渡米して、まだアメリカに慣れない不安な日々をなんだかんだ言って
楽しく乗り越えられたのは彼女がいたからといっても過言ではありません。
なんといっても同じ部屋で寝泊まりしたのですから・・・。

ところで、今日は最後の日ということでたっくさんおしゃべりしたんですが、
すごいことを発見!
彼女のボーイフレンドがケータイのバッテリーがないので
途中連絡できなくなると連絡してきたのですが、
「バッテリーがなかった!」って韓国語で言うらしいのです!
バッテリーがなくなったことを「バッテリーがなかった」と。

過去に「微妙な三角関係」も日本語と韓国語で全く同じということは
聞いていたんですが、まさか他にもあるとは・・・
びっくりびっくり!