かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

インターンシップ無事卒業!

2011年09月28日 | 病院でのインターンシップ

なんと、先日インターンシップ終了の卒業式がありました

まだ大学院卒業までは時間がありますが、インターンシップは卒業です。

長かったようで短かった~

学ぶことが多く、実りある8か月でした

ここまで来れたのも陰ながら支えてくれるみんなのおかげ。

日々日々感謝です

さて、今は大学院生活をしながら国家試験に向けて受験勉強中

授業はすっごくおもしろいので試験合格したらまたいろいろここで報告しますね~。

ちなみに今学期とっている授業は

Critical Care (救急医療の栄養管理)

Weight Management(ウェイトマネージメント)

Public Health(公衆栄養)

Protein Carb Fat(栄養学・タンパク・炭水化物・脂質)

早くも課題や試験がもりもりです。がんばるぞ~


記事のタイトルを入力してください(必須)

2011年08月27日 | 病院でのインターンシップ

実は実習最後の3週間はWICという施設で働きました

これは公衆栄養の実習の一環です。

WICとは低所得の世帯の妊婦さん、出産後一年までのお母さん、

新生児から5歳までの子供を栄養面からサポートする国のプログラムで、

Special supplemental nutrition program for wemen, infants, and children の略称です。

実際には低所得の人たちが健康な赤ちゃんを産めるよう、

生まれたあかちゃんに健康な母乳をあげられるよう、

あかちゃん、子供が健康に育つように定期的に血液検査の結果を確認したり、

体重の増加具合、身長の変化などを確認しつつ、

野菜、豆、全粒粉パン、玄米、粉ミルク、牛乳などを購入できる金券(check)を支給します。

この金券は購入できる品目が決まっているので

健康的ではない食品などには交換ができません。

私の配属されたセンターは私の家から電車で一時間半の行ったこともないマンハッタンからやや離れた場所にあります。

行ってみて初めて知ったんですが、この地域はユダヤ人のたくさん住む地域。

電車を降りたら、

「どこの国に来たんだ???」っていうほど道行く人が異国の人風。

男の人は白いシャツに黒いズボン、黒い足首まであるジャケットを着ています。

大抵黒い手品に使うような帽子をかぶっているか、

丸いお椀みたいな帽子を頭にかぶっています。

もみあげがすっごく長くてしかもベルサイユのバラの登場人物みたいにクルンクルンにカールしています。

女の人はこれまた白いシャツに黒いスカート。真夏でも長袖。

髪型は内巻き風のストレート(色白の美人が多い!)

びっくりすることに既婚の女性はカツラ着用か、スカーフで頭をすっぽり包んでいます。

(傍目から見たらカツラとはわかりません)

ユダヤ人って日本では見る機会ないですよね...。

ユダヤ人は宗教的な規律が厳しいのでも有名。

特に食べ物の制限はすごく厳しいです。

①Kosherという認定された食べ物しか口にしない。

 特に肉などはの仕方や育成の記録のチェックなどが厳しく、

 認定された場所からの限られたお肉しか食べない。

②肉と乳製品は一緒に食べてはいけない。

 チーズバーガーとか、ピザとかありえません!!!

 調理も一緒の場所でしてはいけないので外食してもKosherのキッチンで作られたものしか食べれません。

 肉を調理した鍋をいくら洗っても、そのあと乳製品を使ったら鍋から微量しみだしてきて混じるっていう考えらしい。

③市販の加工食品や調味料もすべて厳しいKosher 規格にのっとった認定マークつきの製品しか使ってはいけない。

④豚肉、貝類、カニ、エビなど(ヒレのついていない魚介類)を食べてはいけない。

 

というわけでいろいろな規則が満載

栄養指導する上でも宗教上の制限を十分理解しないと指導になりません。

もっとも、私の働いたセンターは栄養士もほぼ全員ユダヤ人なんでそんな心配はありませんでしたが・・・。

なのでクッキングデモをしても私が作ったら、Kosherの厳しい規則にのっとって、

Kosherのキッチンで作ったかどうかいまいち信用してもらえない可能性大なので

クッキングでもはやらないことにしました。

もしやったとしても試食してくれる人はあんまりいないかな。

妊婦さんやお母さんと会うと栄養のリスクを把握するために食生活や生活習慣などを聞くんですが、

ここでユダヤ人っていいな~と思ったことがあります。

それは

・タバコ吸わない

・テレビを持っていない

・家族団らんの時間を大切にする

ってことです

これは宗教に深く絡んでいるらしく、会った家庭ほとんどがそうでした。

特にユダヤ人は金曜日の日没から土曜日の日没まで電気を使うものに触れてはいけないので、

料理もしないし(コンロで火をつけるときの最初の火花は電気が絡んでるらしい・・・)、

電子レンジも使わない、エレベータはもちろん、パソコンもケータイも使いません。

仕事もできないので、家族と話したり友達の家に遊びに行ったり・・・

もちろん車も使えないので同じ宗教の人たちは本当に密集して住んでいるわけです。

びっくりですよね~

でもそんな昔に戻る生活を一週間に一日していると思うとややうらやましい気も。

不便なのは、クーラーや暖房は日没の際についていたら次の日の日没までつけっぱなし、

消えていたら次の日没までオンにできません

ほんとこんな日本人から見たら摩訶不思議な規則が存在するんです。

 

この3週間、母子栄養についてとっても貴重な勉強をしましたが、

栄養指導の合間をみてユダヤ教についても他の栄養士さんたちに質問しまくって

いろいろなことを学びました。

世界は広く、まだまだ知らないことだらけということがよくわかりました。

長くなっちゃうのでまたまたぼちぼち報告しますね~


小児歯科でのインターンシップ

2011年08月18日 | 病院でのインターンシップ

実はすでに終了してしまったんですが、癌センターの病院実習終了後、

小児歯科の実習をしました

どんなものかというと、大学病院の小児歯科に常駐して、歯の検診や治療に来る子供たちや親に栄養指導をするというもの

もちろん患者さんたちは歯の治療をしに来るので栄養指導を受けられるとは知りません

なので治療を受けている子供さんに付き添っている親に様子をみて話しかけてみて、

栄養に関して質問がないか、日頃どんなものを食べているか、歯の磨くタイミングや

おやつにどんなものを食べているかどうかなどを質問していくんです。

もしそこで何かしら気になることがあれば、患者さんの反応にもよりますが、

アドバイスをしていきます

また、子供の成長が順調かどうか、身長と体重を測ってGrowth Chartにプロットして確認します。

親は子供がちゃんと成長しているかどうか気になるので、

無事同年代の子供たちと同様に成長しているか、またちょっと肥満気味とか、ちょっとやせ気味とかって教えてあげます。

するとがぜん、ほかの子供たちと同様になるにはどうしたらいいのかって質問を受けるので

健康的な間食を教えてあげたりします。

ここで栄養指導に必ず入れるようにしたポイントは以下のとおり

①ジュース、ソーダは飲まないこと。飲む場合は100%フルーツジュース。

 一日に4~7oz (112~168g)までしか飲まないようにすること。

 与えるときは必ず水で薄めてあげる。

②歯にくっつきやすい間食はなるべく避けて、フルーツやチーズなどの間食に切り替える。

③夏の間アイスを食べたい子供は熟した果物を切って棒をさして冷凍庫に入れておき、

 アイスとして与える。

どうでしょうか。日本ではどんな指導するのかな?

ちなみにアメリカの子供たちはジュースやソーダをたくさん飲みます。

親も飲むから仕方ないんだろうけど、100%フルーツジュースなら健康にいいと信じている大人がたくさんいるので

大変。肥満も増えるわけだ。比べるとソーダより100%フルーツジュースのほうがいいけど、

糖がたっぷり入っているのでカロリーの摂りすぎになることや、虫歯になりやすいことなどを説明します。

果物をそのまま食べるほうが満腹感もあるし、食物繊維もあるし、虫歯にもなりにくくておすすめです

子供のころの食生活が大人になった時の食生活を決めるので1歳~10歳くらいまでの食生活は本当に大切だよね。

ちなみに歯医者さんたちに実習中に栄養と歯科についてのプレゼンをしました。

「100%フルーツジュースのカルシウム強化における歯への影響」です。

2007年に発表されたこの論文によると100%フルーツジュースは酸度が強く、

歯を溶かしてしまうが、カルシウム強化された100%フルーツジュースはこれを防ぐ効果があったというものです。

実験はビーカーに歯と各種100%フルーツジュース、各種カルシウム強化100%フルーツジュースを入れ、スターラーで25時間各藩し、

歯の浸食具合を測定したもの。

この歯の浸食を防ぐ効果はフルーツジュース中に含まれる酸が通常は歯のカルシウムと結合するところを、

カルシウム強化ジュースは、このジュース中のカルシウムと酸が結合するために歯のカルシウムが溶け出さないというものです。

 

いくらジュースを飲まないでって指導してもなかなかやめられない患者さんには、

どうしても飲みたい場合はカルシウム強化された100%フルーツジュースにしてね。って

指導するのもありですね。(虫歯のことだけ考えるならば・・・)

 

それにしても子供たちかわいかった~!

ちなみにこの小児歯科では歯が生える前の生後6か月以内の赤ちゃんに、最初の検診に来るように呼びかけています。

歯茎のお手入れ、など歯が生える前から親は子供の歯について勉強したほうがいいんだって。

ちなみに物心つく前から歯医者さんにかようことで、子供は歯医者に対する恐怖心をなくすし、

定期的に検診してもらうことで虫歯を早い段階で治療することができます。

 

歯と食生活は密接に結びついているもの。指導をしていて本当に実感しました。

食生活全く問題なく、野菜もしっかり食べて間食も健康的な子供は虫歯もなく、肥満でもなく。

親も教養のありそうな素敵な人が多かった・・・。

虫歯になったらアメリカではすごい治療費がかかるので、(一本10万下らないらしい)

そんだけ歯の治療にお金をつぎ込むんであればちょっと食生活を考えた方がいいと思うんだけど・・・。

お金のない家庭に限ってそんな残念なところにお金を使わなければいけない、

悪循環を目の当たりにしてちょっと考えさせられました

 

 

 


フロアのカバー

2011年07月01日 | 病院でのインターンシップ

なっなんと、あっという間にこんなに夏

病院実習はあっという間にクライマックスを迎えました。

というのは、1月末から始めた病院実習、3~4日ごとに各フロアを担当の栄養士さんとともにカバーをしながら数か月を過ごし、

全てのフロアを経験したのち、さらに特にもっと勉強したいフロアを選んで追加の一週間実習をし、

病院実習の最後の3週間はstaff relief といって、1フロア(一階分)をすべて担当するんです。

その間の3週間はもともと担当の栄養士さんは長期休暇をとったり、病室を離れてプロジェクトに取り組んだりするの。

なので1フロア40床~45床はすべて私の担当。お医者さんからの質問や依頼、患者さんや看護婦さん、ケアマネージャーさんとの

連絡の取り合いなども一人でやらないといけません。

私のカバーしたフロアはcolorectal cancer のフロア。

大腸小腸の癌患者さんですね。本来なら一つのフロアを3週間ずっと担当するんですが、

私は他の栄養士さんとの兼ね合いもあって、

最後の一週間はLymphoma/Leukemiaリンパ腫・白血病のフロアをカバーしました。

大腸小腸癌のフロアは消化器系の癌の患者さん(他には胃癌など)や肝臓癌、膵臓癌の患者さんも

よく回されてきました。

たいていは手術の患者さんで、主には術後の栄養指導になります。

大腸、小腸癌の切除後の患者さんには低繊維、低脂肪の栄養指導や、

回腸瘻などの患者さんにはそれに適した栄養指導をします。

もちろん胃切除の患者さんにもそれに適した栄養指導。

一方、リンパ腫・白血病のフロアでは主に化学療法の患者さんが多いので

食事をろくにとれない人や副作用がひどい患者さんがほとんどです。

その場合、どうやったら必要なカロリーをとれるか、どうやったら

副作用が軽くなるか、アドバイスをしたり、

必要に応じて栄養のサプリメントを提供したりします。

また、治療のために免疫が極端に落ちている患者さんには

Low Microbial Diet の教育をします。

これは主に食べ物の安全にしっかり気をくばり、弱った免疫力でも

食中毒になったりしないようにするものです。

基本的には厚い皮のついている果物以外はすべて火をとおして食べるんです。

肉や魚も野菜も果物もすべて。

また、チーズは殺菌されているものしかダメ。

癌の種類も治療も、栄養に関する問題もすべて異なる2つのフロアで

Staff relief ができて本当によかったと思います。

なんだかアップデートがなかなかできずにいますが、つれづれにアップしていきますね~


スタッフリリーフ開始!

2011年06月24日 | 病院でのインターンシップ

日がたつのは早いもので、実は3日前からスタッフリリーフを開始しました

何かというと、実習の締めというか、これまで学んだことの総まとめというか・・・で、

3週間一つのフロアを担当するの!

ちなみにもともとのフロアの担当者は今旅行で休暇中。

私がその人の代わりをつとめるわけです

これまでと何が違うかというと、特に指図してくれる人がいないので毎日どの患者さんをみて

どうフォローアップするのか全部自分で決めるってこと。

何か問題があれば看護婦さんやお医者さん、そのほかのスタッフと話をして自分で解決しなきゃいけない。

責任重大!もちろんどうしても自分で解決できない問題があれば他のフロアの栄養士さんに聞きに行くことはできます。

もちろん私が書いた栄養カルテは他のフロアの栄養士がすべてチェックしてサインをしてくれます。

 

初日の新規患者さんは6人程度。その他看護婦さんやお医者さんから別途診てほしいと言われてみる患者さんは3人程度。

なんとか耐えられる人数です。初日なのでドキドキだったのですが、全部終わってよかったです!

しかも初めに会った患者さんはロシア人

英語はかたことなので栄養指導や問診がうまくいくかと心配だったんですが、

身振り手振りでゆっくり話したらかなり理解できているみたい。

普通だったら10分程度で終えられるはずの栄養指導が30分くらいかかっちゃいました。

でもひとつひとつ理解してくれたかどうか確認しながら話したので

全部終わったときは患者さんも私も達成感大!

英語が母国語の栄養士だったら「この人英語通じないや」って思われただろうけど、

私は英語で苦労してるからどのくらい通じるか通じないか、

結構わかるの。

この患者さんと話した後、英語が母国語じゃないのもいいもんだなと思いました。

初日ははじめの患者さんがロシア人でどうなることかと思ったけど、

無事、すべての患者さんを診ることができて

いい滑り出しです。

でも仕事終わったころにはもうへとへと

家に帰ったらごはん食べてばたんきゅ~でした