かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

高Ca血症

2014年11月09日 | 認知症の祖母の日々

うちの祖母は認知症です

93歳

とってもかわいいおばあちゃん

転んで頭を強く打ち、脳出血の後、頭の傷が回復しても認知機能と嚥下機能はもとに戻らず、

その時から病院と施設、うちを行ったり来たりしながら生活しています

 

最近では2月ころから傾眠傾向になり、起こしても起こしても寝てしまう、食事中、スプーンを口まで近づけても

最後まで口に持っていく前に寝てしまう・・・

そんな状態で衰弱し、病院へ。

ようやく5月にギリギリの状態で退院しました。

祖母はやっぱり、ふらふらしていて、またいつ誤嚥して入院するかもわからないな~という感じでした

 

そんな中、自分の患者さんで高Ca血症という診断名で入院して来られた方がいらっしゃいました。

その方は一か月前まで整形の病棟に入院していました。

退院の数日前からカルシウムとビタミンDを処方されていたようです。

久しぶりにお会いした患者さんはほとんど何もコミュニケーションがとれないくらいぐったりしていて、ごはんどころではありません。

点滴を入れて、Caを下げてきたらようやく傾眠が改善され、食事が摂れるようになりました。

この患者さんを見ていて、祖母と同じ感じだな・・・と。

 

いつもは祖母の治療にうるさく口を挟まないように・・・と思っているのですが

介護をしている実家の母に電話をかけ、

祖母の血液検査でカルシウムを測ってもらうように先生に頼んでほしいとお願いしました。

数週間後、祖母の血清Caは11.2。

高Ca血症です。しかも、祖母のその時のAlbは3.1.アルブミンが低いと血清Caは低めに出るので、

補正して計算しなおすと、補正Caはなんと12.1

びっくりするほどの高Ca血症です。

そりゃ傾眠にもなるし、食欲不振にもなるわ!

そんなわけで、母親を説得し、主治医に活性型ビタミンDを中止してもらうようお願いしてもらいました

 

一か月後、食欲がばっちり戻った祖母は補正Ca 9.7 ばっちり基準内。

Alb3.4と改善していました。

高Ca血症があると腎機能にも負担がかかることもあり、悪化していた腎機能も薬をやめてから元の数字にもどっていました。

やっぱり薬ってこわいですね・・・。

 

そんなことがあってからすでに3か月。

今日母親から、「おばあちゃんの血液検査の結果を見て」と電話がかかってきました。

メールで送ってもらった血液検査はまた高Ca血症

どうやら一か月前に低Ca血症の副作用が起こりやすい薬を開始したので活性型ビタミンDも同時に再開したのだとか。

活性型ビタミンDを再開してから一か月ほどでまた高Ca血症になってしまったのです。

現在は傾眠もなく、ごはんも食べられていますが、腎機能の検査結果も悪化しており、

薬の副作用が様々な形で見え始めたところだったようです。

すぐに主治医に電話して活性型ビタミンDは飲まなくてもよくなりました

 

いやいや、薬ってこわいですね。

特に高齢では副作用が大きく出ます。

途中でカルシウムを測定して高Ca血症がわかったからよかったものの、

そのまま高Ca血症に気づかずに薬を飲み続けどんどんCaが上がっていったら

傾眠が続いてそのまま意識がなくなって、亡くなっていたかもしれません。

しかも93歳となれば、これが寿命、大往生。と何の疑問ももたずに・・・。

薬の副作用が原因だったのに「もう歳だから・・・」そんな風に亡くなっていく高齢者が

実はたくさんいるのではないかと強く感じます

 

しかし、こういったことに誰が気づくのか。気づくべきなのか・・・

訪問医は患者をトータルで看ます。

でも薬の専門家ではない。

元々の専門分野が何だったかにもよりますが、一人の人で全ての治療を完璧にすることは難しく、

特にたくさんの薬を飲んでいる高齢者の薬の副作用を疑い出したら

先生は寝る暇もなくなってしまいます。

発展した医療で助けられる人もいるけど、

陰で誰にも知られずに医療によって害を受けている人もいるのではないかと感じる今日この頃です

 


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2 コメント

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RDについて (岡田麻里)
2015-03-23 23:17:00
はじめまして、こんにちは。
私は今学校で栄養教諭をしています。

近い将来アメリカでRDの資格を取得したく、
現在は英語の勉強に励んでいます。

RD取得に向けて、どのように行動すればよいのかわからず、
色々調べていたところこちらのブログに辿り着きました。
かちこさんのアメリカでの体験記を読ませて頂き、
RD取得に関する情報がで大変参考になることが
多くありましたが、わからない点、自分では調べきれない点がいくつかあったので質問させてください。

①RD取得を目指すアメリカの大学・大学院といっても沢山あると思うのですが、特にお勧めの学校があれば教えて頂きたいです。

②国家試験対策用の問題集がアメリカにもある(あまり出題されなかった)とのことでしたが、その本の名前が知りたいです。

③私は日本で管理栄養士養成校の4年大学を卒業しました。こういった場合、「アメリカの栄養士養成校の4大は同じ分野のため受け入れてもらえないケースが多いので大学院へ行った方がよい」と聞いたのですが本当でしょうか。また、院でRD取得に必要な単位をとってインターンシップを終わらせてから国家試験となると、やはり最低3年間は必要なのでしょうか。

④かちこさんは院ではどういった論文を書かれたのですか。お勧めの論文等もあれば知りたいです。

⑤最後に、かちこさんがRDを目指しだした時、「どうすればRD取得ができるのか」今私が質問しているようなことは全て自分で調べられたのでしょうか。どのようにしてかちこさんが卒業された大学を選ばれたのでしょうか。参考にされたページ等があれば教えて頂きたいです。

重なるような質問もあるかもしれません。汗
お忙しいなかすみませんが、
本当に取得したく、御力を頂きたく
こちらにコメント書かせて頂きました。
宜しくお願いいたします。


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岡田麻里さんへ:アメリカのRD取得について (かちこ)
2016-01-12 23:41:26
ブログをチェックするのが遅くなってしまい、もうコメントを入れても遅いかなと思いましたが、コメントさせていただきます。本当は個人のメールアドレスがわかれば直接メールでやりとりするのが早いのですが。
①おすすめはニューヨークにあるNew York Universityです。自分の行った大学院だからということもありますが、素晴らしい教授が多いし、住む場所としてもさまざまな人種の方々が集まっているためNYでインターンシップをするといい経験になります。シアトルのワシントン大学もよさそうと思って受験しました。
②いろいろありますが、私が使ったのは以下2種と、他にもうひとつ使って3種類で勉強したと思います。
 Inman's review
 http://www.inmanassoc.com/index.htm
 RD in a flash
 http://www.rdinaflash.com/index.html
③大学でインターンシップとなると3年ではすまないのではないかと思いますし、日本でも大学を出ているのであればキャリアとしては大学院に行った方がよいのではと思いますが。(自分はその理由で大学院を選びました。)大学院で、さらにインターンシップも終了するためには最低で3年間みたほうがいいと思います。大学院を卒業しなくてもよければ私の場合は2年半でRDだけ取得することも可能でしたが。
④人工甘味料の影響についての論文を書きました。
⑤情報は岡田さんのように、アメリカでRDを取得した方のブログやメールに質問をして得たものもありますが、、それらをヒントに自力でインターネットを駆使して調べました。調べれば調べるほど情報が増えますし、人に質問したことの答えをうのみにするのはよくありません。情報が古かったり、感情や自分の経験から、事実が少し曲がって入ってきたりするからです。私は最終的には受験校を確定する前にアメリカへ旅行を兼ねていき、教授や、通っている方にアポイントをとって、実際話をじかに聞きました。これが一番確実ですし、場合によっては受験に有利になりますよ。
まずアメリカ栄養士会のページでRDになるにはどうしたらいいか、インターンシップをあっせんしてくれる大学がどこか、把握をするところから始めたらいいと思います。
http://www.eatright.org/

同じ思いでRDを取得する方々、応援しています。
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